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11話 新たな革命、立憲政府の真相を暴け!

当作品はフィクションであり実在する人物や団体とは一切関係ございません。また、この作品は作者の思想を表したものではございません。

 共和国最強の剣豪、セーバ=ラマージからトドメを刺されそうな所に乱入した放龍。放龍の拳は刃を砕き、盾を張らせセーバを退かせた。その時、セーバから渡された名刺を元にエデアと放龍はクルオナ救出へ向かうのであった。


「そういえば兄貴、腕が…。」


「ああ、これか?やつの攻撃は恐ろしい。まさかアルミホイルを貫通するとはな。電磁波を完全に遮断するアルミホイルのお陰でかすり傷程度に済んだ。」


 サイキックセイバーは魔力の高さに比例して威力を増す。これまで多くの魔術師が砕くことのできなかったアルミホイルのプロテクターをセーバは突破したのだ。これだけで彼の恐ろしさは十分に伝わるであろう。


「これから、本格的に恐ろしい敵と対峙することになりそうだ…。」




 その頃、セーバは立憲主義共和国の中枢機関に戻っていた。初めて自身の技を砕いた放龍を激しく意識し武者震いしていた。


「有見放龍…人型の召喚獣。いや、人間そのものだ。召喚される前には相当な修羅場をくぐってきたのだろう。覚悟が違う、奴に恐れという物は備わってないようだ。面白い、この俺が今まで戦ってきた誰よりも強い。」


ふたたび彼はサイキックセイバーを抜刀した。閃光を放ち、目の前にあった観葉植物を一瞬にて真っ二つに斬り倒してしまった。


 その様子を見たカッツォダーヤは同じ十天君が一人、カナトーンを引き連れていた。


カナトーンは十天君の中でも最も姑息で二枚舌な事で有名だ。かつては減税や消費税撤廃を掲げ出馬し与党の大臣になったことがある。しかしながら結果は十分な動きを見せないどころか増税をしてしまい国民から不信感を買い時期の選挙で野党落ちしてしまった。与党の頃の甘い汁が忘れられず、紛争首謀者のもとについて国家二分の後押しをしたとんでもないクズ野郎だ。


カナトーンはセーバに囁いた。


「あんまり血の気を立たせるな見苦しい。」


「黙れ、姑息な手でしか戦えぬ雑魚か。」


反抗的な態度を示すセーバにカッツォダーヤはきつめに問う。


「何を偉そうな事ほざく、貴様の役目を忘れたのか?ヒャラオホの警護はどうした。」


「俺は交渉中に小娘とその連れが敵意を表したら手出しすると言っただけだ。成立した後の話など知った事ではない。」


「召喚獣にヒャラオホの居場所を教えただろ、何を考えているのだ貴様?」


「血のたぎるバトルと誇らしい勝利が欲しいだけだ。それと、召喚獣が来たところで対処できない奴が隠蔽を任されていたなら任せた奴の人選ミスと言ったところではないかな?ハッハハハハ!」


セーバは高笑いをしてカッツォダーヤを煽るように言い残して去っていった。


セーバの言う通り、ヒャラオホが放龍に敗れて国民粛清平均化計画の隠蔽に失敗しては国家転覆レベルである。カッツォダーヤは頭を抱えて自体の重さを考えた。


 その時、奥から別の議員が訪れた。その名はレポーン、女性の魔術師だ。隠蔽と責任転嫁と大口のスペシャリストと皇国の国民から言われている。実際、不都合の対処は未解決に済ませるにしても上手くやる嫌な女だ。


「なーに、あとは好きにすればいい。あの気持ち悪いほどのロリコン具合だ。何かあったら、あの少女を襲って痛い目に遭ったとでも言え。そして被害者の少女は気が狂って変なことを言っていることにしよう。」


レポーンの案にカッツォダーヤが疑問に思った事を聞いた。


「それは被害者女性の主張を無視して尊厳を蔑ろにするセカンドレイプに当たるのではないか。あなたはそれを親の敵のように嫌っておられたはずでは?」


「男が口答えするな!性犯罪被害に遭った女性は必ず精神面に多大なダメージを受ける。それを知っての反論か?根拠もない事をセクハラ受けた後に言ったところで、精神的ショックを受けおかしくなったと皆から思われるものだ。真に受ける奴が騒ぎ立てる方がセカンドレイプだ!」


