表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔物喰いの境界線 〜0.01の積み重ね〜  作者: ヒデまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/37

黒鋼の咆哮

シュウが岩陰を蹴り出した瞬間、それまで死んでいたような岩場が「鳴動」を始めた。

 地面を割ってせり出したのは、鈍い光沢を放つ巨大な黒い塊。節くれだった金属の鱗が擦れ合い、キィィィンと耳を劈く高周波を撒き散らす。

「――デカい……ッ!」

 ミーニャが短剣を逆手に持ち替え、低く呟く。その直後、ワームの巨大な頭部が時速百キロを超える速度でシュウへと叩きつけられた。

 シュウは逃げない。

 布を巻いた左腕を前に出し、正面からその衝撃を受け止める。

 ズゥゥゥン!!

 足元の岩盤がクモの巣状に砕け、シュウの膝が土に埋まる。だが、彼の瞳に宿るのは恐怖ではなく、獲物を前にした「飢え」だった。

「ミーニャ、行け!」

「任せなよッ!」

 シュウを盾にして、その背後からミーニャが弾丸のように飛び出した。

 ワームの死角へと回り込み、鱗の継ぎ目――わずかに露出した柔らかい肉を狙って短剣を突き立てる。しかし、鋼の鱗は彼女の必死の連撃を無情にも弾き返した。

「……硬すぎるわ。ミーニャ、一度下がりなさい!」

 後方でエレインが杖を掲げた。

 彼女の碧眼が鋭く光り、シュウの背中へと青白い「糸」のような魔力が伸びる。

「『鋼のスチール・バインド』――連結開始! シュウ、今のあなたなら、その皮膚を砕けるはずよ!」

 エレインの魔法がシュウの肉体に触れた瞬間、彼の血管がドクンと大きく波打った。

 左腕の変色した皮膚が、ワームの鱗と同じ黒鋼の色へと侵食を強めていく。

 激痛。だが、それ以上に凄まじい「力」が、シュウの拳に凝縮されていく。

「……喰らうのは、あとだ。まずはその殻を叩き割る」

 シュウが吼え、ワームの懐へと踏み込む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