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本編

私達の幸せは一瞬で奪われた。


私の名前は斎藤 玲奈

私が高校生の時、初恋をした。桐谷 大和という人

大和とは毎日話して2人とも惹かれていた。

高3の時、

「俺と付き合ってください」

「よろしくお願いします」

付き合うことになった。

付き合ってからデートに行ったり、毎日LINEをし

たり、一緒に学校に行ったりした。


高校を卒業した玲奈は、夢だったデザイナーに。大和は有名ベンチャー企業に就職。2人とも順調に仕

事をしていた。

20歳になって2人の両親に挨拶をしに行った。

「高3の頃から付き合ってて」

「あ、そうなの。良かったね」

玲奈は大和のお母さんと連絡先を交換した。


数ヶ月経って、大和は玲奈に、

「仕事に行ってくる」

と言って、プロポーズ用の指輸を買いに行った。

その帰り道、大和は歩道に乗り上げてきた車に轢か

れた。轢かれた瞬間、意識が薄れていった。最後に出た言葉は、

「玲奈」

だった。周りにいた人達が駆け寄ってきて、

「大丈夫ですか?」

と声をかけたが、大和からの応答はなく、車の運転手もケガをしているようだ。

周りの人達が警察と救急車を呼んでくれた。


警察は2人の家族に連絡するため、連絡先が書かれている物を探した。

大和のバッグの中に入っていた運転免許証の住所から、連絡先を特定した。

「もしもし、桐谷 大和さんのご家族の方でしょうか?」

「はい、そうですが」

「落ち着いて聞いてください。大和さんが事故に遭

われまして、意識不明の状態なので、今すぐさくら病院に向かってください」

「わかりました」


電話を取ったのは、大和のお母さんだった。お母さ

んは、すぐ玲奈に電話した。

「大和が事故に遭ったって。だから今すぐさくら病

院に来てくださいって」

「そんな・・・」

玲奈は涙声になっていた。

「私も行きます」

玲奈は、社長に、

「彼氏が事故に遭ったので、今から病院に行っても

良いですか?」

「わかりました。行ってらっしゃい」

「ありがとうございます」


玲奈は、荷物を持って病院に向かった。

10分後、玲奈は病院に着いて大和のお母さんと合流

した。そこから、走って大和の病室に行った。

大和は病院に運ばれてから手術をして、一命は取り

留めたらしい。

大和の手を握って泣き崩れるお母さん。

隣にいる玲奈まで泣けてきた。


数分後、

ピクっ

大和の手が少し動いた。

「大和!良かった!」

お母さんが言った。2人とも安心したその時、

「どちら様ですか?」

「え?」


2人は驚いた。

大和は激しく頭を損傷していたらしく、記憶喪失になったようだ。

「大和!お母さんよ!」

何も応答はない。お母さんは泣いていた。

「大和!玲奈だよ!あなたと付き合ってた!」

何も応答はない。


玲奈は泣いて部屋を出た。

大和が何も覚えてないなんて。

玲奈は、毎日仕事が終わると大和の病室に行って、

付き合っていたときのことを話した。


事故から6日後、

「あ〜!!」

大和は急に頭がキーンと痛くなった。

数分後、痛みは治まった。そして、今まで忘れてい

た記憶を全て思い出した。

「玲奈」

最初に出た言葉だ。

何でこんなに大切な事を忘れていたのだろう。

大和は身体を動かそうとした。しかし、どんなに力

を入れても身体はピクともしなかった。

「何で?」

その日はずっと泣いていた。


次の日の朝、大和は先生に、

「身体が動かないのですが」

と相談した。

「ちょっとやってみてください」

先生の前でやってみせた。

「あ〜。これは事故の後遺症ですね」

「え?治るんですか?」

「治る保障はありません」

「そんな⋯」

指輪も買ったのに・・・ 事故に遭ったせいで・・・

大和は自分を責めた。


