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 ……。

 ………。

 ……………。


 俺の母親方の実家はとある県の山奥にあった。子供の頃から休みになると泊まりがけで行ったものだ。

 そこでの生活は新鮮だった。

 まず店は一件しかない。何を買うにしてもそこにいくか、もしくは車で隣町まで行く必要がある。

 家の前には川が流れ、裏はちょっとした山だ。夏なら川で泳いだり、冬なら裏山に登って運動したりしていた。

 春は山菜などを採ったし、秋は周り中が紅葉していて綺麗だった。

 だが実際そこで生活するとなると大変だろう。小、中学校はまだ近くにあったが、高校になると一番近いところですら、自転車で片道一時間近くかかったらしい。山道だから漕ぐのが辛いようだ。

 バス? そんなの通らない。

 電車? 駅まで自転車で三十分以上かかるし、そもそもその高校と家の最寄り駅は同じなのだ。意味が無い。

 と、母親の田舎へ行くたびに同じ事をくどくどと言われた。

 そしてそれからどれくらい経っただろう、自分は今……あの時と同じくらいの子供の姿で、異世界で暮らしている。


 ……しかも二回目だ。


 最初の異世界転生、これは失敗だった。

 まず魔法があった。それは良いが、魔法を使えるほどの魔力を持っている人は殆どいなかった。

 そして俺にはその才能があったのだ。

 当然喜んだし、必死に俺TUEEEしてやろうと頑張った。

 その甲斐あって十才くらいには、重力魔法と空間魔法を使いこなせるようになった。それに見合った魔力量があったのだ。


 だが俺はごく普通の平民だった。


 これがいけなかった。魔法を使う平民など貴族たちに使い潰されるのだ。

 俺も最初は貴族の、伯爵家の侍従となり喜んだ。そりゃ単なる平民が貴族に仕えられるのは余程の事だったからだ。両親も手放しで喜んでくれた。

 だがそこからは悲惨だった。

 平民の魔法使いなど貴族からすれば使い捨ての駒だ。

 貴族同士の争いで汚い裏仕事をやらせられ、一年経たずして感情が殆どなくなった。

 その伯爵家は俺という駒を手に入れ政敵を暗殺しまくり、侯爵まで陞爵したものの最終的にそれがバレて取り潰しとなった。

 もちろん俺も同じく処刑された、二十一才の時だった。まぁ女子供関係無く命令一つで殺してたからな、当然だろう。

 処刑される寸前、やっと終わったか、と思ってたのに、何故か再び転生したのだ。

 しかもまた魔法の才能を持って。しかも悪い事に前と殆ど魔力量も変わらない。


 次は絶対露見しないようこっそり、自分の為だけに使おうと思った。

 今俺は七才、帝国第三の大都市カルファのとある孤児院にいた。


 ……平民より立場悪いやんけ。

 

