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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

うちの娘がおかしい~美しく優しい妻が娘を殺した 編~

掲載日:2016/06/18

【注意】実際の裁判や法律は、この話上全く関係ありません。

    読む上では、突っ込んではいけません。

私には美しく優しい妻、優美と一人娘がいる。

娘が、幼稚園に入るまでは順調だっった。

そう、幼稚園に入って少し過ぎた頃、娘は一切笑わなくなったのだ。


会社で異例の出世をした私は、本支店の部長に抜擢されたのだ。

そのために、引っ越しをした。

娘は途中から幼稚園に入ったということで、同じ組の子たちに毎日のようにいじめられて帰ってきた。

それは最初のうちでそのうち馴染むだろうと思ったのだが、予想に反してそんなことはなかった。

同じ組(娘は、くま組だ)の子たちの存在を無視して、本を読んで過ごしている。

それをみかねた違う組(ぞうさん組)の子が、本を一人で読んでいる娘を引っ張り出しいて遊ぶようになった。

内向的な娘が園内の子たちに馴染むと、幼稚園側が配慮して組を変更した。

それから、毎日娘は楽しく幼稚園に通うようになった。

これで一安心と思っている時に、娘は笑わなくなったのだ。

幼稚園の先生に、「またいじめられているのではないのか?」と尋ねたところ「そんなことはありません」と言い切った。

私が気にしすぎなのだろうか?


そんなある日、幼稚園から呼び出しを受けた。

なんでも、以前娘がいた組の子たちが娘を泥水の中に突き飛ばしたらしい。

ここからが、問題だ。

娘は泣くどころか、着ていたお気に入りの服を脱ぎ泥水の中で服を洗いそれをためらいもせずに着たらしい。

「ママが、こうした方がいいっていったの」と無邪気に言って。

そして、私と美しく優しい妻は幼稚園の先生から娘を虐待しているのではないかと疑われた。

もちろん、そんなことはしていないと言い切った。

娘に、「本当のことを言いなさい」と言っても娘は死んだ魚のような目で私と美しく優しい妻を見るばかりである。


妻は本当に優しい。

ニュースで心が痛むような出来事を聞けば涙を流し、身近なことでよい出来事があれば嬉し涙を流す。

自慢のできる心美しい妻なのだ。

実は、妻は会社の元同僚だ。

子どもができたことを機に、妻には会社を辞めてもらった。

子育てに専念してもらいたかったからだ。

妻(当時は同僚)へのプロポーズをためらっっていて、上司である会社の社長令嬢に相談すると、「あの子、モテるんだから早く結婚するなりしたほうがいいんじゃないの。でないと、横から攫われるわよ」と冗談めかして言われた。