その日の午後、部屋をノックする音が聞こえたので、

「はい」

と返事をすると、そこに立っていたのは玲奈だっ

た。大和は、泣きそうなのを必死にこらえる。

「こんにちは」

大和が事故に遭ってから、玲奈は他人のように大和

に接してくる。それも今日で終わりだ。


大和が話し始める。

「俺、全部思い出したんだ。事故に遭ったことも、キミの事も。玲奈」

玲奈は泣きながら大和を抱きしめる。しかし、大和

には抱きしめられた感覚はない。

「ごめんな」

と何度も言う大和。大和は記憶が戻ってから、玲奈と別れると決めていた。


「玲奈」

「何?」

「俺、目が覚めてから思うように身体が動かないんだ」

「え?」

「さっき、俺も玲奈のことを抱きしめたかった。で

も身体が動かなかったんだ。ごめんな」

「そんなに謝んないで」


「あと、触られた感覚もない。そのことを先生に話

したら、事故の後遺症でしょうって。治る保障はありませんって言われてさ」

「そんな・・・」

「だから、俺と別れてほしい」

「嫌だ。絶対嫌だ」

「俺、もう玲奈のためになにもしてあげられないから」

「そんな事ないよ。私、大和といるだけで幸せだもん」

「ありがとう。玲奈。でも、俺が耐えられないんだ」


「事故に遭ったこと、後悔してる?」

「もちろん。玲奈を幸せにできなくなったからね」

「私、大和と別れたくない。」

「なんで?俺といたって絶対幸せになれないよ?」

「ううん、幸せとかじゃなくて、これから大和、1

人じゃ生きていけないでしょ?支えてくれる人が必

要だと思うの」

「玲奈」


「私、知ってるよ。あの日、仕事になんて行ってな

いってこと」

「え?」

「実はあの日、警察の人にこれ渡されたの」

玲奈が出したのは、事故に遭う直前に買った指輪だった。

「指輪は無事でしたよって」

「玲奈にはお見通しだな」

「えへっ。だから、大和がどんな姿になっても私は

大和のことが大好きだよ」


「ありがとう。玲奈。じゃあ、1個だけお願いがあ

るんだけど」

「何?」

「俺の身体が一生動かなくなっても、俺の隣にいてくれる?」

「もちろん!」

「ありがとう。玲奈」


その日から玲奈は毎日大和の手を動かすようになった。

平日はリハビリをした。リハビリをしていく中で

徐々に手足の感覚が戻った。

そんなある日、大和はリハビリの先生にある事を話した。

「僕、夢があるんです。僕が退院したら彼女と結婚するんです。僕達の結婚式の新郎入場の時に歩いて

入場するのが夢なんです。彼女をびっくりさせたいんです」

「そうなんですか。そのためにも頑張りましょうね」


大和は夢を叶えるために必死にリハビリをした。そして、事故から半年後、大和は病院を退院した。大

和は車いすになった。退院する時も玲奈と一緒だった。

玲奈は大和のために車を身障者用の車に買い替えた。


その夜、大和は、

「これから玲奈にたくさん辛い想いさせると思うけ

ど、俺の傍にいてください」

とプロボーズした。玲奈は、

「もちろんです」

と言った。大和はとても嬉しかった。

それから2ヶ月後、

今日は結婚式の日。

玲奈が先に入場した。

大和は緊急事態のために友達にサプライズのことを

話した。


「次は新郎の入場です。新婦は後ろを向いてください」

振り向くと大和が立っていた。ゆっくり歩いてくる。

「大和が歩いてる。何で歩いてるの?」

涙が溢れる玲奈。大和が玲奈の元へ歩いてきた。

「何で泣くんだよ」

「そんなの、大和のせいに決まってんじゃん」

次に誓いのキスの時間になった。

「それでは誓いのキスを」

「やっとキミを抱きしめられる」

大和は玲奈を抱きしめながら長いキスをした。

                おわり

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