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権利やコンプライアンスを言うが、倫理や道徳を言わない現代日本の価値観の弱さ

作者: 大村進次郎

 さて、昨今の風潮を考えると、欧米流の権利やコンプライアンスは言いますが、倫理や道徳は言わないような気がします。

 倫理は西洋に由来がありますが、道徳は儒教などかも知れません。

 やや、古い封建的なものだというイメージがあるのでしょうか。


 この風潮の欠点は、主張する人ばかりが多くて、譲る人がいなくなるということです。

 その結果は、人々が生きづらくなり、油断のできない世の中になるでしょう。


 外国の事情は良く分からないのですが、他民族とのつながりが薄く、権利を主張することの多かった欧米流なのでしょうか。

 それは宗教によって補われていたのでしょう。


 それとも、欧米流というよりは米国流なのかも知れませんね。

 こちらは、移民が集まってできた国なので、事情はさらに複雑です。

 その上、ビジネス優先だと、それこそ油断する訳にはいきません。


 一方、道徳の基本は、他人への思いやりとか相手の気持ちを考えることですが、これは言うほど簡単ではありません。

 実際、他人の内心というのは良く分からないものです。


 たとえば、~の気持ちを考えろとか、~の立場になってみろとかいった主張を、当事者でもない人たちが、上から目線で主張しているのは違うような気がします。

 これは弱者の味方を装った強制でしょう。


 しかしながら、道徳を軽視して良い訳ではありません。

 他人に譲ることも、感謝することも無い、ぎすぎすした社会になりますから。


 日本人であれば、何となく他者への配慮を持っていると思いますが、ある程度は言われないと分からないものです。

 強制すると反発されるという、難しいものでもあるのですが。


 法律というのは、対立した問題を解決するための手段であり、万能という訳ではありません。

 ただし、実際の裁判では、まず最初に和解が勧められるようです。

 長々と争っていても、時間とお金が掛かるだけで意味が無いことが分かっているのでしょう。


 他には、お互い様の概念が無ければ、自分は譲ったのに相手は譲らないという不公平感を持つことになります。

 不公平感が蔓延していては、他人に気を遣う気にはならないですね。


 以上のように考えれば、道徳というものはある程度集団としての仲間意識が育っているときに、必要なものだということになります。

 逆に言えば、余りにも道徳を軽視すれば、集団としての仲間意識が低下することになります。


 スポーツの世界では、「プロは勝って和し、アマチュアは和して勝つ」という言葉があるそうです。

 仕事ならば、まずは目的意識が大切でそれを担う人材を集める必要があるのでしょう。


 ただし、単なる生産性の向上などだけを言って、市場を拡大するとかシェアを奪取するとかの具体的な目標がなければ、何に勝って良いのか分かりませんね。

 これも今の風潮のおかしなところだと思います。

 具体的な目標も言わずに、生産性の向上などだけを言うのは、単なる根性論ではないでしょうか。


 アマチュアというのをプライベートや家庭だと考えれば、身近な範囲で権利ばかりを主張していれば気が休まらないでしょう。

 こちらはまずはお互いへの気遣いと感謝が必要だと思います。


 さて、つらつらと考えてきましたが、人の事情はそれぞれです。

 自分の身近な仕事や家庭は違うという人もいるかも知れませんね。


 筆者の書いたのは、マスコミ報道などから感じている現代日本の風潮についてです。

 どうも欧米流の、それも表面的な価値観に流されているような気がするので、今一度考え直してみてはいかがでしょうか。

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