雨
イタリアと言うと、陽光なイメージがあるが実は秋から冬にかけては、雨季なのである。また、冬は温度が低く、南端のシチリア半島では雪が降る事もある。この雨がイタリアに上陸した第100歩兵大隊に襲いかかった。雨と雪がイタリア戦線~フランス戦線に至るまで終始二世部隊を濡らし困らせたのである。
歩兵部隊中心の編成である米国陸軍にとって、この雨は想像以上に厄介であった。弾薬が濡れれば、湿気て使えなくなる上に、衣服が濡れれば、体調を崩す原因にもなる。それだけではなく、濡れた衣服は重くなりその分、体力を消耗する。ぬかるんだ足元は、歩兵の足を絡めとり只でさえ固い守備のドイツ軍を崩す事を、容易ならざるものにしている。
だが、天候の回復を待っていては、折角押し込められて来たこの流れを止めてしまう上に、戦闘の長期化は避けられない。米国としては、対日戦線でやや優勢を保っていたとは言え、欧州での戦争を終息させない事には、この大戦での決定的な勝利を得るのは難しい。
誰もが戦争の長期化は避けたいし、望んでおらず多少の雨や雪は降っても、強硬するしかなかった。米軍がイタリアに上陸した時には既にイタリアは降伏しており、当面の敵はナチスドイツと言う事になる。
ヨシナガ・ハルヒコ・ジョニーの様な下っ端であったとしても、ドイツ軍が精強な部隊の集まりである事は、直ぐに分かった。マイン・カンプに洗脳されたヒトラー馬鹿でない事も直ぐに理解した。とにかくこのドイツ軍を何とかしなければ、欧州の平和は訪れなかった。




