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24-ツヅキ-

(・。・)あ~……

すみません。予約更新してると思ってたのにしていなかった・゜・(ノД`)・゜・


 なんかまえもあったような…… 今日はお詫びで4話投稿(`・ω・´)キリッ(軽いデジャブ)

 静寂は滉が立ち上がる音で破られた。


「そうだな。教えたいところだけど」


 ぐっと伸びて誰もいないベッドに倒れこんだ。


「明日な。朝一で風呂入ってくるから、俺遅くなるけど」


 ムカッとして思わず立ち上がり叫んだ。


「滉!!」


 面倒くさそうにこちらを前髪の隙間から覗く。相変わらず、大きな黒い目だ。


「何だよ」

「今教えてよ! 亜妃にもわたしにもやったこと、それが能力発動の条件でしょ? そうすることで、相手が隠してるのがすべてわかる能力。だから亜妃にやった! そうでしょ?」


 無言でにらんでくる。


「分かってんじゃん。俺眠いから寝ていい? 早く出て行ってよ」


 そこで颯希は、あれ? と思った。ここは。


「出ていくのはあんたらだろ!!」


 言葉が汚かったのは堪忍袋の緒が思いっきり切れたためである。

 滉があまりにもくつろいでいたので一瞬錯覚を覚えたが、ここは女部屋である。


「男は出てけ!」


 滉が舌打ちをうったので颯希は確信犯かと悟った。


***


 ひと騒動あったところで彩里と二人きりになった。先ほど、自分が言った言葉のせいで会話がしづらいが、とりあえず言っておく。


「ここって、お風呂の概念あったんだ」


 滉の発言からのものだ。


「当たり前じゃない。颯希も入る?」


 頷いて言った。


「できれば、今」


 左にある傷にはしみるだろうが、今日は戦闘もあり疲れたし、汚れた。


「そうね、じゃ行きましょうか」


 彩里の発言に


「えっ?」


 驚いた。


***


 彩里の発言から数分後、唐突な行動に驚いたがするがままに頷いてそして到着。どっからみても温泉だ。


「部屋にシャワーとかないの?」

「シャワーがないの」


 基本、湯につかるのは好きではない颯希は温泉もあまり好きではない。シャワーがないなら、身体洗って桶に水くんで流さなければいけないではないか。

 驚きながら服を脱ぐとき左肩が上がらないで彩里に不格好をさらしてしまった。


「脱げないなら言ってくれればいいのに」

「いや、だって、とりあえず包帯を」


 包帯をとって、傷口を抑えているばんそうこうみたいなものと、直接傷口を覆っている大きなラップみたいなものをはがそうとした。ラップみたいなものは透明で、上から見えるのだ


「それはがしちゃ駄目よ」


 彩里に言われて動きが止まる。


「何で?」

「地球に戻ったらすぐに医者に行くのよ。そんな長い傷、本当は縫わなきゃいけないようなものなんだから」


 そう言われてぞっとする。戦いって怖いなあと思う。


「へたすりゃ、傷だって残る」


 そう言いながら彩里は笑った。


「さっき言った通り、わたし達はあなたに隠していることがあるわ。それは謝る」


 ごめん、と言いながら頭を深々と下げられた。もうタオルも巻いて、温泉入る気満々だった颯希はこんな格好で謝られてもと思いながら、


「いいよ、別に」


 とそっけなく答えた。一応、少しは怒っているのだ。


「でも、わたし達だって、教えたかったのよ。でもね、自分の能力ってのは簡単に他人に明かしてはいけないものなのよ」


 彩里は、やわらかい栗色の髪を上にあげながら言った。颯希は彩里の発言に思わず目を細める。〝自分の能力〟だと?


「だってもし、それが王族と繋がっている人物の耳にたどり着いたら、どうなるか分からないから」


 つまり、王族は能力者を集めている、と言うことだろうか。


「わたしも滉も亮もみんな能力を持ってるわ」


 ガラッと引き戸を開ける。中には誰もいなくて、貸切状態だった。


「わたしもまあまあ珍しいからね、あなたの素性が分からなかったから言わなかったんだけど」


 颯希は思った。颯希が彩里たちを疑ったように、彩里たちも颯希を疑っていたのだ、と。確かに、今まで音沙汰なかった亜妃に急に会ってほしいと言われ、会った人物を信じられると言えば嘘になるだろう。颯希自身、きっとそうだ。知らない人物に会った時、本当に信用していい人物なのか、と。足先でちゃぷんとお湯に触れる。温かい。

