日系二世兵が果たした役割②
結果的に二世兵の活躍が、日系米国人と言う人種の格上げに成功したのは、確かであろう。それまでの冷遇を考えれば、第二次世界大戦戦後は、驚くほど日系米国人の地位は向上した。
勿論、戦地で散って行った二世兵の多くも、心から日系米国人の地位向上の為に戦っていた事は事実であるし、それが彼等のモチベーションになっていたのも事実だ。だが、それ以上に二世兵の果たした役割と言うものは、米国社会において多大なる影響力を持っていた事も確かである。
米国と言う国家は誕生してわずか200年で世界の一等国になった歴史的には比較的若い国家であった。それ故にヘイトクライムや迫害と言う負の遺産をまだ消化しきれていなかった。無論、歴史の時計が進んで行くと、黒人や亜細亜人も白人や欧州人と大差ない待遇にはなって行く。だが、それは全て第二次世界大戦後の事である。
つまり、ヘイトクライムに打ち勝つきっかけを作ったのは、マーティン・ルーサー・キング牧師ではなく、多くの日系兵達であったと言う事である。人種の垣根を越えて、それを誰よりも先に米国社会に認めさせたのは、命を懸けて結果を出した日系二世達であったのである。二世兵一人一人の活躍が無ければ、米国社会において日系人はおろか外国系米国人の地位は向上しなかった。
勿論、黒人に対するヘイトクライムが緩んだ事と二世兵の活躍は直接的な因果関係はない。しかし、日系二世兵の活躍が無ければ、今に至るまで、米国社会のヘイトクライムは激しいものであったと、推測出来る。
米国と言う国家の成り立ちを考えると、移民国家であるが故に、ヘイトクライムは抱えてしまった独特の問題とも言える。しかし、日系二世兵はその負の遺産に真っ向勝負して、GO for Brokeの気持ちで、その壁を打ち破ったのである。その成果なしに外国系米国人の地位は向上しなかっただろう。頑張った者は報われる社会の基盤を作ったとも言える。