レポーンは怒鳴りつけながら去っていった。


カッツォダーヤは一人、悩んだ。二人のやり方は腑に落ちなかったが、皇国の魔術師を3人も倒し、最強の剣豪とも呼ばれたセーバすら認めさせた放龍が現時点で敵に回る事を避ける可能性もある。しかし、相手は自分達の陰謀を知っている。国民は欺く事はできても彼らを欺く事は簡単にできるわけがない。


やはり全面戦争は避けられなかった。カッツォダーヤは腹をくくる。ヒャラオホの事は敗れたら隠蔽するとして放龍を討つ方針にする事を決めた。




 噂のヒャラオホはクルオナを連れてラブホテルのベータマイナスに宿泊していた。


「クルオナちゃん、大丈夫〜?夕御飯あんまり食べてなかったね〜。」


「えぇ、お構いなく。元々小食なので…。」


クルオナは意中になくおぞましい中年ロリコンキモ男と共に過ごすだけでも嫌気がさし、食欲もわかなかった。


「そうでした、そろそろお風呂入りましょう。どちらからお入りになります?」


「そりゃぁクルオナちゃんだよぉ。クルオナちゃんの成分がたっくさん分泌されたお風呂をゴクゴクするんだもんね〜。」


「はぁ、はい…。」


服を脱ぎ終わりクルオナは浴室に入ると母親の形見である腕輪をつけたままな事に気が付き、外して着替えを置いている所へ向かおうと浴室の戸を開けて顔を出した。

その時、見なければ良かったものを見てしまうのであった。


「すんすんすんすん、クルオナちゃんの脱ぎたてのパンティは絶妙な香りがいたしますぞ。くんかくんかくんかくんかくんか、あぁたまりませんな14歳の少女の香り。あ、クルオナちゃんどうしたの?顔だけ出さないで出てきてもいいんだよ。そのプルプルなプリティおちりもっと見せて♡」


なんと、ヒャラオホはクルオナの脱いだばかりの衣服を漁っていたのだ。

目的は下着、彼はそのまま拝借するつもりでいたのだ…。


「いえ、腕輪を起きにきただけなので…。」


「そうなの?残念だね〜。そうだ、お風呂一緒に入ろう?クルオナちゃんのすっぽんぽんをもっと拝見したいお!」


「あとで見せますから今は我慢してください。」


腕輪を置いて浴室に戻ると、彼女は限界に達して泣きながら嘔吐をしてしまった。これから先こんな事が続くと考えると耐えられたものではない。えずいた後に激しく咳き込みながら心の中で呟く…


『お父さん、お母さん…私はどうしたら?このまま助からなかったら…嫌っ!助けて、助けてよ…エデア。助けて、放龍さん…。』




 しかし、こんな状況であっても彼女に策はしっかりあった。タダで両親の敵である男に嫁ごうとするほどもの好きではない。黙って言いなりにされる女ではないのだ!


入浴を終えてクルオナは、ベッドで事の待機をしていた。白いバスローブに身を包み、全身をそわそわさせていた。


『ここから先はもう、後戻りできないのね…。でも、やるしかない。』


ヒャラオホが風呂から上がり、いよいよ事が始まる…。

クルオナが先に横になっている所をヒャラオホは後ろ側から包み込みようにゆっくりと抱きしめた。


「クルオナちゃんは両親と違って抵抗しないんだね。両親もこのくらい素直だったら死ななかったのにね。」


これを聞いてクルオナは冷静でいられなかった。怒りと憎悪が湧きそれを堪えようと歯をきしらせた。手足も震えていた。


「ごめんね、嫌なこと思い出させちゃった?でもね、僕ちんが一生を持って償ってあげるよ?なんせ君はもう僕ちんのお嫁さんなんだから!」


ヒャラオホがそう言い出しながらクルオナの胸を触ろうとした時、クルオナは手を掴み払い除けてヒャラオホを仰向けにさせ腹の上に乗っかった。


「クルオナちゃん、意外とやる気だねぇ。でもそこは少し上過ぎない?」


「いいえ、ここで良いのです。私の気持ちを、貴方に伝えるには…ここしかないのです。」


「え…!?」


クルオナは包丁を隠し持っていた。両手で柄を握りヒャラオホの胸元を狙い振り下ろした。


しかし…。


「ローリーロック!」


ヒャラオホはある魔法を唱えた。ローリーロックとは相手の動きを封じる魔法である。ただし、詠唱者が性的に見た相手にのみ通じる。限られた範囲ではあるが少ない魔力で唱えられる高性能な拘束魔法。性犯罪を起こした魔術師がよく使う事で有名なのだ。


