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Blog.(無題)【20XX.03.24】 1
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私は、ユッケ様から頂いた種子を使い、彼らの観察をしている。
ひとつの華が咲いたので、私の役目もまた増えた。
黒づくめの身体で、夜の闇に溶ける。生ぬるく淀んだ空気を切り裂き、目的地へとひた走る。外は雨、弾ける靴の音を雨音が掻き消して、私は誰にも映らない。
多くの街を行き過ぎて、多くの人を行き過ぎる。誰も私に気づかない、見つけない、観察しないまま景色と共に後方へ流れていく。
私は狂気の香りを辿り、観察してきたモノに辿りついた。
それはまだ、死んだばかりだった。




