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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

安直短編集

翼の無い鳥

あるところに翼の無い鳥がいました。

その鳥は翼が無い故に気味悪がられ、家族からも嫌われていました。

そんな鳥はある時、天に言いました。

何故自分には翼が無いのだと。

すると天から声が降ってきました。

あなたに翼をあげましょうと。

雲の間だから星の砂のような光る粒が落ちてきて鳥の翼になりました。

鳥は大喜びで大空を飛び回りました。

初めて感じる空の心地よい風。

あまりの嬉しさに鳥は一日中飛んでいました。

それから帰ってみんなに優しく迎えられました。

二日後、朝日が昇ってきました。

鳥は地におり、羽を休めていました。

雲間からあの声が聞こえてきました。

嬉しいかいと。

鳥ははい、と答えお礼をいいました。

すると声はいいました。

その翼をずっと持っていたいかいと。

鳥ははい、と答えました。

すると声はいいました。

それは禁断の翼だ、付けていたいなら一年ごとに新しい翼を着けなくてはならない。

鳥はその意味がよく分かりませんでした。

一年後。

あれから声はありません。

いつものように空を飛んでいると、急に翼が動かなくなりました。

地におり、見ると翼が透けてなくなりそうになってました。

鳥は天に向かって問いました。

すると雲間からあの声が聞こえてきました。

その翼は消えてしまうよと。

もしまだ飛んでいたいなら誰かの翼を取ってこなくてはならないと。

鳥はそんなことできない、とは叫べませんでした。

なくなればどうなってしまうか分かっていたから。

その晩。

鳥は家に帰らず、川で泣いていました。

新しい翼を両側に着けて……。


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