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魔物喰いの境界線 〜0.01の積み重ね〜  作者: ヒデまる


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崩壊の序曲

「いっけぇぇぇ! シュウ!!」

 ミーニャが叫び、ワームの眼球付近を短剣で斬りつける。視界を奪われたワームが激しくのたうち、その隙にシュウが懐深く、心臓部へと肉薄した。

 エレインの魔力が青い火花を散らし、シュウの左腕を鋼鉄の槌へと変貌させている。

「……終わりだ。その核、喰らわせてもらう」

 シュウの指先が、鱗の剥がれた剥き出しの肉に食い込む。熱く脈打つ核の感触。

 だが、その瞬間――ワームの全身が、不吉な赤黒い光を放ち始めた。

「……!? シュウ、離れて!!」

 後方で杖を構えていたエレインの顔が、恐怖に凍りつく。

 ワームは逃げるためではなく、自らの一部を爆発させることで敵を道連れにする**『鋼核の自爆メタル・バースト』**の予備動作に入っていた。

 ――逃げられない。

 あまりの近距離に、シュウは回避のタイミングを完全に失う。

 さらに最悪なことに、過剰な負荷に耐えかねたシュウの肉体が、ここで悲鳴を上げた。

「ガハッ……! 腕が、動か……ない……ッ!」

 エレインの『鋼の枷』が強すぎたのか、あるいはワームの魔力に共鳴したのか。シュウの左腕が、心臓を掴んだまま完全に**石化(硬質化)**し、岩壁に縫い付けられたように固定されてしまった。

「シュウ!!」

 ミーニャが助けに飛び込もうとするが、ワームから放出される超高熱の魔力波が彼女を跳ね飛ばす。

「嫌……嫌よ! また、私の目の前で……!!」

 エレインが半狂乱で杖を振るい、障壁を張ろうとする。だが、魔力の枯渇で魔法が霧散していく。

 赤黒い光が臨界点に達する。

 ワームの咆哮が、死の宣告となって岩場に響き渡った。

 シュウは動けない腕を呪い、迫りくる爆炎を真っ向から見据える。

 

 視界が、絶望の赤に染まりきった―その刹那。

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