太平洋戦争でもあり大西洋戦争でもある
太平洋戦争は、真珠湾攻撃で始まったが、1939年9月にドイツ軍がポーランドを侵攻して以来欧州では、英国率いる連合軍と、ドイツ・イタリア等の枢軸国との間で戦争が続いていた。
開戦当初は圧倒的な優勢を保っていたドイツ軍であったが、当時の英国首相チャーチルは米国に再三大西洋戦争参戦を呼びかけるも、米国世論は反戦を支持していた為、大西洋戦争参戦は見送られていた。
しかし、真珠湾攻撃は米国の背中を押すかの様に、1941年12月9日、米国議会は"日本"の参戦宣戦決議案を可決する。この議決はあくまでも日本に対するものであったが、米国は日本とドイツの交信を傍受し、「日米が開戦すればドイツが笑う」事を承知していた。
米国の予想通り3日後、ドイツとイタリアが米国に宣戦を布告。こうして米国の欧州戦線が幕を開けた。日本人にとって第二次世界大戦と言えば、アジア・太平洋地域での戦争と思うが、米国にとっては、大西洋戦争でもあった。それを示す一つのデータがある。
太平洋戦争での米国兵の死者は9万2500人に対して、欧州を含めた第二次世界大戦における米国兵の死者は29万4597人である。つまり、大西洋戦争での死者の方が、約20万人以上多いのである。米国軍にしてみれば、対日戦争以上に大西洋戦争では苦しんだとも言える。何せ米国は欧州での戦争の経験が少なかった。欧州戦線においては、現地で得られる情報だけが頼りだ。
そうして米国は大きな犠牲を払い、その犠牲と引き換えに手に入れた勝利とも言えるだろう。米国人にとって、第二次世界大戦と言えば、太平洋戦争であり大西洋戦争でもあった。