♪ ♪ ♪


 帝国第三の都市カルファ。

 名前は忘れたけど帝国の一番外れにあり、すぐ側には大森林が広がっている。

 たぶん外れだし、辺境伯領だと思う。他国と接しているのかは分からないけど、とにかく都市を出れば子供の足でも一時間歩けば森があるのは確かだ。

 そして今日も俺は一人、この森に来ている。


「…………」


 木の上に登り下を見下ろし、息を潜める。周囲と同化するように、無駄な思考はせず、意識を薄めていく。

 自分は木の一部だ、下を見るときも視点を合わせるのでは無く、俯瞰するように全体を見る。

 そうしてどれくらい時間が経っただろうか、一匹の野ウサギが跳ねるように通過していく。

 あれは小さい、もう少し大きくないと。

 そして再び待つ。

 暫くして、がさっ、と木陰の揺れる音が耳に入る。

 今度は大きい。

 茂みから大きな角が見えた。あれはバウンディアーだ。

 ヘラジカのような体躯を持ち、気性の荒い動物。冒険者でもない一般人が一人で出会えば即効逃げるレベルだ。

 ちなみに俺がいる場所は森へ入って十分しないくらいの浅い場所だ。こんなところにバウンディアーは滅多にいなく、本来ならもっと深い場所にいる。

 よく見るとところどころ怪我を負っていた。たぶん縄張り争いに負けて逃げてきたのではないかと思う。


 だがチャンスだ。


 木と同化していたかのような意識が急激に覚醒する。と、同時に魔法を展開した。

 俺の魔力を感じたか、もしくは気配を読み取ったのかは分からないが、バウンディアーが周囲を警戒するようにキョロキョロと首を動かす。

 そして危険な場所だと悟ったのか、慌てて走り始めた。

 残念、遅い。


≪絡み捕り重くなれ≫


 バウンディアーの足下に魔法陣が生まれ、まるで網にかかったかのように動けなくなった。俺の放った重力魔法だ。

 更には地べたへ寝そべるように全身をべったりと地面についた。

 その上で手に持った武器、ソードブレイカーを両手でしっかり握りしめ、木の上から飛び降りた。

 人間相手なら子供の力でも皮膚を破れるが、バウンディアーだとそうはいかない。体重を乗せないと急所に刺さらないのだ。

 狙い通りバウンディアーの首元、動脈部分にソードブレイカーが刺さる。

 噴水のように湧き出る血を避けながら、再び重力魔法を周囲に向けて放った。


≪輪になって重くなれ≫


 半径二十メートルくらいのドーナツ型結界。メキメキ、と結界の輪に入った木が軋めく。

 これで血の臭いを嗅ぎつけた他の動物に邪魔されず、後始末ができる。

 最も、このまま暫くまっていればそのうちバウンディアーは死ぬだろう。


 そして改めて獲物を見る。

 結構でかい。これなら暫く肉には困らない。

 ただ少々、いやかなり重そうだ。たぶんトン単位の重さはあるだろう。俺一人では持って帰ることはまずできない。

 でも俺は重力魔法が使えるのだ。

 完全に死んだバウンディアーに、≪軽くなれ≫と魔法をかけたのち、手で引きずって森を出た。


♪ ♪ ♪


 カルファは重厚な壁に覆われた都市であり、門が存在する。

 だがそこは普段オープンになっていて誰でも自由に都市へ出入りができる。

 これは対魔物を想定した壁であり、いざとなれば門を固く閉じて敵の侵入を防ぐのだ。


 そんな門を子供の俺がずるずると巨大なバウンディアーを引きずっていくのは非常に目立つ。

 しかも片手で、だ。

 でも実際これ、今は十キロもない重さなんだよな。子供の俺でも十分に引きずっていける。


 だが周囲はそうは思わない。


「なんだあのガキ」

「身体強化か?」

「そらそーだろ。あれだけでかいの引きずっているんだからな」

「あの年でか、そらすげーな」


 身体強化。

 俺の前世では魔法使いは稀少だった。だが今世はそこまでではない。

 量はともかく人間誰でも魔力は持っている。魔法を使えるだけの量があるかないか、に過ぎない。

 だが魔法の技術は格段にあがったのだ。少量の魔力でもごく一部の魔法が使えるように。

 その中の一つが身体強化。読んでそのままの意味、身体を強化する魔法だ。

