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魔物喰いの境界線 〜0.01の積み重ね〜  作者: ヒデまる


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後日談 第3話:ミーニャ編『まどろみの丘と、黄金の尻尾』

レムリアの街外れ、柔らかな陽光が降り注ぐ小高い丘。

シュウは草むらに腰を下ろし、王都から持ち帰った希少な魔物の干し肉を噛み締めていた。その膝の上には、当然のような顔で丸まる一つの影がある。ミーニャだ。

「……シュウ。……ここ、一番落ち着く」

彼女の金色の瞳はうっとりと細められ、三角形の耳が春風に吹かれてピクピクと幸せそうに動く。彼女にとって、シュウの体温以上に価値のある場所など、この世界のどこにも存在しなかった。

「……ミーニャ、重い。……飯が食いづらいぞ」

「……ダメ。……アンタの膝、私の定位置。……絶対に、動かない」

シュウが干し肉を一口飲み込むと、ミーニャは鼻先をくんくんと動かし、甘えるように彼の胸元に頭を擦りつけた。

そして、彼女自慢のふさふさとした黄金の尻尾が、まるで「逃がさない」と言わんばかりにシュウの太ももにぎゅっと巻き付く。

【現在のステータス:16,200】

数値上は世界を震撼させる怪物となったシュウだが、ミーニャにとってそんな数字はどうでもいいことだった。彼女が感じているのは、強大な魔力の波動ではなく、自分を拾い、共に飯を食ってくれる「シュウ」という男の、ただ一つしかない鼓動だ。

「……シュウ。……あの耳のリィネも、キラキラしたフィオナも……騒がしい」

ミーニャは顔を上げ、シュウの顎をぺろりと毛繕いするように舐めた。

「……私は、静かに隣にいる。……だから、一番長く、私を撫でて」


ミーニャはシュウの手を強引に引き寄せ、自分の頭の上に乗せさせた。シュウが不器用ながらもその柔らかい毛並みを撫でると、彼女は喉をごろごろと鳴らし、満足げに深い眠りへと落ちていく。


どんなに高いステータスを積み上げても、この小さな温もりと静寂を守るためには、まだ足りない。

シュウは眠るミーニャの重みを心地よく感じながら、遠くの空を見つめた。

次回予告

いよいよ後日談の締めくくりです。最後は、シュウの左腕に刻まれた「くさび」を管理し、誰よりも激しく(そして素直になれずに)彼を想う魔導師が登場します。

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