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冷血女王様は踏まれたい  作者: りりぃこ
第一章 ライブ編
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1 氷の女王様



好葉(コノハ)、早くしてくれないかしら」


 氷の女王様、と称される人気女優、 花実(ハナミ) 雪名(セツナ)25歳。長いストレートの黒髪で鋭くも大きな瞳。今、数多くのドラマや映画に引っ張りだこの美人女優だ。


 彼女に、私みたいな三流の売れないアイドルが逆らえる訳がない。


 私は恐る恐る、雪名さんがしゃがみ込んでいる前に立つ。


 雪名さんは、少しだけかがんで土下座するような格好になった。


「ほら、やりなさいよ」


「すみません、失礼致します……」


 私はそっと雪名さんの背中に足を乗せた。



「ほら、早く、勢いよく私の事、踏みつけなさい!」



「は、はいっ」



 私は泣きそうになりながら、素敵な美しいスタイルの雪名さんの背中を思いっきり踏みつける。


「もっと。そんなの、マッサージにもならないわ」


「はいっ」


 思いっきり力を入れて再度雪名さんを踏みつける。


「そう、その調子よ」


「はいっ」


 私は泣きそうになりながら何度も雪名さんを踏みつける。


「それよ。いいわよ好葉」


「い、痛いなら痛いって言ってくださいよ?」


 私はそういいながら力強く雪名さんを踏みつける。すると雪名さんは私をキッと睨み上げてきた。


「何言ってるの?むしろもっと痛くしなさいよ」



 その後何度か私に踏みつけられて満足した雪名さんは、ふう、と立ち上がった。


「ありがとう。やっぱり好葉の足は素晴らしいわ」


 そう言って、雪名さんは、テレビの前でも滅多に見せない笑顔を私に見せてきた。


 私の足を撫でながらうっとりと言う。


「本当に素敵な足だわ。私が好葉さんに出会えたのは運命だわ。私の為にあると言っても過言ではないくらいの理想的な足……」


「も、勿体ない言葉ですが、それは過言です」


 私は真っ赤になりながら言う。



「それじゃあ、マッサージするわね」


 そう言って雪名さんはマッサージオイルを取り出した。必ず終わった後、メンテナンスをするが如く私の足をマッサージオイルでケアしてくれるのだ。


「よし、スベスベ。好葉も、手入れしっかりとしなさいよ。じゃ、私これから仕事だから」


「はい。お体に気をつけて……」


 私はそう言って、颯爽と立ち去る雪名さんを見送った。


 私は大きなため息をついて座り込んだ。



「これは……このまま続けていいのか!?」


 私は頭を抱える。



 人気女優花実雪名には秘密がある。ストレスが溜まると人に踏まれたくなる、という性癖があるのだ。それも、できるだけ小さな足に踏まれたいという性癖が。


 売れない三流アイドルである私、 牧村(マキムラ)好葉(コノハ)は、足のサイズが20歳にして19センチというシンデレラサイズである。コンプレックスのこれを、ひょんなことから雪名さんに知られたことによって、定期的にこうして踏みつける事を頼まれているのだ。



「これ、人に見られたらヤバいよなぁ……特に私が」


 私は頭を抱えて今後の芸能生活を憂うのだった。



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― 新着の感想 ―
[良い点] クールビューティーな年上お姉さまが実は年下の売れないアイドルに踏まれて喜ぶ変態お姉さんとか最高!
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