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エンペラー  作者:
32/32

エピローグ

「ちょっと!杏!どうなっているのよ!あんた達は!」


「何よサリー。久しぶりに顔を出しだかと思ったら突然なんなのよ」


「答は簡単よ。ナポレオン騒動も終わっし、私も学校に慣れてきたし、あなた達が進んだかしら?と思って来てみたら‥……何にも進んでないじゃないの!

 何でよ!杏!あなた好きなんでしょう?勇気君の事が!」


「な、な何よ‥……いきなり、なんて事を言うのよ。私は‥……別に‥……」

 

「はぁ?誰よりも側にいて、誰よりも味方でいて、誰よりも心配していたじゃん!

 アレで好きじゃない?そんな事はないでしょうが!正直に言いなさい!」


「‥……私は‥……別に‥……」

 

 勝又翔の騒動も一段落した、桜も咲き乱れる春先のこと。


 ここは研究所の食堂で久しぶりに現れたのは相田サリー。

 彼女は所長の斡旋でCAになるべく専門学校に入学した。

 遅すぎた門出だったたが本人もヤル気満点で毎日楽しそうに通っているようだ。

 そんなサリーと杏が食事も終え、さらに問い詰めるべく自分達の部屋に戻った。


 その後もう一組が食堂に姿を現した。

 ちなみにサリーは杏の部屋にお泊まり。

 

「勇気!ちょっとこっち来てくれへんかぁ~」


「もう!丸さん下手な関西弁をいい加減、止めてくれませんか?そのうち苦情が来ますよ」


「五月蝿い!俺のはいいんだよ。そんなことより‥……勇気。お前の気持ちはどこにある?」


「はぁ?」


「だから!お前の気持ちはだよ!気持ち!」


「‥……‥丸さん何を‥……?」


「はぁ~。本当に分かんないのかよ!杏はお前にゾッコンだぞ。お前は杏の事をどう思ってんだよ」


「え!!丸さん!何をいきなり!」


「はぁ~。ナポレオン騒動も終わって杏の問題もお前の問題も解決した。だったら次は杏との交際だろう。お前も杏の事を好きだよなぁ!だったら」


「ストップ!丸さん!ちょっと待ってください。

 僕は‥……僕は18年間、人間らしい扱いを受けた記憶はありません。好きになってもらったことも、好きになったこともありません。そもそも、人を好きになることや愛することの意味がよくわかりません」

 

「はぁ?いや‥……それはだなぁ‥……好きになる気持ち?心?愛する気持ち?とにかくだなぁ~。もしだよ!もし!俺と杏がデートしていたらヤキモチとか胸のモヤモヤとかするだろう!それが好きになることだよ」


「え!杏と丸さんがデート?で胸のモヤモヤ‥……う~ん?丸さんごめんなさい。

 どこかお出かけしているなぁ~ぐらいにしか思わないです」


「はぁ?そうじゃなくてだなぁ~」


「丸、後は私が話をするよ。これでも飲みな」


「「満智子さん!」」

 

 そこに現れたのは研究所の母、食堂主の花田満智子さん。

 創設時からの母で僕達の全てを優しく包み見守ってくれている人。

 そんな彼女が僕の前に座った。

 

「勇気‥……好きになるのに意味なんて必要かい?愛するのに損得勘定をするかい?

 そりゃ~する人もいるだろうさね。でも、勇気の回りにそんなヤツはいないだろう。

 じゃ~勇気、好きになるってどんな状態か分かるかい?‥……分からないって顔をしているね。それじゃ、目を閉じて自分の胸に手を当てて考えてごらん。まずはその笑顔を守りたいと想った人は浮かんだかい?」

 

「はい‥……家族と研究所のみんなです。後、静香さんに当麻さんに翔に‥……」


「そんな所だね。次にその笑顔を自分の手で守りたいと想った人は浮かんだかい?」


「はい‥……家族と研究所のみんなです。静香さんと当麻さんと翔は守られる側です」

 

「フフフ‥……そうなのかい。最後にその笑顔を自分だけに向けて欲しい人は浮かんだかい?」

 

「え!!自分だけに?‥……家族と‥……家族と‥……‥……」

 

「答えが出たようだね。それを確かめるためにもその人とココに行ってきな!

 夢の国で自分の出した答えが間違ってなければ、その気持ちを相手に言ってきな。口で言わなければ

 分からないことだからね。‥……それは勇気が一番わかっていることだったね」


「はい!」

 


 鼠が支配している夢の国。

 僕は‥……僕だけに微笑んで欲しいと想った女性を誘った。


 その女性は‥……。

 

「杏、今日はありがとう!」


「うんうん、こちらこそありがとう!ココに来たの物凄く久しぶり!楽しかった!」

 

 夕焼けに染まる城の前で僕と杏は向かい合って、今日の楽しかった思い出を語り合った。

 そして僕は杏の両手をしっかり掴み、今日の1日で僕が何をどうしたいのかを考え、想いを噛み締めてから話始めた。

 

「杏‥……聞いて欲しいことがある。何も言わずに聞いて欲しい。

 僕は人を好きになったことも愛したこともありません。そもそも僕には居場所がなかったから、作ることにかまけていて感情とか好きとかそう言った事には疎かったと思う。

 え~と‥……実は満智子さんが好きになる事について話をしてくれて、笑顔を守りたい人は誰か?と聞かれて家族と研究所のみんなって答えた。そしてら次に笑顔を自分だけに向けて欲しい人は?と聞かれて‥……杏の顔を浮かんだ。そして今日、杏の笑顔を見ていて僕は確信した。杏の笑顔を、あなたの笑顔を守るのは僕で他の誰でもない!僕の側で、僕の力で、君を守る!だから僕と結婚してください」


「ちょっと待て!!なんでプロポーズやねん!」

 

「そうよ!!なんでプロポーズなのよ!はいって言えるわけないでしょう!」


「はい」


「そうよ!はいって‥……言った!」


「そんなアホなぁ~」

 

 僕の告白はプロポーズとなってしまったが、僕的には満足した。

 でも乱入してきた丸さんとサリーは不満を撒き散らしていたけどね。


 サリー曰く、まずは2年ぐらいお付き合いをしてからプロポーズよ!だそうで‥……。

 でもどうせ結婚するし今言うのも2年後言うのも変わらないような気がする。


 そして丸さん曰く、お付き合いをするのも大切だぞ!相手の本性を見抜くためにも必要だぞ!だそうで‥……。

 でも杏の本性と言えば食いしん坊で猪突猛進で心配性で後は‥……笑顔がいいよね。


 

 そんな感じで僕達の未来が幕を開けた。

 


すいません。

終わりです。

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