 これがないと大森林の動物や魔物になどまず勝てない。このため、この都市にいるものは誰しも身体強化を使えるようにしている。

 さすが最前線の町だね。

 逆に言えば身体強化と思わせておけば、そこまで目立ちはしないのだ。

 ……目立ちはしないのだ。

 仕方無いだろう? 人間食わなきゃ生きていけないし、孤児に食い物買う金なんてあるはずもなく、自分で獲物を狩らなきゃいけないのだ。


 都市の入り口からずるずるとバウンディアーを引きずって、やっと家、正確には孤児院に着いた。

 庭先にいた子供たち(俺も子供だが)が、バウンディアーを見て一斉に駆け寄ってくる。


「おかえりー!」「うっわでけー」「なにこれなにこれ!」


 この孤児院には俺含め十七人の子供と、子供たちの面倒を見てくれている院長がいる。

 カルファは最前線にあり大森林に巣くう魔物や動物によって、よく人が死ぬ。その分孤児も増えるのだ。

 大半は領主である貴族が運営する管理局へ入れられるが、当然そっちも限界がある。

 このため都市内部では個人でやっている孤児院が複数箇所存在するのだ。

 ちなみに領主が孤児を引き取る理由は慈悲ではない。単に領主を親愛する戦士に仕立て上げるためだ。

 身体強化のおかげで十才を超える頃には、そこそこ戦えるようになる。あとは領主の持つ兵士に組み込むだけだ。

 嫌になっちゃうよな。

 個人の孤児院も大体似たようなものだ。大商会やら領主配下の貴族などが自分の駒を増やすために運営しているだけだ。

 それでも孤児を見捨てるのではなく、道を用意するだけでもこの世界では珍しい。子供とはいえ人を一人養うには大金が必要なのだから。


「お帰りなさい」

「……ただいま」


 院長が外の騒ぎを聞きつけたのか、孤児院から現れた。

 三十代後半で、なんとかいう貴族の元侍女だったらしい。

 乳母もしたことがあるらしく、それなら子供の面倒を見るのも慣れているだろう、ということで院長になったようだ。

 一応ここは領主ではないが、貴族の運営する孤児院である。

 ただその貴族は金がないらしく、孤児院に回される金額もかなり少ない。金がないならこんな事すんなよ、と思う。

 だからこそ、こうして食糧確保のためにわざわざ森林まで行っているのだ。こうしなきゃ、飯すらろくに食えなくなるからな。


 金のあるところなら、大人しく従って十才を超えれば逃げるだけで済んだのにな。

 一応この世界、十才を超えれば半人前として扱われる。仕事を始めるのもそれくらいの年齢からだ。そして十五才で成人となる。

 人間一人では生きていけない。

 どこかの山奥でひっそり暮らすにも、家ならまだ時間をかけて木を切って建てればいいし、食糧だってバランスを考えなければ何とかなる。

 十年貴族お抱えの暗殺者として活動してきた内容には、当然他の町へいったり山の中で襲撃を行ったりと色々あった。その中で多少は食べられるものの知識を得ている。

 だが衣類や調理器具などはそうそう簡単に作れないし、獲物を狩る武器だって摩耗するのだ。

 これらは人里で手に入れたほうが遙かに簡単で良い。

 でも十才未満の子供が一人でいると必ず怪しまれる。だからこそ最低限怪しまれない年齢までは、待つべきなのだ。


「レーヴィ、あなたまた一人で……」


 俺の狩ってきた獲物を見て大きくため息をつく院長。

 だって狩ってこないと肉なんて食えないからな。成長期に肉がないなんて悲惨だよ。


「でもそれだけ身体強化に長けているなら、もう……」

「みなが大変」


 前世で殆ど感情らしいものを失ったせいか、今世でも口調は淡々と話すようになった。

 転生したからか心の中はそうでもないけど、どうしても人と接するには面倒くさい、と思って淡々となってしまう。

 さて、院長はバウンディアーを一人で狩れるほどなら、十分孤児院を運営している貴族の元で駒となれる、と言いたかったのだろう。

 でも俺が抜けると、ここに残る孤児の大半が飢えて死ぬ。もしくは飢え死にしなくとも、まず貴族の望む戦士になれるだけの肉体など維持できない。

 俺がいるからこそ、何とかやっていけているのだ。

 バウンディアーの肉は孤児院で食うとして、その骨や角は素材になるので売る事ができる。

