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5話


「アルバさん・・・俺を、弟子にして下さい!」


「ふんぬ!? ど・・どうしたんじゃレークスよ・・」


 日も暮れ家に帰ってから俺が選んだ道は、アルバさんに弟子入りする事だった。

 この人は・・・間違いなく強い俺の今まで見た事会った事ある人の中でも一人だけ頭一つ出ている様に感じる程に、カクが違うと言うべきか?


「う~ぬ・・・」


「だ・・ダメですか・・?」


 流石にすんなりと承諾はして貰えないのか・・・?アルバさんはもうお決まりとも思える様に腕を組み下を向いて項垂れている、


「良いと言えば良いのじゃが、ダメと言えばダメなんじゃよ」


 また。。よく分からない返答をされて俺は困惑する。


「お主、わしに弟子入りしたいと言う事は強くなりたいんじゃろう?」


「はい・・・俺はこれからこの世界で生きて行くのに不安なんだと思います。」


「・・・ほう?」


 自分自身をよく考えて客観的に分析する・・・これは俺がこの世界に来る前からしていた事だ


「正直未だに、嘘だろ・・ っとふと思う時もありますがこのままこの世界で生きて行く事を考えると今の自分では簡単に死んでしまう気がしてしまって・・・」


「・・・間違いないのぅ...」


 アルバさんは一切否定する事無く暗い目をして肯定した


「ふむ、分かったお主を弟子にする事は出来んが剣ぐらいなら教えようかの」


「・・・!ありがとうございます!」


 こうして俺はアルバさんもとい師匠に剣を教えて貰える事になった・・・が


「早速じゃが、まずは座学からじゃの。」


「・・・・はい」


 地道に机と向かい合う事になりそうだ。


「さてと、まず何から話せば良いかのぅ~」


 晩飯の後、アル・・・もとい師匠と向き合って座学を教わる事になった


「まず、お主のいた世界にも武術はあったのであろう?それを軽く話してもらえぬかのう?」


「はい・・・分かりました。」


 何故だか分からないが師匠は武術・・・所謂剣道などの存在を感づいていた、俺は師匠に出来る限り知っている事を話した

 何時間立っただろうか?師匠は俺の話に対してただ頷くばかりで、俺は一方的に剣道の話からどこかで見たようなレイピアを使うスポーツの話、それと格闘技や柔道、合気道など知っている限りを全て話した。


「ふむ・・・なるほどのう、」


 ある程度話終えると師匠はゆっくりと深く頷き。


「よし、寝るかの。」


 そろそろ夜も遅いと言う事で寝るのであった。





★☆


 そして翌朝起きると、アルバさんは家の前でやる気満々で剣を振っていた


「おはようございます、師匠」


「うむ?おはようじゃの」


 師匠は汗を腕で拭いながら振っていた剣を渡してくる


「レークスよ、わしは昨日お主の話を聞いて色々と考えたが、まずは何より武器に慣れる事が重要じゃと思うからの、これから毎日1000回は剣を振るんじゃ」


「・・・分かりました、よろしくお願いします!」


 それから俺は渡された剣を只管降り始めた、剣を渡されてから振り始めて300回を超えた辺りから剣の重みがとても辛く感じる。

 今までの生活の中で、旗やバットや木刀など確かに手にして振る機会はあったが、思い返せばどれも数回・・多くても数十回しか連続で振る事は無かった。


「レークス!ふらつくで無い!」


「は・・はい!」


 まるで生まれたての小鹿の様な状態になりつつも、剣を振っているのか剣の重みに引き寄せられて逆に剣に振られているのか分からない様な状態で、俺は振り切った。



「ハ・・・ハァ・・・ハァ・・・」


「うむ、良く振り切ったの、これからは死ぬまで毎日振り続けるんじゃ」


「!?・・・し・・死ぬまで・・ですか・・・」


「当然であろう?お主は戦う統べ・・剣をわしから学ぶんじゃ、つまりこれからは剣士として生きるんじゃからの」


「剣・・・士・・」


「うむ」


 全身が汗塗れで腕が張っている、今すぐに座って休みたい、そんな思いの中で師匠の剣士と言う単語だけが自分の中で響いていた


「分かりました!」


「うぬ、良い返事じゃ。」


 ふと、何かを思い俺は自分の手のひらを見る、今まで見た事も無いほどに赤く晴れていて皮が剥けている場所もある、そんな手の平を見ると痛みが沸いて来るが俺はその手を強く握り締めるのであった、


(強く・・強くなってやる・・!)


 強くなって・・生きて・・・・生きて・・・?その先に、何を求めるんだろうか・・俺は・・いや、そんな事は強くなってから考えればいい事だ、とりあえず行動をする事が重要なんだ、そう自分に言い聞かせて。


「レークス」


 そうだな、まず力を手に入れたら俺はきっと


「・・・レークスよ」


 その力を使って、必ず・・・


「レークス!」


「!・・は・・はい!」


 師匠は目を丸くしたような顔で俺を見ている


「どうしたんじゃ?急に怖い顔しおってからに・・」


「い・・いえ、なんでもありません、少し考えてしまって」


「そうか・・がんばるんじゃぞ、」


「・・・はい!」


 それから家に戻り、朝食を食べてから師匠はいったい何処にしまっていたんだと思うほどの量の本を持ってきた、


「師匠・・コレは・・」


「うぬ、これはの、戦いを生業にしてる者にはとても役立つ知識じゃの」


「知識・・ですか・・」


「いかにも、我々は人であるからの、動物の様に筋力や能力だけではなく知識を活用する事で強くなる事も出来るんじゃよ」


 師匠はそういうと手始めとばかりに一冊の本を渡してきた、


「レークスよ、お主の世界にも色々と知識はあったようじゃが、残念ながら、そのほとんどはこちらの世界ではあまり重要では無いんじゃよ」


「・・・?どういう事でしょうか?」


「うぬ、そうじゃのわしも何とも例え様が無いが言うならばこの世界とお主の生きていた世界では、戦いにおける方法が圧倒的に違うと言う事かの」


「なるほど・・・」


 なんとなくだが師匠の言う事が分かる気がする、戦いと言うのは命の奪い合いだ、もちろん何でもあり、ルールなしがルール、とすると・・


「お主の知っている武器・・兵器はこの世界にあるかもわからんじゃろうし、お主の知らぬ兵器よりも強力で恐ろしく、実用性もある方法もあるからの」


「要するに・・それは・・・」


 師匠は頷きながら、答えた


「うぬ、魔力じゃよ」


「・・・魔力・・ですか。」


「うぬ」


(師匠が前にヒールと言いながら使っていた、あの力・・・か、やはり魔法が・・・)


 口が自然ににやけてしまいそうになるのを、俺は必死で抑えて真剣な眼で師匠を見る


「お主にはまず魔力というものを説明する所から教えるかの」


「・・・はい!」


 俺は心の底から、歓喜に包まれた


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