に
* * * * *
「さっきー!はっよー!」
いつものように学校に向かって、いつものように教室に行く。
それが当たり前で普通のこと。
でもそれが、私にとってとても幸せに感じられる。
「おはよ、唯」
「なあにーさっきー、ニヤニヤしてー
面白いことなんてあったー?」
いや、あなたがとても元気そうで何よりだよ、唯さん。
この子は朝霧唯。
この学校にある、外部転入制度を利用して転入してきた、数少ない生徒。
中高一貫の学校であるこの、月の森学園にはこのような制度があって、そのおかげで進学実績もあがったらしい。
「いや、今日もいい天気だなぁ、って思ってさ!
あと、唯も元気でいいなぁって!」
「ふーん・・・いつもと変わりないけどね?咲ちゃん元気?」
うん、まあ、元気だけどね。
おっしゃる通りいつも通りで変わりないです、はい。
「おはよ、浪川さん」
「咲ちゃんおはよ!朝霧〜咲ちゃんに迷惑かけてない?」
「失敬な!なんで咲ちゃんと話してるだけであたしが迷惑をかけていると思うのかね!?」
いや、そんなに怒らなくても。
別にみんなも本気で言ってないから笑 からかってるだけだから笑
「唯、本気にしないの!遊ばれてるだけじゃないのー」
「えー咲ちゃんまでー・・・もういいもん。拗ねてやるぅ」
こんなふうにみんなと話したり、バカやったり、・・・毎日楽しい、って思えている自分が怖い。
『気持ち悪いわねぇ、あなたの顔なんか見たくないわ。もう部屋に行ってちょうだい』
なんで私だけ・・・こんな悲しい思いをしなくちゃいけないの?
ねえ、どうして?
愛されていいのは、あの子だけ?
ねえ、どうして私のことは愛してくれないの