8話
「あっ、なんでもないです。」
陛下が固まってから、無言の時が過ぎ唐突に訪れた沈黙に気まずくなって出てきた言葉は、そんな言葉だった。
俺が話始めると、まるで時が動き出した様に場が動き始める。
「うんうん!あるよね!あるある!君はまだ寝起きだからね~よくあるよ!」
「お・・・おぅ。」
動き始めた子供は幸せそうな笑顔で話し始めて来た。
「とりあえず、君の目が覚めるまで少し待つ事にしようか!」
そういうと目の前の子供は後ろを向いて見るからに玉座へ向け歩いて行く、余りにも唐突で気が付かなかったが今いる場所はまるで王城の様だ。
子供が玉座に座るまでの間に回りを見ると、天井には見た事も無い豪華なシャンデリラ、床にはこれまた高そうな赤いカーペット繊細な彫刻が施された壁そして数段高い所にある玉座。
やたらテンションが高かった子供がその玉座に座ってからは先ほどの騒がしさが嘘の様に静まり返り、無言の時が流れた。
「えっと・・・そろそろ大丈夫です。」
「ん?うん!それじゃあどこから話始めようかな!?」
無言になってから何分たっただろうか?沈黙している部屋で多数の視線を浴びる。。そんな拷問の様な時間に俺は直ぐにまいってしまう、考えてみればこの子供はともかく、兵士達はどうみても強靭な強者であり陛下と呼ばれてるこの子供も只者では無さそうだ。
何から話すべきかと首を軽く捻り頭に手を置いて考える様は正に...だが。
「わかった!とりあえず話の主導権を君にあげるよ!」
「え?主導権・・・?」
「うん?あぁ、君が分からない事や疑問に思ってる事を僕に質問してくれればいいのさ!」
「な・・なるほど。」
話し方は正に子供だが、使ってくる単語は年相応とは思えない、不思議な子に戸惑いつつも質問する内容を考える、そして自分の身にいったい何が起こったかを思い出した。
師匠から渡された本を開いて酷い吐き気に襲われて、声・・そうこの陛下と呼ばれている子供の声が聞こえ気がついたらここにいた。
「きみ・・いや貴方は一体何者ですか・・?」
「僕?僕はバトロスだよ!ばとろすギョ!おねすとぼすたぁ~に!」
「バ・・ト・ロス・?」
いやいや、そんな当然の如く言われても・・・知らんし。
「そう!今日から君の先生だよ!」
「先生って・・・あっ!」
師匠に渡された本の側面に書いてあった『ギョ!』って文字・・もしかして人名?人名にギョ!ってどんな神経してんだ・・・
「どうしたの?」
「い・・いえ、そういえば少し前に本を読んでいてそこに書かれていた事を思い出しまして」
「本・・?あぁ、魔導書の事かな?」
「魔導書・・?」
「うん!」
玉座に腰掛けていた陛下は、足を組むとドキっとしそうなぐらい綺麗な笑顔を浮かべた。
「君の呼んだ本は・・僕が書いた本だよ!」
「・・・なるほど。」
よくわからないが、もうこんな世界に来てるいると言う時点で、なんとなく想像はついた。つまりこの目の前にいる陛下は、所謂見た目だけでは分からないような人物だろう。
「魔導書って言うのはね、記録であり教科書であり・・まぁ~書く人によって目的は違うけどねぇ~」
「その・・自分は確かある人の家でその本を読もうと思って開いたんですが、きがついたらここにいて・・」
「あぁ、僕の書いた本はそういうものだからね!君が今いる場所は間違いなくその部屋だよ、ただ君と言う人格は別の場所・・つまりここにいるけどね!」
要するに、俺は今幽体離脱・・?いや夢を見ているようなものか・・?
「と、言うと・・ここは・・本の中の世界ですか?」
「そう!」
陛下と呼ばれている子供は何故か嬉しそうに返事をした、それと同時に何故か愛おしそうに見られてる気がする。
あっ、陛下の目見たらなんか陛下の目がまん丸になるぐらい開かれた。
「シアン!」
「ハッ!ここに、!」
陛下が声をかけると周りの騎士達の中から一人の騎士が前に出てきた、先ほどの隊長っぽい人とは別の人だが、身に着けている鎧はまるでどこかの国の英雄の様な宝飾が施されている事からかなりの地位の人物な気がするが・・
「僕はちょっと用事を思い出した!後は任せるよ!」
「分かりました、して、この者はどの様な処罰を与えればよろしいでしょうか?」
えっ!え!?
「え?違う!違うって!彼には・・うーん、そう。魔法を教えてあげて!」
「了解致しました。」
一瞬何故か知らないが罰せられる気がしたんだが・・?
「それじゃあ、がんばってね!」
「え?は・・はい!」
正にトントン拍子の様に話が行く事についていけずに取り残された気になりつつも陛下は一言俺に声をかけるとそのまま玉座の後ろの扉へと消えて行った。
久しぶりに見るとアクセス数が8も・・!
見てくださる人が一人でもいるならば・・続きを書かねば。・・・




