目を開ければ、あの日のように笑う君がいた
「ねむいの…」
「あぁ」
うつらうつらとしてそう言うクリスティアの目元をくすぐってやる。
気持ちよさそうに、閉じかけている目をさらに細めて。指を離せば、深い蒼の目を俺に向けた。
「寝るか」
「寝る…」
「行くぞ」
「はぁい…」
手を広げると、俺に抱き着いて。そのまま抱えてやれば、冷たい温度は俺の首へと腕を回す。
「いいゆめみよ…」
「夢で逢えるといいな」
「逢いに来て…」
そんなことを言われたら何が何でも行かねばなるまい。普段眠りなどしないけれど。
「夢ヶ﨑が夢に入るときは体に触れるんだったか」
ベッドに座りながら聞くと、甘くすり寄ってきた恋人はうなずいた。
「いいな…いつでも夢に入れるの…」
「リスクも大きいがな」
今の恋人に理解は難しいことはわかっているので、「そうなの?」と聞いてくるクリスティアには「そう」と頷いて。
ともにベッドに寝転がり、彼女の腕が痛くならないよう身を離す。名残惜しそうな顔をしていやいやと首を振る恋人の可愛さに微笑んで、手を握った。
「実際逢えるかはわからないが」
「…」
「行けたら行く」
口ではあいまいに言うけれど、心の中では絶対に行ってやろうと決めて。
「…いっぱい、おはなし、しよーね」
「……あぁ」
ふわりと笑ったクリスティアに頷き。
「おやすみ」
「みー…」
ゆっくりと夢へと落ちていくクリスティアを見送ってから。
「……さて俺はまず寝れるか」
いつからか、夢を見ることや眠ることが嫌になって浅くし、今では眠らなくなってしまった自分。けれど今日だけは。
「……頑張ってみるか」
愛しい恋人のために。
そう、心に決めて。
一足先に夢へ行っているであろう恋人に逢いに行くため、目を閉じた。
『目を開ければ、あの日のように笑う君がいた』/リアス