 肉の量だけならバウンディアー一匹分あれば当分持つが、金はそうはいかない。

 最近貴族からの入金も少ないようだからな。


 夜中、院長室で大きなため息を何度も付いているのを俺は知っている。


 この院長は中間管理職だ。所詮は貴族に仕えていた元侍女にすぎない。

 金は出さないが口は出す上からの指示には逆らえず、かといって先立つものが無ければ訓練もままならない。

 身体強化を教えるのは出来るけど、基礎体力がなければゼロをいくら強化してもゼロのままなのだ。

 だからこそソロで獲物を狩り、金を稼げる俺の存在は必要だ。


 問題は……。


「今日もレーにーちゃんのおかげでご飯食べられるー」

「ありがとー」

「レーヴィ、ありがとな」


 孤児の子供たちが貴族ではなく、俺を慕っているという事だけだろう。


♪ ♪ ♪


 ん? 何か騒がしいな。


 バウンディアーを狩って肉は当分持つようになったが、肝心の金はそこまで高くは売れなかった。

 所詮は下級上位クラスなのだ、下級冒険者が数人居れば勝てる相手だ。

 ということで、今日は金を稼ぎに森林へとやってきたのだが、やけに動物が騒いでいた。

 何か起こったのかな。

 念のため空間の中へ入り、ちょっとだけ覗き穴を空けておく。


 俺が使う魔法は二つ、重力魔法と空間魔法だ。

 空間魔法のほうは、ま、あれだ、やはり異世界ならインベントリは必須だろ、と思って取得したんだよ。

 ところがこれが暗殺向きでな、空間の中に入って隠れたり、敵の後ろと俺の前の一部の空間を繋げて攻撃したり、あげく空間転移で襲いかかったりと、すっげー便利だったんだよな。

 そして空間の中に隠れてふよふよ飛ぶ事三十分、なんか強そうな魔物を見つけてしまった。

 見た目オークっぽいけど、ちょっと赤みがかって変な湯気っぽいのが出ている。

 体温が高いのか、それとも強者感を出すためのオーラなのか、もしくは別の要因なのかは判断が付かないな。

 だが見る限りやばそうな相手なのは分かる。


 放置するか否か。


 昔の俺だったら放置一択だ。強敵と戦いたい、なんていう戦闘狂でもないし、今のところ見つかった雰囲気でもないので、逃げるのが一番である。

 だが……。


 孤児院の子供たちの顔が思い浮かぶ。


 たぶんこのまま放置していれば、こいつはこの辺一帯のボスになるだろう。

 大森林にはいくつかのボスグループが存在しており、そこに波紋を投げる事になる。

 被害が森林の中だけに留まるのならこのまま放置で構わないが、縄張り争いに負けたボス、もしくはこいつが負けて都市へ来た場合が問題だ。

 負け具合にもよるけど、下手すりゃ都市の一部が陥落する可能性もある。弱ってもボスクラスはそれほど強い。

 当然都市の守備隊も出動するし、冒険者だって全員参加になる。兵が足りなきゃ最悪孤児院からも引っ張り出されるだろう。

 というかボスクラスなら、本気の総動員になる。

 俺が記憶している限り過去一度だけ起こったけど、その時も総動員だった。ま、俺はその時三才くらいだったし、他の子供も年長がいなかったので誰も参加することはなかった。

 だが今回は俺も対象となるだろうし、十才前後の子供もそうなる。


 ……子供が犠牲になるのはな。


 前の時は貴族の子供を何十人……いや三桁くらいは手がけた。暗殺対象の貴族の血を引くものを一掃せよ、なんて命令しょっちゅうあったからだ。

 甚振るつもりもないし、嗜虐的な趣味もないので、見つけ次第即殺した。可能な限り恐怖を感じる前に、知らないうちに殺すようにした。

 それでも俺が手がけたことにはかわりない。

 今世で子供を助けても、罪滅ぼしになるわけがない。単なる自己満足だ。


「しゃーない、やるか」


 一旦空間に空いていた覗き穴を閉じる。

 これで同じ空間魔法の使い手でも無い限り、まず俺は見つからない。

 相手はボスだ。成長しきっていない子供の体格じゃ、正面からぶつかればまず負ける。プランを考えろ。

 勝ち目は最初の奇襲だ。敵の意識を他にずらし一気に急所を刺す。いつも通りだ。

 問題はどこが急所なのか分からないって事だ。

 首? 心臓? それとも頭?

