音頭のとっておき
「音兄ちゃん」
「音頭」
立花と屋台で音頭を氷菓から引き剥がす、
「すいません、氷菓先生、音頭は常にこんな感じで」
すかさずフォローにはいる屋台、
「フフゥ、例え相手が大統領だろうと僕はやるよ」
物凄いドヤ顔の音頭である、しかし氷菓は、
「ええ、ええ分かってますよ、そういう風でなければあの子を説得なんて出来なかったでしょうから」
とくに怒るわけでもなく、穏やかに返す、
「話を戻しますが私に顧問を頼みに来たのですね?」
「ソウデース、ヒョウカティーチャーゼヒヤッテクダサーイ」
「私は幼等部の学年主任ですよ、高等部の事柄に関わるのは」
「いいえ氷菓先生」
氷菓の言葉を音頭は途中で遮る、
「幼等部とか学園長だとかじゃなく僕は氷菓先生にやって欲しいんです」
「それは何故ですか?、祭君?」
「氷菓先生は葵会長と話したいと思います、そして葵会長も氷菓先生と話したい、部員と顧問なら話す機会も増えてどっちもウィンウィンじゃないですか」
「確かに私が葵と話したいと言うのは否定しません、しかしですね」
「分かりました氷菓先生、それならとっておきの物をあげましょう」
「祭君は私が物で釣られるとでも」
「ふ、ふ、ふ、親ならば誰でも欲しがるものです」