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ユベリスendD 弱点を狙う
決闘は思ったより軽く、だんだんフィルの動きが鈍ってきた。
足元がぐらついていた。どうやらあのときの着地で、右足に軽く怪我をしているようだ――――
きっとそこを狙えば、私は勝てる。フィルに負けるわけにはいかない。なにがなんでも勝たないと。
フィルの左側を重点的に狙い、右足に体重をかけて攻撃を受けるようにした。案の定右足にダメージがいく。フィルが倒れた。
「―――これで、私の勝ち。だよね?」
「ええ……」
私は戦いに勝った。けれど、私は自分のしたことに後悔している。
最初はユベリスに告白したかったから、フィルを倒すことになったのに、フィルを倒したことで目的を達成してしまったから。
それに冷静に考えたらあれは卑怯な勝ち方だった。自分が許せなくて、思いも告げられなかった。
【バッドend・勝負にまけて戦いに勝つ】