 動物と違い魔物は生命力が非常に高く、肉体も人間とは比べものにならないほど頑丈だ。

 頭は頭蓋骨で覆われているだろうし、俺の力じゃそれを打ち抜けない。

 胸は筋肉で覆われているので、心臓を狙うのも難しい。

 ならば比較的柔らかい首か。

 いや……目だな。

 少なくとも片目、可能なら両目を奪い、視界を閉ざせばかなり楽になる。

 よし、やるぞ。

 武器はある、前の時に使っていたソードブレイカーが二本だ。こいつは俺を雇っていた貴族が用意したもので、かなりの業物だ。

 前の時なのになぜか異空間に残ってたんだよな。

 ふぅ、と大きく深呼吸し意識を集中させる。

 前を思い出せ、対象は一人、まず視界を奪った後、首を狙って出血を狙う。

 大丈夫だ、いつも通りやればいい。

 すっと思考がクリアになる。


 さあ殺るか。


 そっと覗き穴を空け敵を確認する。

 この森林を我が物顔で歩いていた。こいつの気配を感じ取ったのか、見える範囲内に他の生物はいない。

 そっと空間を敵の顔の真横へと繋げる。更に敵の足下にも繋げた。

 そして足下に繋がった空間へそっと石を放り込んだ。

 石の落ちる音に反応した敵は一瞬足下を見る。それと同時に顔の横に繋げた空間からソードブレイカーを突き刺した。


「ぐるあああああああ!!」


 ちっ、浅い。

 こいつ横からの攻撃に反応して、顔を背けやがった。

 直線コースなら両目とも奪えたのに、片目しか奪えなかった。 

 すかさず敵の背後数メートル先へ空間を展開、そこから飛び出した。


≪とびっきり重くなれ≫


 ずん、と音がしてオークが片足をつく。

 嘘だろ、あそこ一帯俺の最大威力で十倍くらいの重力をかけているんだぞ。人間なら一瞬で気絶、下手すりゃ臓物がずれて骨に刺さり最悪死ぬようなレベルだ。

 それを片足ついただけで終わるのか、さすがボスクラスの魔物だな。

 俺の魔力に反応したのか、身体中から軋む音を発しながら無理矢理振り返ってきた。

 そして俺の姿を視認し、憎々しげに唸る。


 だが動く事すらままならない。

 あとはあいつの防御を抜くだけだ。それが一番大変なんだけどさ。

 もっと攻撃力の高い魔法を使えるようにしておくんだった。

 人間を暗殺するだけなら強い攻撃魔法は不要で、ナイフ一本急所に刺せばそれで終わりだったからな。あとは奇襲用や逃走用の空間魔法と、万が一の足止めに重力魔法が使えればそれで問題なかった。

 だが強い魔物相手ではこれだと火力不足になるのか。今後の課題としよう。

 さて、どうするべきか。

 下手にあのエリアへ行けば俺も重力に捕らわれて動けなくなる。

 対象だけにかかる重力魔法を使えば良かったんだが、ボスクラスになるとレジストされる事もあるから、確実を狙ったのだ。


 打つ手は……アレしかないか。

 

 ふっと構えを解くとオークが不思議そうな表情をした。

 そのまま手近にあった木に触れる。

 ……木を格納。

 すると一瞬にして大木が消え去った。元々空間魔法はインベントリを創るために覚えたものだ。

 そしてインベントリとは、格納したものを出す事もできる。

 先ほどの大木をオークの頭上へと出した。重力に従い、更に十倍の重さを伴って落ちる。


 がこん、という嫌な音と共にオークの頭へ十倍の重さの大木が落ちた。

 脳しんとうを起こしたのか、片足で踏ん張っていたオークが地面へと倒れ込んだ。


 さーて、次々やるか。


 こうして俺は無事ボスオークを討伐した。

 ぶっちゃけ人間を暗殺するんじゃないんだから、最初からこの手で行けばよかったな。

 そして誰にも報告することなく、都市の脅威は去った。


他の小説の息抜きとして投稿しました

連載になっていますが、続きはどうなるか・・・。短編感覚でお暇があればどうぞ。



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