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34 初クエスト3

 予定通りに依頼を達成して、私達は冒険者ギルドに帰還した。エルフの少女、ミーナは母親から一通の手紙を持たされて、森に置き去りにされたらしい。


『私達の家庭では、もうミーナを育てることが出来ません。もし、ミーナを見つけてくれた、冒険者さん、旅人さん、どうか彼女を育てて貰えませんか?

 身勝手なことだとは重々承知の上ですが、どうか、お願いします』


 おおよそ、こんな感じの内容で、要は養うだけの金が無いから彼女を手放したと言うことだ。


「身勝手な親ね」

「そうだね。まあ、その親の心境は分からなくも無いけど、森じゃなくて共和国にすれば良かったのにね」


 本当だ。こんなに可愛い娘をどう考えれば手放せるのだろうか? いや、私なら死んでもこの子を守るだろう。

 そんなことを言えるのは、私が女神だからかも知れないが……。


「じゃあ、ギルドに入るけど、ミーナちゃんは此処でルイスと待ってる?」

「ううん、サシャお姉ちゃんと一緒に行く」


 純真な瞳が私の心を貫く。

 はぁぁ、保護して本当に良かったわ──。











~~~~~~~~~~~~~



「と言うことで、クエスト達成よ」

「ええ、それはありがたいですが……」


 受付嬢は、私の足元をまじまじと見詰めて、困惑した表情を崩さない。


「この子、エルフ……ですよね?」

「ええ、何か問題?」


「いえ、この辺にエルフが居たなんて思わなくて、最近は共和国も物騒になってきてエルフやドワーフとかの種族が訪れなくなりましたから」


 ん? 物騒に? なんの話だろうか?


「ねえルイス? 共和国は物騒なの?」

「いや、知らねぇな。そんな話」

「すみません、最近では反政府派の人間が共和国で暴れてるんですよ」


 受付嬢の話に納得する点がある。

 なるほど、だから共和国なのにギスギスした空気が偶にあるのか。昨日なんか大人数の人とかがなんか叫びながら行進してたし……。


「では、人間と他種族で揉めているということ?」

「いえ、この国家のトップは人間のアライブさんです。彼の政治に不満を持った人がああやってデモとかを行っていて、それに巻き込まれまいとする他種族はそそくさと故郷に帰ってしまったというような感じです」


 巻き込まれたくない、か。


「ミーナちゃん、元々此処に住んでいたとかある?」

「えっと、うん。私、ここに住んでたよ。でも、急にお母さん達がエルフの里に帰るって、それから森に行ったけど、そのまま……それでお姉ちゃんとお兄ちゃんに会ったの」


 ミーナちゃんは恐らく移動のために邪魔だから捨てたの? でもそうだとしたら、そこまで急いでいた理由が分からない。

 なら、他の理由が──。


「あのね、お母さん……本当に辛そうだった」

「っ────」

「連れて帰れないって、言ってたかも……私が殺されてしまうから……」


「……その、殺されてしまう理由は聞いてない?」


 ミーナちゃんは悲しげな顔で首を振る。

 彼女は幼いながらに、捨てられたと分かっていたのかもしれない。


「えっと、聞いてない……」


 なるほど、聞いてないのね。

 おおよそ、この国の何かが原因だということは分かったけど、詳しくは分からない。

 詳しく知るためにすることは一つだけ。

 発明家でも、失敗すればそれをするし、成功する人はみんなそれをやっている。


「ルイス……」

「ああ、分かってるよ。勿論協力する」

「そ、なら依頼料貰ったらこの国のこと。色々と探るわよ」


 画して、私達は共和国の現状について色々と調べることになった。


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