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魔王を殺そう。  作者: トマト
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容赦なくえげつない事を書くつもりです。


 ――窮地だった。


 年々魔王軍の侵略域は進み、すでに人間たちの国は幾つも落とされていた。


 魔王軍の長である魔王は本来ならば統制のとれない魔族を完璧に統率し、常にその力は強大。


 人間の住む土地を取り戻そうと幾人もの勇者たちが魔王へと挑むが、そのすべてが魔王の城にたどり着く前に『五柱』と呼ばれる魔人たちの前にあっさりと命を落とした。


 人間たちは凶悪な魔王軍に対抗すべく様々な案を考え、実行し、そして失敗し続けてきた。


 次々と国が墜ち、人間が滅びるのはもう時間の問題だと多くの者たちが思う中――その『救世主』は現れた。


 嘗ては教会に『聖騎士』として認められた勇者が挑み、その前で命を落とした『五柱』の一人である鬼蜘蛛――ヤツカハギ。


 士気高揚の為に行われたとある王国の式典の最中、魔王軍が誇る最強の将の一人であるそのヤツカハギの首級・・が箱に詰めれた状態で王族への誕生日・・・()()()()()として届けられた。


 王や国の要人たちは届いたその首級を悪質なイタズラだと最初は眉をしかめた。


 だが次第に()()()一体誰・・・()なのかを理解した時――全員の背中に鳥肌・・()()()()


「だ、誰がこの箱を持ってきたのだ!?」「い、いや、待て。本当にこの首はあの魔人の首なのか? 質の悪いイタズラなのでは?」「至急詳細な情報を集めろ!! 最後にヤツカハギのいた前線は何処だ!?」


 ――その場にいた人間すべては突如として沸いたこの現実を信じられずにいた。


 だが情報が集まり、その首級が本物・・だという証拠が出揃うと誰もが同じ疑問を浮かべた。


 ――誰が五柱の一つを落としたのか?


 その質問の答えに誰も答える事が出来ないまま式は終わり、多くの疑問と困惑が深まる真夜中――国王の寝室に()()は現れた。


 王族の眠る最も堅固な場所に()()()はやすやすと侵入し、そして国王の枕元に悪魔の様に降り立ち、こう言ったのだ。


「――ハッピーバースデー国王さま」


 ――そしてマルタ国王、国王マクスウェルはこの日、魔王と戦うために本物の悪魔と取引を行った。





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