表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔物喰いの境界線 〜0.01の積み重ね〜  作者: ヒデまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/37

後日談 最終話:エレイン編『魔力融合と、素直になれない楔(くさび)』

夜の帳が下りたレムリアの街。ギルドの宿舎の一室で、シュウは左腕を剥き出しにして座っていた。その腕に刻まれた複雑な幾何学模様の紋章――「楔」を、エレインが指先でなぞっている。

「……はぁ。見てなさいよ、この無茶苦茶な魔力の奔流。王都でアルトリウスを叩き潰した時より、さらに質が悪くなってるじゃない」

エレインは毒づきながらも、その瞳には隠しきれない熱が宿っていた。彼女の指先から、青白く鋭い魔力がシュウの腕へと流れ込む。それは、膨張し続けるシュウのステータスを「制御」するための、彼女だけの特権だった。

「……エレイン、熱い。……少し、出力を下げろ」

「うるさいわね! 貴方の『器』がデカすぎるのが悪いのよ。……ほら、じっとしてなさい。楔を打ち直さないと、そのうち内側から弾け飛ぶわよ?」

エレインはそう言いながら、シュウの腕をさらに強く引き寄せた。

かつては「贖罪」のために貸し与えていた彼女の魔法。だが、今の彼女にとってこの時間は、シュウの強大な力に「触れ、混ざり合う」ための、最も親密な儀式に変わっていた。

【現在のステータス:16,200】

シュウの血管を流れる魔力が、エレインの魔力と衝突し、火花を散らす。

「……エレイン、味付けが薄いと言っただろう。……お前の魔力くらい、もっと尖らせてもいい」

王都でシュウに言われたその言葉を思い出し、エレインの顔がカッと赤くなった。彼女は強引に魔力を増幅させ、シュウの意識を自分だけに向けさせようとする。

「……っ、望み通りにしてやるわよ! 誰にも真似できない、私だけのトゲを貴方に刻み込んでやるんだから!」

荒々しい言葉とは裏腹に、彼女の指先は愛おしむようにシュウの肌を滑る。

ひとしきり調整を終えると、エレインはシュウの腕に額を預け、小さく息を吐いた。

「……ねえ、シュウ。……貴方がどれだけ遠くへ行こうとしても、この楔がある限り、貴方を繋ぎ止めておけるのは私だけ。……分かってるんでしょうね?」

究極のツンデレが漏らした、切実な独占欲。

シュウは答えの代わりに、エレインの肩を軽く叩いた。

「……腹が減った。……明日も、お前の『尖った』魔力が必要だ」

「……当たり前でしょ。一生、私が面倒見てあげるわよ」

エレインは不敵に、そして幸せそうに口角を上げた。

最強のステータスを持つ「魔物喰い」の少年と、彼を繋ぎ止める四人のヒロイン。

彼らの物語は、これからも騒がしく、そして極上の味を求めて続いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