上司は、社長令嬢という立場を利用しないで実力で今の立場になった強者だ。

だからこそ、相談したわけだが。

この時、私は知らなかった。

上司が妻を嫌うあまり、誰かと結婚させて会社を辞めさせるよう仕向けていることを。

そのための根回しをすでに終えていることを。


娘が一つ一つ年を重ねるごとに、娘の態度に怯える美しく優しい妻がいた。

娘の行動一つ一つ注意し、直させようとする。

まるで、『ナニカ』に怯えるように。

美しく優しい妻のために、少しでもまとまった休みがある時は両親と義両親に娘の面倒を頼むことにした。

妻の心が少しでも晴れるようになればいいと。

娘を親に預けるのは、娘の親としてどうかと思うのだが両親と義両親は私達夫婦が娘を預けに行くことをものすごく楽しみにしているので、気にしないことにした。

一度、娘の様子が心配になって両親に預けている期間こっそり見に行ったことがある。

ここ数年、私と美しく優しい妻には見せない笑顔で「おじいちゃん、おばあちゃん」と言って懐く年相応の少女だった。

心に何か靄がかかったようだ。


そして、事件が起こる。

大事な契約のある日の朝、娘が私のところに来て「おいてっちゃやだ。ママに、ころされる」とおかしなことを言った。

私は、テレビを見過ぎな子どもの戯言と取り合わなかった。

娘の頭をなでて、美しく優しい妻にキスをして家を出た。

思ったよりも早く、仕事が片付いたので上司に許可をとり早退して予定より早く家に帰ったのだ。

家の玄関を開けると、包丁で何度も娘を刺し殺す妻がいた。

「アイツ、アイツが悪いのよ!私は悪くないわ!なんで、ここまで出てくるのよ。アンタは死んだはずでしょ。早く、死になさいよ!」

そう言って、何度も動かなくなった娘を包丁で刺していた。

そこに、両親と義両親がきた。

半ば呆然としている私を突き飛ばし、父と義父が美しく優しい妻を羽交い締めにして拘束し、義母が娘の遺体を抱きしめて喚き散らした。

母はどうして美しく優しい妻の凶行を止めなかったのかと私を叩いた。


すぐに、美しく優しい妻が娘を殺したと報道されるようになった。

結果、美しく優しい妻の過去が面白半分に浮き彫りに。

美しく優しい妻は小学六年生の頃、同じクラスの大人しい女子生徒を自殺に追い込んだのだ。

それも、酷いいじめをして。

報道は、さらに追求したものとなって私の知らない美しく優しい妻の過去が連日ニュースで流れた。

それでも私は妻を愛している。

私が支えてやらないと。


予想通り、両親は美しく優しい妻の味方をするなら親子の縁を切ると言ってきた。

美しく優しい妻を愛しているので、了承の意を伝えた。

予想に反したのは、義両親だ。

「娘を支えるつもりなら、今後一切私たちは関わらない。結花(私の娘のこと)を奪った娘は許せない」と言って。

私は、「それでも貴方達の娘だ。私と一緒に彼女を支えてほしい」と懇願した。

それを一切義両親は拒否。

弟なんかは、「だから、俺が結花をあの時引き取ると言っただろう」と私に非難の目を向け、

義妹は、「私の結花になんてことしてくれるんです。娘はショックで泣きっぱなしですよ」と非難した。


義理堅い弟は、時々だが私の様子を見に来る。

その時に聞かされたのは、優しく美しい妻が義妹の同級生で義妹の親友を自殺に追い込んだこと。

報道されなかった直接の死因は、美しく優しい妻とその友人と当時のクラス担任が自殺を強要したこと。

それに耐えきれず、義妹の親友は自殺に踏み切るしかなかったこと。

実は、義妹の親友は上司が当時一番信頼いている親友でもあったのだ。

上司はこう言ったそうだ。「あの子が死んだのに、それを笑って過去をなかったことにしたあの女を許せるわけないでしょう」

明日からが憂鬱だ。

上司は、立場を利用することなく実力で会社からの信頼を勝ち取っている。

それに、私は知らなかった。美しく優しい妻が彼女の親友を死に追い込んだなんて。

明日からどうやって、上司に接すればいいんだ。

弟は、爆弾を落として行った。

私は知らないままがよかった。


翌日の出勤前、上司が直々に家に来た。

そして、裁判の結果が出るまでは有給をとるよう言ってきたのだ。

厚意をありがたく受け取ることにした。

裁判の結果は、散々たるものだった。

心神喪失は認められず、明確な殺意だけが証明された。

上告も棄却された。

美しく優しい妻は、とある場所の精神病棟に収容されることになった。

裁判の結果が出た翌日、上司が家に来て美しく優しい妻が収容される精神病棟近くの支社に出向を命じた。

上司はその時に言った。

「私はあの女を嫌っているが、君のことは嫌いでない。ただ、会社としてはここに君がいるのは困るのでね。はっきり言えば、君を辞めさせることはできる。しかし、これまでの実績を考えると辞めさせるのはもったいない。今までのような外回りができるわけではないが、まぁ頑張れ」

上司の性格を考えると私にとっては破格の恩情だろう。

私が切り捨てるられないよう、上に掛け合ったのかもしれない。

美しく優しい妻がこんな事件を犯した以上、再就職は難しい。



さあ、美しく優しい妻の近くにいるためにこれから引っ越しの準備をはじめよう。

・娘は、妻が自殺に追い込んだ女子生徒の転生です。

・妻は、その女子生徒を自殺に追い込んだことを悪いとは思っていいないし罪悪感もありません。

・主人公は、妻のこと最後まで『美しく優しい妻』と思い込んでいます。



読んでくださり、ありがとうございました。

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