二世とは?
~データ編~
ウェブスター大事典によれば、二世(nisei)とは米国大陸わけても、米国で日本人移民の子として生まれ教育を受けた者、とある。しかしながら、一般に二世と言えば、日本人が雪崩をうったように、ハワイを含む米国に向かった明治期に移民となった明治生まれ、時には江戸時代末期(幕末)生まれの両親の元に誕生した人々を指す。
人によっては、祖父母が早い時期に移民している為、日系三世のケースもある。そうした人々は世代的に日系二世と呼ばれる。総じて海外移民は、自分達が国を離れた時点の母国文化をそのまま保ち、また子孫にもその伝統のある日本文化を教育する。
二世の父母である日系一世が、本格的に渡米したのは明治期。その為に時代が変わっても、二世の胸の内には、明治時代の基を築いた武士の時代の心が、脈々と宿っている。
我慢、忍耐、勤勉、正直、謙虚、側隠、等の言葉に代表される清廉で黙々と生きる、日本人独特の情念や情感を持つ。日本人美風の冷凍保存版、それが二世であり日系米国人なのである。
二世の人口は、1910年代(明治43年)~次第に増加して、出生のピークは1920(大正9年)~1925年(大正14年)である。1940年(昭和15年)には、約18万人となり、日系一世の人口を越えた。日系二世は、この時期の日系人全体の約6割を占める様になった。
日系二世の多くが太平洋て戦争開戦時"最も現場に近い"年齢に達していて、1942年(昭和17年)9月頃の米国陸軍省の調査によると、徴兵可能な日系人は、約3万6000人と推算していて、実際に入隊した日系二世は、約3万3000人に及んだ。この日系二世兵士が戦場で、多大なる活躍を見せて日系人の地位向上に大きく貢献するなどと言う事は、当時の米国人の誰もが思ってもみない事である事は言うまでもない事であった。