帰還の宴
ギルドの業務終了後、シュウはリィネを街で一番の蒸し料理屋に誘った。
「リィネ、君も来い。……今日は、特別な『獲物』の最良の部位を、店に持ち込んで調理させる」
「えっ、私まで……? でも、受付嬢が特定のパーティと私的に会うのは……」
戸惑うリィネの背中を、エレインが強引に押す。
「いいじゃない、硬いこと言いなさいよ。この男が自分から誘うなんて、天変地異の前触れかしら。……あんたがいないと、こいつら野生児二人の話に付いていけないのよ」
「……リィネ、隣、座って。……シュウの肉、美味しい。……一緒に、食べる」
ミーニャも珍しくリィネの袖をそっと引き、期待の眼差しを向ける。
揺れる四人の食卓
個室に運ばれてきたのは、ベヒーモスの希少部位を用いた極上の料理。
シュウがリィネの皿に、最も滋養のある部位を無造作に取り分ける。
「リィネ、あの日……僕を介抱してくれた礼だ。食べてくれ」
「……はい。ありがとうございます、シュウ様」
リィネは頬を赤らめ、幸せそうに肉を口にする。それを見るエレインの視線には、わずかな独占欲が混じり、ミーニャはシュウの反対側の袖を離そうとしない。
「ちょっと、シュウ! 私の皿には脂身ばっかりじゃない! 私にもその柔らかいところを寄越しなさいよ!」
「……シュウ、私も。……あーん、して」
「……お前ら、落ち着いて食え」
最強の三人と、彼らを支えてきた受付嬢。和やかな、けれどどこか火花の散るような夜。しかし、その平和は一通の「緊急伝令」によって破られることになる。




