↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

"七上八下"

掲載日:2026/09/15

居間に何者かが居るのは、扉の磨り硝子が透けて居る事からも明白だった


人物は恐らく身長170前後

以前友人がこのアパートに遊びに来た時と、同じくらいの身長に視える

強盗かとも思ったが、人影はやや前傾気味の直立を保ったまま動こうとしない

影は微動だにして居なかった



心がざわざわする

あまり足音を立てないようにして真暗(まっくら)な寝室に逃げ込むと、鍵を掛けた


扉に耳を当てて、居間の様子を探る

何の物音もしない

思えば、人影は一切の物音も無くあの場所に現れた


視間違いか幻覚か───様々な可能性を検討した

物音もせず動きもしない事から、あまり人間だとは思えなかった



ぎい、と音がして

僕は心臓が止まりそうになりながら、両手で自分の口を押さえた


音は僕の背後、寝室の暗がりの中から聞こえて居た

眼を閉じていても解るはずのドアノブを、空振りしながらようやく掴む

寝室から這い出て気が付いた

居間の磨り硝子の先から、人影が消えて居た


寝室の扉を閉じる

不意にアパートの窓が、だん、だん、と、手で叩かれる様な音で鳴り始めた



音の感じからするに、一つや二つの部屋では無い

僕は両耳を塞いで躰を丸め、廊下のフローリングにうずくまった


両眼を閉じる一瞬前

影が静かに動いて、僕の後ろに誰かが立つのが視えた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。