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レンタル彼氏はじめました  作者: 響ぴあの
2/5

キャリアウーマンは誘惑する

 彼女は2回目のデートで自宅を希望しました。

 彼女は1回目よりもかわいらしい洋服に身を包み、

 化粧も流行を取り入れたようなメイクを施しておりました。

 私が紳士的で良い人だということが理解できたのでしょう。

 手料理を振る舞い、一緒にお酒を飲みながら

 彼女の学生時代の話や仕事の話を聞きました。

 私は聞いていただけで、何もしてはおりません。


「私、中学の時は結構モテていたのよ。男子から結構告白されたし。高校では勉強をがんばっていたし、周りから尊敬されていた部類の人間だったのよ。大学も一流大学だったし。でも、一流大学の先に何があるのか私には見えなかった。夢も見つけられなかったから、今、こんなことしているの」

 

 自慢が入りつつの、自虐をいれつつの彼女の半生をただ、聞いていました。


 3回目が今日です。

 時間は2時間となっているので、最初から彼女は誘惑モードのようです。ベッドで寝てほしい。そう彼女の瞳はささやきます。

 私は「寝るだけならば、ベッドに行ってもかまいません」と念を押しました。


 彼女と私はベッドで寝ころびながら、天井を見上げました。

 そして、彼女はたわいない話を始めました。

 彼女の瞳を見つめながら、私は聞き入りました。


 彼女は手を握りました。

 そして、キスをします。

 しかしながら、私にはその気はありませんので、やんわりとかわしました。


 わざと私の手を彼女の体に触らせようと誘導するのですが、それもうまくかわしました。


 性交渉はできません。しかしお客様の心を傷つける行動もできないのです。


 私は、彼女を抱きしめながら話を聞きました。

 彼女は将来への不安を口にしたのです。

「結婚したくないわけではないの。

 孤独死も嫌だし老後の不安もある。

 彼氏は欲しいけれど 面倒な気持ちもある。

 結婚をしたいけれど、いい相手がいない」

 自分は孤独死するのではないか?

 一生一人ではないか?

 不安の渦の中にいるようでしたので

 彼女の手をにぎり、相槌を打ちながら

 ほんの少し、一般的なアドバイスをしました。


「ねぇ、ショーマ君。私と本気で恋愛してみない?」

 そのように彼女はベッドの上でささやきました。


 そして、そのまま眠るのです。

 なぜならば、私の眼力を彼女に使いましたから。

 この特殊能力があるので、レンタル彼氏として、

 会社でもトップの成績を誇り、指名は上昇しています。


 私の特殊能力の眼力を使うと女性は眠りに落ち、夢の中で幸せになれるのです。

 そして夢の中で私に対していいイメージが焼き付くという 

 レンタル彼氏としてはとても有能な能力なのです。


 相手が性的関係を望んできたときや対応が難しい時は、眼力を使います。

 ちょっとした能力ですが、会社員であればあまり使えない能力でしょう。

 私の能力は、特殊な仕事や分野でなければ発揮できない、特殊能力なのです。


 彼女は眠りに落ちました。

 きっと明日も仕事が待っているのでしょう。

 つかの間のひと時、夢の中で幸せになってほしいものです。


 ミサは翌朝目が覚めて、4回目のレンタル予約を入れるのでありました。


 相当夢の世界がよかったのか……本気で彼を愛してしまったのかもしれません。

 愛してもらえるように振舞うことが仕事なのだから。

 ショーマは優秀なプロのレンタル彼氏なのです。






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