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バラの花言葉

作者: 無句糸物

彼と別れて3年が経った。


私の浮気が原因だったけれど、彼はそれを知った後も、黙ったままで何も言わなかった。


せめて、一言でも責めてくれたら心が楽だったのに。




そんな彼が、会社の同僚と結婚するらしい事を友達から聞いた。


黙っているわけにもいかず、彼にメールで「結婚おめでとう。」と伝えた。



「出会った時のカフェで会いたい。」そう返事が来た。




約束の日時にカフェで待っていると、スーツを着た彼が、律儀にバラの花束を持ってきた。



「俺は後悔してないよ。君に告白したこと。」

「今日で君の連絡先は削除するから、君もそうして。」

バラと共に、最後にそう言い残して、彼は行ってしまった。



一人呆然としていると、近くにいた女性店員が話しかけてきた。

「記念日ですか?バラの花束なんて素敵で羨ましいです。」


「あ...いや、違うの。元彼なの。別れたのにバラってなんか変よね。」


「そうなんですね...けど、バラって本数によって伝えたいメッセージが違いますよね。」

女性店員はそう言うと、オーダーが入りそそくさと行ってしまった。




バラは全部で5本だった。




なんだか無性に気になってスマホに話しかけた。

「Hy Siri...バラの花言葉って何?」




本数ごとの意味のリストの中にそれはあった。

・1本 「一目ぼれ」「あなたしかいない」

・2本 「この世界はあなただけ」

・3本 「愛しています」「告白」

・4本 「死ぬまで愛しています」

・5本 「あなたに出会えた事の心からの喜び」




彼の連絡先は消した後だった。

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