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Star Days  作者: Riboru
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第2話 最新装備

総司令官室からの帰りに俺の班は、装備研究所に寄っていくことにした。

と言ってもそこに正式な名前はない。みんな適当に呼んでいる。


「マジで寄るの?俺もう帰って寝たいんだけどー」


こいつは班のメンバー、名前は双海ふたみ 悠也ゆうやと言う。極度の面倒くさがりや。

身長193cm、この班の中で一番デカい。顔もそこそこいい。

訓練成績4位、この班のアタッカーだ。



班の中でもそれぞれ役割がある。

班全員を指揮するリーダー、目標ターゲットに攻撃を仕掛けるアタッカー、アタッカーを援護するタクティカル、そして班員が怪我をした場合、応急処置をするメディック。


「まあまあ、そんなこと言わずに。すぐ終わるから・・・多分」


と悠也をなだめるこの人は、厳島いつくしま 瑞稀みずき。この班唯一の女だ。

訓練成績3位、役割はタクティカル。

alphabet部隊の女兵士の中の3本指に入る超美人だ。しかも性格もいい。

髪は長い黒髪をポニーテールにしている。

美人の上に強い。そのせいか、男どころか女からも人気が高い。


「お前は最新のアレを見たくないのか⁉︎」


俺は嬉々として悠也に言う。


「お前のその新しい物好きをなんとかしろよな・・・」


半ば呆れた様子でそう言ったのは、竹原たけはら りく

訓練成績2位、自分で言うのもなんだが俺に次ぐエリートだ。

この班での役割はアタッカー。班の中にアタッカーが二人いることは基本だ。


ついでに言っておくと、俺は新しい物大好き人間だ。

新しいものが出たら、つい買ってしまうような。


「でもあの博士、めっちゃ話長いじゃん。すぐ終わる気がしないのだが」


と言うこの人は、西條さいじょう 健斗けんと。役割はメディック。訓練成績は5位だ。

この班一のイケメンということになっている。(俺ら四人で勝手に決めた)


博士というのは研究所にいる、とある研究者のことだ。

我々alphabet部隊の装備の研究・開発を行なっているからみんな博士と呼んでいる。

というより自称している。


「ほら着いたぜ。とっとと終わらせて帰ろうや。」

と、研究所の入り口のガラス張りのドアを押し開けながら俺は言う。









研究所三階、「alphabet部隊専用装備研究室」

とぱっと見、呪文のようにも見える表札がある部屋に俺達は入った。


と、いきなり部屋の中にいた人物が俺達を見るなり興奮した声でこう言った。


「いらっしゃい!最新の装備を見に来たんだね!?安心しなさい!

この私が基本的な取り扱いから応用までしっかりばっちり教えt…」


「できるだけ簡潔にお願いします」

と悠也がその人のセリフを遮った。


そう、この人が通称博士、もとい装備開発・研究チーフ、舟木ふなき 舞華まいかさんだ。

歳は28。俺らのいくつか年上だ。


「そんな遮らなくてもいいじゃ無いか…」

と舟木さんは悲しそうに言う。


「そ、そんなに落ち込まないでくださいよ。

ほ、ほら早く見せてください!私楽しみにしてたので!」

と瑞稀が必死になだめる。


すると舟木さんは目を輝かせ、今のことが無かったかのように、


「よしよし、そんなに見たいのなら見せてあげようじゃないか!」

と言って俺達を研究室の中央にある大きな四角い机の前に並ばせた。


机には、布を被せてある何かが置いてある。恐らくこれが、最新の装備とやらだろう。


「では早速お披露目といこうじゃないか!3・2・1、じゃーん!」

と布を勢いよく取った。


俺達は、その机に置いてあった物に愕然とした。




クリーチャーは、個体差にもよるが馬鹿でかい体、恐るべき怪力、そして高い知能を持っている。

さらに奴らには、何故か銃器は通用しない。

そんな化け物に生身の人間が敵うはずがない。


ならばどうやってalphabet部隊はクリーチャーを退けたのか。


答えは簡単だ。人の体をクリーチャーの動きに対応出来るようにしたのだ。

ではどうやってそんなことが出来たのか。


それはalphabet部隊が装着していた装備に答えがある。

alphabet部隊が装備していたのは、「対 Cクリーチャーパワードスーツ」というものだ。


これは、装着した人の関節の動きをアシストし、驚異的なジャンプ力、腕力を与える。


この装置が、人をクリーチャーの動きに対応させたのだ。

もちろん装備している本人の能力も高くなければ、

クリーチャーの攻撃をかわしたりすることは出来ない。


俺達はこの装置を身に付け、クリーチャーに対抗するための訓練をして来た。


この「対Cパワードスーツ」は、全身を覆う鎧のような外見をしている。

その装甲のおかげで多少の攻撃なら、防ぐことが出来る。


だが、今俺達の前にある、最新型のパワードスーツは全く違う。



このパワードスーツ、装甲部分が全くと言っていいほど無いのだ。



従来のものは〝着る″という感じものだった。

だがこれは、体にくっ付けるという表現のほうが正しいようなものだ。


「えぇ…っと、これは一体・・・?」

と、陸が不安そうに問う。


すると舟木さんは、


「ふっふっふ・・・驚いたであろう。これこそが新型の対Cパワードスーツ、名付けて…」


「対C強化パワードスーツだああああああああああああああ!」

と超興奮気味な声で叫ぶ。


「いやいやいや、これ全く装甲ないじゃ無いですか!

こんなのクリーチャーの攻撃食らったら一瞬でお陀仏ですよ!」

と健斗が必死に訴える。


「ふふん、そこなのだよ諸君。

今までのパワードスーツは装甲があるが故に、かーなーりー重たく、

十分と言えるスピードが出せなかった。

そこで我々は、ありとあらゆる軽量化を施し、従来のパワードスーツを

はるかに凌ぐスピード、力を出すことができるパワードスーツを開発したのだ!」


舟木さんは自慢げに語る。



「能力が上がっていることは分かったんですけど・・・

これクリーチャーにぶん殴られたら即死ですよね?」

と俺は言う。


「当たらなければいいだろう?」

と、ドヤ顔の舟木さん。


「まず、君たちの任務はW部隊全員の逮捕だ。

クリーチャーとの戦闘は他の部隊に任せればいい。」


いやまあそうだけど、違うそうじゃ無い。


「まあ、とにかく、つけてみてくれ。

君たちの感想を聞きたい」


まあとりあえず装備してみるか。


俺達はこの装置を装備する準備にかかった。

誤字・脱字、分からないところがあればお聞きください。

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