GIビル
「GIビル」と言うものをご存知だろうか?建物の名前ではない。GIビルとは、国庫から退役軍人に支給される教育助成金の事である。米国はこうして軍人に対する処遇を良好にしていった。
1952年(昭和27年)移民帰化法が改正されて(マッカラン=ウォルター法)、日系一世も市民権を得られる様になった。法改正の背景には欧州戦線で未曾有の殊勲を上げた二世兵への共感があったと見られる。
日系人12万人の収容に繋がった「大統領令9066号」は、1976年(昭和51年)に廃止された。当時のロナルド・レーガン大統領は、元収容者に対して正式に謝罪し、強制収容に対する補償を規定した「市民自由法」に署名。一人あたり2万ドルの補償金の支払いが開始されたのは、ジョージ・ブッシュ政権になってからの事であった。
こうして、二世兵の活躍により、米国社会における日系人の社会的な地位は向上していった。黒人解放運動が盛んになるのは、奇しくも日系人の活躍の後であった。移民国家である米国において日系二世が果たした歴史的意義は決して過小評価されるべきものではない。
戦争により失ったものは多いが、多くの有色人種にとっても希望の光になった事は言うまでもないだろう。戦争を利用したと言う形になったかもしれないが、二世にとっては多くの犠牲と引き換えに得た悲願は大切にされている。無論、二世兵の活躍は歴史の汚点に成るような事は一切していない。




