第三話 過剰と欠乏
ついに連絡する日がやってきた
二か月の訓練のした分、ある程度自分で納得できる強さになったと思う
エンゴに言われたように、愛想よく話すことを意識しながら電話をかける
「もしもし、火野灯です」
「ん?ああ、灯くんだね?」
二か月前に聞いたあの声だ
「それじゃ、マチュピチュまできてね~」
「そーれじゃあね!」
そういって電話を切られる
...訳が分からない
マチュピチュ?遠いにもほどがあるだろ...
仕方なく飛行機のチケットを取る
そして翌日、飛行機に乗ってマチュピチュへ向かった
「まさか人生初の海外が仕事か...」
マチュピチュの入口に立っている男性に話かけてみた
「すみません、イスカと言う人からの紹介で来たんですけど...」
「ん?聞いていないな」
「まあ、イスカに会えばわかるだろう」
そういわれ、中に通された
「おい!イスカ!」
プレハブに男が叫びつける
「ん~何よもう朝から」
そういいながら白髪、ボサボサ、グルグル眼鏡の女性が現れた
「毎日十二時間寝るのは止めろと何度も言っただろう、イスカ」
...この女性がイスカさん?
あの日は裸眼で、綺麗な白髪だったはずなのに
どうしてこうなった
「あ!今日来る日じゃん!!わすれてた」
「研修の過程を勝手に省略するな」
「二か月一人で訓練してもらったからいいでしょ」
一人で訓練してたのは研修替わりだったらしい
「それで言いわけないだろう」
よくなかったらしい
「でもこの子将来有望だよ?ただの軍人二人で中級撃破して後遺症がないんだよ?」
「それは凄いが、そこまでか?」
「この私がエーテルをほとんど感じないのに、だよ」
...バレてたのか
達人はエーテル量を感じることができるらしいが、イスカさんはそれほどの強さだったのか
そういえば一撃で数多の宇宙人を切り殺していた気がする
...次元が違うみたいだ
「エーテル欠乏症...お前の逆か」
「かもね」
「さて、灯くん」
「ここの仕事について説明しよう」
「簡単に言うと...襲ってくる宇宙人をぶっ殺して地球を守る仕事だよ」
...俺の耳には、地球を救うという言葉しか入ってこなかった
「最高の仕事ですね」
「早速だけど、今宇宙人の大群がこっちに向かってきてる」
「どれだけ強くなったか見せてもらっちゃおうかな」




