日系二世兵が果たした役割
第二次世界大戦で、日系二世兵が果たした役割は大きく分けて3つある。
一つ目が、「go for broke」をモットーに欧州戦線で戦った第100歩兵大隊を含む第442連隊戦闘部隊の軍功。
二つ目は、太平洋諸島やアジアで、日本語能力を発揮した情報語学兵の活躍で、彼等の任務は日本兵を投稿させて、捕虜から情報を得る事。
三つ目は、戦後GHQ(連合国最高司令官総司令部)のメンバーとして、日本の復興に貢献した事である。
これ等三つの日系二世の役割は後の物語で随時登場する事になる。
多くの日系二世兵が米国軍にに入隊したが、日米戦が開戦した当時に滞日していた日系二世が約2万人もいた。その内日本軍に入隊した日系二世兵が3000~5000人。日米両国併せて兵士になったのが、約3万6000人余り。人により差こそあれ、彼等の誰もが日米二つの国の間で苦悩した。
それでも、日系二世の多くが戦争で、手柄を立てる事で日系人の米国での待遇が向上すると考えた。それこそが日系二世の躍進の原動力となるものであり、命をかけても為し遂げたい悲願であった。
と言うのも、この時代の米国において、排日であり日系人もそのヘイトクライムの対象になっていたからである。どんなに高学歴でも、就職口は限られていた上に、ブルーカラーの仕事にしか就けなかった。そんな中で、運命の悪戯とも言える日米戦が始まってしまうのてある。
多くの日系二世兵は米国兵として、日本と戦う事を決意する。米国こそ我が母国であり、日本は父母の母国であるが、日本は敵性国家となった。日本人と、戦う事は本意ではなかったが、このまま黙ってやられっぱなし、と言う訳には行かなかった。その時日系二世兵の人知れぬ戦いが、始まっていたのである。