発想その2 稿は投げられた(1)
間が空いてしまいましたが、前回の実験結果を簡単に。
13日に完結後、いくらかポイントが増え、少ししてブクマは減少しています。
このまま順調に行けば100ポイントくらいまで行けるのではなどと偉そうにのたまっていましたが、届きませんでした。
結局、序盤は大胆に改稿・削減したものの、中盤以降はほぼそのまま再投稿したにすぎず、エピローグを少し削ったくらいで、トータルでは三千字ほど減っただけで終わっています。
単純に作品としての限界がその辺りだったということでしょう。
とはいえ、内容はほとんど変わらず最初の数話をすっきりさせただけで、5ブクマ10ポイントから19ブクマ6評価で84ポイントになっていますから、仮説はそれなりに説得力があると思います。
そこそこ書けているのにポイントが20~30で伸び悩んでしまう方は、とにかく最初を見返してみてはいかがでしょうか。
また、一件ですが、評価だけでなく、感想も頂けました。
いうほどクラフトもサバイバルもしてないんじゃないか、後半の設定はよく分からないというコメントでした。
つまり、この作品の振り返りとしては、「裏のSFチックな設定は余分」「単純にゲームっぽいサバイバルで良かったんじゃないか?」「マインクラフト知らない人間にとっては場面を想像するのが困難」と言ったところでしょうか。
まあね、分かってましたけどね。
独自性を追求するのと奇を衒うのは、似ているようで違うっていうね。
完成された料理のレシピに対して、安易に足し算したからって、何が生みだせるかって。
定番や陳腐は洗練された力なんだ、と。
さて、前回のおさらいはこのくらいにして。
次のお題は、「投稿」という行為そのものについてです。
私がオンライン小説を書き始めたきっかけは息子にあって、今のところ子どもにはあんまり読まれてないんですけど、なんだかんだ何作か書き続けています。
これ書いてる最中に数えてみたら、大体の計算ですけど、いろいろ合わせて、初投稿から400日で400回以上投稿してました。
一日一回以上ですよ。
一投稿あたりの文字数が割と少なめってのもあるんですけど、途中から書くのが楽しくなってしまって。
ただ、今回の実験のさ中に、ふと気づいたんですね。
最初は違ったかもしれませんけど、改めて、何のために書いてるか? って考えたら、途中からは「投稿するために書いて」たんですよ。
いや、自虐とか自己卑下ってわけではなく。
割と冷静に、そうだなーと思うんですよ。
投稿すると、何らかの数字が動いたり、リアクションがあったり、そのことが楽しい。
リアクションの予想したり、数字の動きについて仮説立てたり、確かめたり。
だから投稿したい。
投稿するためには、何かを書かなきゃならない。
だから書いてるっていう。
逆に、大した反応も無くても書き続けられるものは何かって言ったら。
好きなもの、自分の中から湧いてくるもの、自分で楽しめるものってことになりますけど、こういうのは、どうしても、自分中心の作品になりますね。
一方で、何かの数字やリアクションが欲しいから、何を投稿するか一生懸命考える。
どうやって投稿しようか考える。
自分の趣味と近しい「書ける」作品と、読者に届く「読まれる」投稿の両立。
誰もが悩む要素ですが、この辺から、手段と目的がだいぶ混ざってきちゃってます。
こうなってくると、もう「小説家になろう」という「連載小説執筆ゲーム」をやっているのに近い感覚ですね。
登場人物の行動を文字で入力するスマホアプリやってる状態です。
上手に色んなキャラがいい感じで動けたり、主人公が気持ちよく一気に進んで行ったり、敵は敵でいやらしい動きさせてみたり。上手に組み合わせができてうまくはまると、点数が稼げる。
これがほんとのテキストアドベンチャーって、ちゃうちゃう、みたいな。
逆に、本当に「小説を書くこと」、つまり作品を完成させることにモチベーションがある方ならば、行き当たりばったりの見切り発車などせず、なんだったら作品を書き上げてから投稿を始めることでしょう。
ある程度文字にしてみないと、文体やキャラや人間関係も固まりませんし、プロットやメモでは違和感を感じなかった要素でも、文章にしてみたらバランスが悪かったりキャラの動機づけとしては弱く思えてきたり、といったことが出てきます。
しかし、いったん投稿を開始してしまうと、特に「なろう」ではそのシステム上、後から大幅な改稿を行うのはなかなか大変です。
特に、数話分を投稿してから「やべぇ、これ違ったわ」みたいな事態になると、単純な削除がしにくい分、修正は著しく困難になります。
つじつま合わせでさらに物語を進めていくと、数話後にはもう修正は諦めた方がよい、という状況に陥るでしょう。
あ、「お前、そんなレベルで書き始めてるのか!?」という突っ込みは無しでお願いします。
元々小説を書いていて、たまたま「なろう」でも投稿してみたという方と、「なろう」を見ていて「これなら俺でも(以下略)」という人間とでは、出発の姿勢が違いますので……
とにかく、見切り発車しがちな素人作家としては、ついつい「投稿(と評価の獲得)」が作品の完成そのものよりも楽しみとして大きくなってしまうことが往々にしてあります。
それをアンダーマイニングのような「ダメなこと」「作家としてあるまじきこと」に整理してしまっても良いのですが、もう少し広い意味で「より長く投稿を楽しむ」ために、多面的に考えてみたいと思います。
異動先でスポンジのように新たな知識を吸収しつつあるこの頃です。
脳みそをちょっと絞ったらダバダバと何かの汁が流れ出て、後にはスカスカのスポンジのようなものが残りそうです。