「そんな…。」


動きを封じられたクルオナは絶望の表情を浮かべ力の入らなくなった両腕から包丁を溢すように落としてしまう…。


腹の上にまたがるクルオナを押し倒し両手首を抑えながらヒャラオホはよだれを垂らしながら彼女に囁いた。


「残念だったねクルオナちゃん、君がこんなことをする事も想定済みだったんだよ。もう動けないね…君は、ずっと僕のものだよ。」


ヒャラオホはクルオナの首筋を舐めようと顔を近づけ舌を伸ばす。その舌をつたって唾液がクルオナのもとにこぼれ落ちた。


「ひっ…。」


思わず彼女は嫌気をあらわにした。涙を流しながら青ざめた顔をした。心の中で彼女はおもうのだった。


『やっと仇を討てると思っていたのに…この日を、この時を待っていたのに…どうして?私、どうなるの?誰か…誰か助けて!』


 このまま一生、この変態に弄ばれる。自由とは切り離され彼の性奴隷として生涯、振り回される。ペット以下の扱いを受ける。クルオナはそう思い、全てを諦めかけていた…だがその時!


「うりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


エデアが窓ガラスを叩き割って部屋に入り込みヒャラオホを思い切り蹴り飛ばした。

ヒャラオホが吹っ飛んだ後にクルオナの拘束は解けた。彼女は安堵と歓喜のあまりエデアに思い切り強く抱きついた。


「エデア、来てくれると信じてました。ありがとうございます。」


「クルオナ、怪我はないか?怖い思いさせて本当にごめんよ。」


「いいえ、何をおっしゃるのです?私はあなたが来てくれただけでも嬉しいのです、ご心配おかけして申し訳ありません。怪我もありません、なので安心して戦ってください!」


エデアは右手をクルオナの背中から頭部に回しこみ覆いこんだ。左手でシールドを張る。彼はヒャラオホが体制を整え攻撃する姿勢に入っていた事を読み取っていた。


「真空衝撃波ッ!!」


ヒャラオホから連続して繰り出される攻撃魔法、真空衝撃波をエデアはシールドで受け止める。そして大声で叫んだ。


「兄貴、今だ!」


「兄貴…だと!?」


ヒャラオホは危機を感じ恐る恐る後ろを向く…。


そこにはエデアが入り込んだ窓とは違う方角の窓がある。その窓のサッシに何者かが輝かしい月光を背景にして立っていた。


放龍だ。放龍が暗闇の中、眼光を煌かせてヒャラオホを睨む。下世話な彼に溢れるほどの怒りを抱いていた。


「ヒャラオホ=ダナンよ、貴様の畜生にも劣る品のない行い。決して許してはならない。潔く腹を切れ!」


「なんだと、貴様命令は俺を倒してからにしろ!」


「ほう、ならば正々堂々受けて立とうではないか!!」


 取っ組み合いの末、両者は飛び出るように窓から外へ出た。二人の対決が今、始まるのだ!


先に仕掛けたのはヒャラオホ、彼の両手から真空衝撃波が何発も繰り出された。


「連続真空衝撃波ァ!!!!!」


数多の攻撃魔法が放龍を襲った、放龍は全ての攻撃をまともに受けてしまった。放龍危うし、果たして彼の運命は…!?


「フハハハハハッ!これ程の攻撃、流石に貴様も耐えられまい。」


勝ち誇るヒャラオホ。しかし煙が薄くなる中、彼の目の前で放龍は堂々と立っていたのだった…。


「ヒャラオホよ。貴様の攻撃など、この俺には通じん。所詮は貧弱な電磁波パルスに過ぎんのだ!」


「な、何ぃぃぃぃぃちぉとぃぃぉぃ!!!!!!」




 クルオナはこの様子を悔しそうな顔で見ていた。自身の手で無念を晴らすことができなかった、両親の仇を他人の手で討つ事に歯がゆさを覚えていた。


エデアはそんなクルオナを見て励まそうと声をかけた。


「クルオナ、浮かない顔してんな。まぁ、あんたの無念は痛いほどわかる。俺だって両親が殺されたら正気でいられないさ。自分の手で仇を討ちたい…。でもな、あんな奴の為に手を汚す事はないんだ。余計なお世話をしたかもしれないけど…その事を知っておいてくれ!」