 今なら、信用に足りる人物と判断してくれたのだろうか。そうだったら嬉しいな、と思う自分がいるのに驚く。


「颯希、傷治すからこっちに来て!!」


 言ったことが理解できず怪訝な顔を彩里に向けるが彩里は笑(えみ)を崩さない。さっき、地球に行ったらすぐに医者に行けと言ったのはどこのどいつか。ゆっくりと歩いて、用意された椅子に座る。


「じっとしててね」


 そのささやきが不思議だった。誰が治すのだ、何が治すのだ? そしてわかる。傷の前に立ち、手を傷の上に重ねた彩里の行動で。彩里が手を数秒置いたのち、すぐに横に手を流す。ドクンとして、傷がないことに気付いた。ラップみたいなものは透明で、上から見えるのだ。傷が、無くなっていることも。


「な、んで!」


 絶句しながら彩里を見た。これが、能力。


「これがわたしの能力よ」


 無駄に医学に詳しいと思っていたら、そういう能力だからか。透明なものをとり、肩を動かす。


「おお、すごい」


 確かにこれは。王族も欲しがるかもな、と思う。


「詳しくは、明日ね」


 彩里はニコリと笑った。


***


 目が覚めると八時過ぎだった。時計を持ってきて正解だったと思い伸びる。パジャマがなく、昨日の服のまま眠ったが伸縮が良いからかそんなに寝苦しくはなかった。

 隣のベッドには彩里が寝ていて、静かにトイレ(これは洋式)と洗顔を済ませた。


 ノートを開き、彩里の能力に〝傷を治す〟と書く。本当はもっとすごいかもしれないが今分かっているのがこれだけだ。


 八時も十分程度過ぎたころ彩里も起きた。


「多分、滉たちが来るのあと三十分ぐらいあと」


 何でも、いつも起きるのが八時三十分ぐらいだからとか。かつ、風呂に入ると言っていたのでプラス十分。

 でもこの前の朝は早かったよなと考えた。亜妃について聞いた次の日の朝のことだ。あれはあれあで、特別だったのだろうと解釈する。


「……彩里の能力ってさ、〝傷を治す〟であってるの?」


 一応聞く。昨日の夜、寝る前に考えた結果もしかしたら病気も治せるのかと思ったからだ。


「うん、そうね。一応、傷は全部治せるし、内臓の内部破壊も治せるわ」


 そういうことって、どうやってわかるんだろうなと思ったがこれは全員集まってからにしようと考えた。自分の能力を見つける発端というものは大勢に聞いたほうがいい。


「ほかには? 病気とか、治せないの?」


 彩里は悩んだ末


「分からないわ」


 と言った。ただそれが、本当のことかわからない。一応疑うということは学んだ。


「何せやったことないし」


 しばらく間を置いて答えた。窓の外が少し活気づいているのにちらりと目線を飛ばしてから彩里は颯希の方を向く。


「病気なら薬で治しちゃうしね、多分だけど」


 確かにそうかもしれない。そう思うがきっとできるのだろう。最後の一言で確証を得た。


「分かったら教えてね」

「……分かった」


 どうやって、わかってるんだろうとまた思ったのは誰にも言わない。


***


 彩里の言った通り三十分後に滉たちは来た。服も一新して新しくなっており、なぜ? と思ったところでなんでも下に売っていたとか。


「颯希」


 滉に呼ばれた。亮は彩里と少し話したのち、彩里を軽くたしなめるそぶりを見せた。颯希に能力をばらしたのを言ったからだろうかと考える。


「昨日の続きだ」


 頷いた。まだ話足りていないのだ。


「昨日わたしが言ったことは当ってる?」

「もちろん。ただ少し違う」

「当ってないじゃない」

「当ってるんだよ。ただ、俺が分かるのは隠していることとか、そいつ自身のことだけではないってこと」


 滉の言っている意味が分からなくなった。その人自身のことではないってことは


「その人の親戚とか家族とかもわかる、ってこと?」


 滉は驚いたように、感心したようにうなずいた。


「やっぱ頭いいよな、颯希」

「どうも」


 滉はにやりと笑う。ここまでくれば、颯希はすべてわかった。


「つまり滉の能力は、相手のことはもちろん、相手と関係が濃いものや相手と血が繋がっている者を分かる能力だってこと?」


 関係が濃いというのは亜妃のことが有ったからだ。血が繋がっているというのは今のやり取りで分かったこと。難しい能力だなと思う。


「そゆこと」


 その時の笑顔が晴れ晴れしく子供っぽく滉はこの状況を楽しんでいたのだなと感じた。


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