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5)義兄達の尊厳

 妹と兄達との久しぶりの会話としては、やや長い滞在の後、ウィリアムとウィルヘルムは帰っていった。


 茶も菓子もない歓待する雰囲気の一切ない場で、妻グレースと二人の義兄達がどのような会話をしたのか、アレキサンダーは気になった。


「話はできたのか」

アレキサンダーの問いかけに、グレースは微笑んだ。

「えぇ。とても有意義なお話し合いが出来ましたわ」

グレースは笑顔だが、それ以上は、答えなさそうな雰囲気に、アレキサンダーは質問を諦めた。

「それはようございました」

ロバートは、アレキサンダーのもの言いたげな視線を無視した。


 アレキサンダーが質問しづらいのだ。ロバートも、わざわざ尋ねてグレースの不興を買うような真似をしたくはない。


 グレースも、その場にいたサラも、グレースと二人の兄との会話の内容を、一切口にしなかった。


 ロバートは、配下の耳がよい者達から報告を受けたので知っている。盲目の彼らは、優れた聴力を活かし、普段は夜目がきく者と二人一組で夜警を務めている。昼間の思いがけない仕事を、笑って引き受けてくれた。報告の内容は笑えたものではなかった。


 ウィリアムとウィルヘルムも、末の妹から、人としての、貴族としての心得を説教されたなどということを、義理の弟に知られたくはないだろう。ロバートは、ウィリアムとウィルヘルムの体面など、地に落ちればいいと、心底思っている。だが、一応はアレキサンダーには知らせていない。

 

 ロバートは、アレキサンダーに言おうとしないグレースの意向を尊重し、知らぬふりを貫いた。


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