それを聞いたクルオナはエデアの方を振り返り微笑みながら話した。


「エデア、あなたって人は本当にお節介な程に優しいのね。私はあなたの良心を無碍にしたくはありません。ありがとう、エデア。」


クルオナは僅かに顔を赤らめながらエデアの顔を見つめた。

エデアはそれに気づかず窓に近づきクルオナの肩を軽く叩いて外を眺めた。

クルオナは少し残念そうな表情になりながら外に視線を向けた。



 そうしている間にも放龍とヒャラオホの対決は進んでいた。ヒャラオホの次なる技、ソニックブームが打ち出されていた。


「喰らえ、ソニックブーム!貴様の体をズタズタにしてやる!」


しかし、またもやアルミホイルのプロテクターがヒャラオホの攻撃を弾き返した。アルミホイルの魔法耐性は恐ろしいものである。


「フン。ウヨー皇国の雑兵と大差なし…否、それ以下だな。そんな軽い電磁波攻撃では俺を倒すことはできん!」


そして、いよいよ放龍が仕掛ける番となる。腰を引かせながら肘を後方にさげる。その間ずっと固く拳を握る。そうして繰り出される技とは…そう、あの技である。


「行くぞ、魔断拳!!」


来た、必殺の魔断拳!あらゆる魔法防壁を砕く伝説の拳豪が使うという技。放龍必殺の弾丸ストレートパンチだ。これを喰らい生き延びた魔術師はいない事は言うまでもない。幻と消えたとは言え世界チャンピオンの持つ最強の"龍の拳"から繰り出されたらひとたまりもないだろう。


「のわあぁぁぁだぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ヒャラオホは魔断拳を腹で受け、その衝撃で全身がグネグネになるほど歪みきり木っ端微塵に粉砕した。


「兄貴、流石だぜ…。」


ラブホの窓から傍観していたエデアだがその迫力にポカーンとなっていた。


放龍はエデアに向かい言い放った。


「俺が強かったんじゃない、コイツが弱すぎた。エデアと手合わせしたときの方がまだやり甲斐があったぞ。」


エデアは少し照れくさそうにして放龍に言った。


「そうかぁ…なら是非、俺を鍛えてくれ!もう二度とクルオナに怖い思いさせたくないからな。」


この言葉を聞いたクルオナは胸をドキッとさせ更に顔を赤らめてエデアの方を振り向いた。そして、エデアが彼女の方を見る前に素早く目をそらした…。



 翌日、クルオナら三人は再び彼女の両親が眠るお墓に向かった。そして、そこで揃ってお墓に向かい合掌をした。


クルオナは胸の中で誓ったのだった。いずれか両親が導き出した政府の陰謀を証明し大衆に知らせる。そうやって両親の無念を晴らす事を心の中で家族に伝えたのだった。

そしてまた放龍たちと共に旅に出る事にしたのだ。


「クルオナ、大丈夫か?辛い時は遠慮しないで言ってくれ。大して力になれないかもしれないけど、何か役に立ちそうな事があったらやってみようと思う。」


「余計なお世話です、あなたに心配されるほどひ弱じゃありません!」


相変わらず心配性なエデアに対して彼女は少し嫌味な口調で返した。これは彼をずっと心配させたくないクルオナなりの配慮であった。


「良かった、いつものクルオナだ。でも無理だけは絶対にするなよ!」


満面の笑みで返すエデアの顔を見てクルオナは恥ずかしそうな表情になり、やや視線を下に向けながら聞こえないように小声で囁いた。


「……………バカ。」


三人は次の宿泊地である隣町の繁華街を目指して歩き続けるのであった。

「そうだ、パンケーキを食べよう!」この勢いでイオスコのレストラン街に入った放龍一行。しかし、そこで待ち受けていたのは職質に腹を立て公務執行妨害で暴れていたイシュデイガ議員であった。放龍は私利私欲で周りに八つ当たりをするイシュデイガに怒りの鉄拳をぶつける!


次回、「パンケーキの代償 轟け、雷鳴百連打!」にご期待ください

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