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3話

「おきろぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」


「ぇ!?」


 え!?何???何何何?? えっ!?


「お主・・大丈夫か?」


「え・・えぇ、すみません。」


 少し意識が飛んでいた・・のか?


「まぁ・・良い、とりあえず今日はもう遅い、まだまだ話はあるが、今日の所はこれぐらいにしておくかのう」


「あっ・・・はい・・・」


 それから俺は、アルバさんに案内されて部屋に行き布団に入った・・・何故だろうか?少し混乱している気がする、布団に入ってからも、俺は先ほどの会話を思い出して考えてしまう・・眠れない。


(カータス・・王国・・・聞いた事が無いなんて所じゃないぞ・・・それにアルバさんは外国語を使ってはいない、国内にそんな場所・・いや。。まずカータス王国って何処の国だよ・・と言うか・・なんだよあのヒールって・・まるでこれじゃあ・・・あぁ!もう!)


 考えれば考えるほど分けが分からない、考え始めて何時間たっただろうか?、俺の中で既に答えは出ているが、認めたく無いわけでは無い、ただ信じられない答えが・・・


(やはり・・・ここは、異世界・・・なのか?)


 薄く、透き通っていた考えが濃くなり、俺はその結論に至ると、深い眠りに付くのであった。




 次の日目が覚めると俺は、妙にすっきりとした気持ちになっていた、意識が覚醒してから寝る前に考えていた事を思い出し気持ちの整理がすぐ出来た事が原因だろうか?、確かに、おかしな話ではあるが、昨日考えて考えて考えて出た結論だ、もう考える事は十分だろう、起きてからは、アルバさんを探してとりあえず昨日話していた部屋へ行く、するとそこには既にアルバさんが座っていて、何かを考えていた、


「おはようございます!」


「うむ?あぁ、レークスか、おはよう」


 ・・・妙な空気になった気がする。アルバさんにすごい見られている気がする、


「あの・・・アルバさん・・・」


「・・・何じゃ?」


「昨日は色々とありがとうございました・・・」


「・・・うむ、落ち着いたか?」


「はい!」


 それからと言うもの、俺はアルバさんと色々な事を話した


「って・・事でして・・」


「なんと!本当か!?」


「はい・・・」


 多分この世界と俺のいた世界が違う事、俺のいままでいた世界がどういう世界だと言う事、


「と・・・言うわけじゃ、」


「なんと・・・そんな事があるんですね・・・」


 この世界の事初めて聞く様な事、


「うむ・・・ふむ?そろそろ流石に飯にするかのう、」


「そういえば・・・はい」


 気がつけば俺とアルバさんは、窓から外を見ると夕日が見える時間までずっと話していた、話した結果俺が分かった事は、ここが間違いなく異世界だと言う事、そして俺はこの世界について何も知らないと言う事なんというか・・・改めて思うとこれからどうすればいいのかさっぱり分からない。元の世界に返りたいかと言われれば確かに帰りたいが、それはあの環境が慣れ親しんでいてすごし易いからだけだと思う、実際人間関係や財産などは一切惜しくない、一人部屋にいて友人などもいない生活だったわけだし・・・ん?一人・・?


「待たせたの、ほれ」


「えっ! いえそんな・・ぉお!!」


 俺が考えてるうちに、アルバさんが持ってきた物は、とんでもなく大きい肉の塊だった、そしていろりに網をセットすると、短剣で器用に肉をそいで焼き始める、なんという事だ・・・においが・・これは絶対美味いと本能で分かる、


「アルバさん!この肉はいったい!」


「ふむ?あぁ、これはアザッスの肉じゃの」


「アザッス?」


 流石異世界・・・聞いた事も無い名前だが昨日食べた肉もきっと異世界の肉なのだろう・・・昨日食べた事で特に害は無かったし、何よりこの香り!まるで一見様お断りの高級店で出て来そうな匂いだ、まぁ一見様お断りの店なんて行った事が無いから想像と被ると言う話だが。。。


「どうした?食わぬのか?」


「!?いえ!いただきます!」


 口に入れた瞬間だが・・・俺は意識が飛んだ。いや、一瞬思考が停止したのか?、そぎ落としたとは思えぬほどの口溶けと油と赤みの絶妙なバランス、何よりこの香りを出していた正体・・・それはスパイスだった。


「う・・美味すぎる!!」


「うぬ、そうか・・・そうか!!」


 俺がアザッスの味を堪能しているのを見てか、アルバさんは深く頷き満面の笑みを浮かべた、それから、お互い無言で食べていたが、食事を食べ終わる頃にアルバさんは俺に聞いてきた、


「して、お主これからどうするのじゃ?」


「そうですね・・・」


 いつまでもアルバさんのお世話になる訳にもいかないのは十分わかっているが、ここが異世界だと分かった今、迂闊に行動も出来ない、アルバさんと話した時に得た情報だと、この世界はまさに剣と魔法の世界で、俺みたいな現代科学ゆとり世代が生きていくには圧倒的に経験も知識も足りないだろう・・・


「とりあえず・・町に行ってみようかと思います。」


「町・・か、う~む・・・」


「???・・・どうかしましたか?」


「お主、町に行くのはまだ辞めておいてここで少し暮さぬか?」


「何故・・か聞いてもよろしいですか?」


「お主はちと、特殊過ぎるのでのう、流石に今のまま右も左も分からず町なんぞに出ればそれはもう大変な騒ぎになりかねん」


「なるほど・・・」


 確かにアルバさんの言う通りだと思った、アルバさんと情報交換はしたが今の俺がこの世界で生きていくとしたら、それこそどんな面倒事に巻き込まれるか・・・巻き込まれるだけならともかく状況によっては消される可能性は高いと思う、なんせこの世界の文化レベルは今の地球に比べてかなり低い、しかし・・ここで生活か・・・うーむ・・・今でさえかなりお世話になっているのにこれ以上とは・・かと言ってうーん・・・


「私に何か出来る事がありますか・・・?」


「うん?」


 俺が考えた末に口から出た言葉はそんな言葉だった、


「いえ・・アルバさんにはかなり色々とお世話になってしまって・・・これ以上して頂くわけには・・・」


「構わぬ」


 そこからお互いに目を見ながら無言の時間が過ぎて行った、数分後に口を開いたのはアルバさんだった、


「正直な所、お主が今のまま町に行かれるとわしもちと都合が悪いのじょ」


「・・・どういう事でしょうか?」


「実はの、わしはこの場所にいるのは、ある約束を果たす為なんじゃが、ちっとばかしお主がここから唐突に表れた、と言う事が広まるとわしが約束を果たせぬ可能性があるんじゃ。」


「なるほど・・・」


 ここまで世話になって仇で返すわけにもいかないが・・・いつまでもここにいても仕方ないし・・・とりあえずその約束の邪魔にはなりたくはない、


「わかりました、申し訳ないですが、後少しお世話になります。」


「うぬ。なに、気にするで無い、お主にも色々と手伝って欲しい事はあるでのう、」


「手伝って欲しい・・事ですか・・?」


「うぬ、それにわしもお主の知識には興味があるんじゃ、その情報の駄賃だと思って好きに暮らしてくれ」


「ありがとうございます。」


 こうして俺の異世界での新しい生活が始まった。





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