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お掃除

誤字・脱字がありましたら指摘をお願いします。

 あの『引っ越し案』が提出され受理された日から数日が経過していた。

「ここ・・・・・・か」

 自宅から歩いて数分、親父が言っていた空き家の目の前に俺たちは到着した。

今ここにいるのは俺と妹である樟葉だけだ。親父とお袋はもう除霊師として今頃全国を旅して回っているだろう。確か今度は大分の別府とか言っていた気がする。

「それで、ここを事前に掃除しておけ、ってお父さんが言ってたの?」

 質問を投げかけたのは樟葉だ。

「そうらしいな。安いぶん長年使われていないし、きっとほこりも溜まっているだろうから、荷物が運ばれてくる前に軽く掃除しておけってさ」

「ふーん」樟葉は人差し指を顎につけ、「掃除屋さんでも雇ってやってもらえばいいのに」

「どうせケチな親父が金を使いたくないからだろうよ。ま、早くやっておわりにしようぜ」

「そうだね」

 短い会話をし、俺たちは空き家の中に入った。

 

 中はいたって普通だった。

 まず、玄関は一メートルちょいくらいの幅を持っている。さらに玄関を上がってすぐ横にはリビングの扉があった。リビングは見てみるとだいぶ広いうえにキッチンと一体化した形になっていた。

 さすがに家具はなにも見当たらない。

 試しに床にどれほどのほこりが溜まっているのかを指で確かめてみたが、そんなに溜まってはいなかった。むしろ綺麗といえるくらいだ。

 他の部屋も同じく派手にほこりが溜まっている光景は見られない。

「なんだ、案外綺麗になっているもんだな」

「でも逆に不自然よね、だってこの家数年は誰も使っていないはずなんでしょ? だったら、こんなにきれいになっているわけないよ」

 確かに、これほどまでに綺麗になっているのは不自然だ。

 なんだかんだいって親父が掃除屋にでも頼んで掃除してもらったのだろうか? だったら、なぜ掃除しに行けなんてことを言ったのだろう。

「ま、綺麗になっているぶんには掃除する手間が省けたからいいか。さて、今度は二階か」

 玄関を入って真っすぐ進んだところに階段はあった。

 俺たちはそこを上っていく。

 階段もほこりが舞うことはなかった。

 上り終えると廊下が真っすぐにあった。その廊下に沿うように両側にはふすまがある。

「うわ、ふすまってことは中は畳かな?」

「いいじゃん、風情あふれてさ」

 樟葉が片方のふすまを勢い良く開けた。

 そこは思った通り畳が敷き詰められていた。十四畳といったところだろうか。そして、壁には押入れらしきふすまがあり、開けてみたところ、二畳ほどの広さの押し入れで、天上まである。それを中間で二つに分けたといったところだ。

 もう一方のほうも、同じく十四畳の押入れ付きの和室。

 確認し終えると、

「じゃあこっちがあたしの部屋ね。お兄ちゃんはそっち」

 樟葉がいきなり部屋を決め出した。

 ――十四畳。一人が部屋にするにしては広すぎる。二人で部屋を共有にしても広さ的には困らないはずだ。だが、さすがに妹と二人で一つの部屋を使うことには抵抗があったため、そこはその提案を受け入れた。どうせ親父たちもそんなに家には帰ってこないだろうから、下にもう一つあった部屋で我慢してもらおう。

「分かった。じゃあこっちが俺の部屋な。さて、家もだいたい見たし、いったん家に戻って掃除道具でも持ってくるか」

 樟葉もそれに賛成し、家に戻った。


 掃除道具を持って来たおれたちは、まず一階の掃除を軽くやってから自らの部屋の掃除に励んでいた。

 畳の掃除の仕方は乾いた雑巾で網目に沿って拭く、という単純なものだ。パッと見たところ痛んでいる箇所は見当たらないため、畳の交換は無用だろう、と判断した結果だった。

 きっと不動産屋のおじさんが定期的に手入れをしていてくれたのだろう。

 感謝の気持ちを心に秘めつつ、手を動かす。

 と、その時。

 ドタドタドタと廊下を走る耳障りな音が響いた。

 樟葉だろう。

 そう思った俺は注意を促すため、ふすまを開けた。

「おい樟葉、うるさいぞ、ちょっとは静かにしろよ」

 きっと階段を降りた樟葉に向けて、俺は言った。

 すると、向かいのふすまから樟葉が現れる。

「あれ? あたしじゃないよ? お兄ちゃんじゃないの?」

「え・・・・・・? 俺はさっきからそこに・・・・・・」

 俺は自分の部屋に視線を向け、また樟葉へと視線を動かした。

「おかしいな、空耳だったかな」

 頭を掻きながら俺は部屋へと戻った。


すいません、これからもこのくらいの長さでやっていきたいとおもいます。

多分、自前のPCさえ買えれば・・・・・・

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