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11 捜索1 ハロルダ王子視点

作風が少し変わりました。

「この件は、国の存亡に関わるやも知れない。全力で公爵令嬢サシャ・フリークを探しだすのだ!」

「「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」」


 王国の城内では、集まっていた騎士達が国王の鼓舞により咆哮をあげていた。

 その光景は、正に騎士達の闘志の籠った熱意に溢れ返っていた。






~~~~~~~~~~~~~



 現在国では大々的な不幸が続いている。

 それは、王妃の容体の急変であったり、農作物が原因不明の病気によって全滅したり、流行り病に多くの人間が侵されたりと様々だった。


 そのような嫌なことが続けば、どこかにすがりたいと人間は考えるようになる。

 何か無いかと血眼になり原因を探すと、この不幸が始まったのは、公爵令嬢サシャ・フリークが婚約破棄されてその後、勘当されて消えた時からだった。

 彼女に何らかの力があると。そういう意見が国の重鎮から多く出た為に、彼女の捜索隊が編成された。


 捜索隊は都を隅々まで探索してから、その後は近隣の村、更には大森林にまで捜索範囲を広げていた。

 俺はハロルダ・スケット。

 この国の王子だが、捜索隊に加わった。

 元々が俺が招いた事態。彼女が居なくなったことが原因で国が揺らいでいるのだとしたら、責任は俺にある。


「王子、この森一帯には彼女の姿はありません!」

 一人の騎士が報告をしてくる。

 その言葉は色々な意味が含まれていた。


「なら、更に森の奥、ということか?」

「僭越ながら、その可能性が高いと思われます!」


 彼女の捜索範囲の拡大は、同時に発見の可能性が低下することを意味していた。

 それが分かっている俺には、とても耐えられなかった。


「すぐに捜索を再開する。森の先に進むぞ」

 その言葉に対しての反応は全くといって良いほどに無い。

 数百といった兵士達、それらが皆疲れを見せ、捜索隊の士気は着実に落ちていった。


「お言葉ですが、これ以上はもう──」

「言いたいことは分かってる! だが、見つけないと国が滅びるんだよ!」

 騎士は俯き、そのまま返答はない。

 

 誰だって分かっている。後がないことなんて、こんな王子なんかよりもよっぽど分かっているのだ。見つけなければ、と。

 しかし、休みなしに捜索を続けて、少しの成果もでないまま、一日が浪費される。

 どうしたって見つからないと思うのが普通の考えだ。大方死んでしまっているかなどという考えも頭のかたすみに置いたまま、捜索を続けようとは、誰も思わなかった。


「なぁ、お前はこの国が滅びて良いのか? 俺は嫌だ!」

 一人の若い騎士に問うと首を横に振り、全力で否定した。

「そのようなことはありません! 私は騎士としてこの国に仕えて、それを誇りに思っております。家族も居ます。大切な友人もあそこには居るのです。滅びて良いはずありません!」


 彼の勢いに少し姿勢を反ってしまう。


 「なら、お前のすべきことは何だ! ここでおめおめと諦めることか? 違うだろ」

 言葉にはドスの効いた音が混じり、王子とは思えないほどに怖い声が出ていた。


「王子、私はこの国を救いたい。探します。サシャ・フリーク嬢を、そして見つけて見せます」

「そういうことだ。こいつの他には国を支えたいと思うやつは居ないのか?」


 首を百八十度回転させて、周りに取り巻いている騎士を見る。

 彼らの目には、もどかしさや悔しさなどの色が見える。


「おい! これから俺は彼女を探しに森の奥へ進む。連れていくのはやる気のあるやつのみだ! やる気の無いやつは早々に王宮に帰れ。それを俺は責めない」

 皮肉混じりのその言葉を受けたプライドの高き騎士が黙っている筈がなかった。


「行くぞ……」

「「「はっ!!」」」


 短い返事と共に、騎士の大半が王子の後に続く。

 王子が進むと騎馬隊が先行して、安全を確認しながら、道を切り開く。

 王子に付き従った騎士は、既に迷いを捨て、なんとしてもサシャ・フリークという一人の娘を見つけるために耳を澄ます。

 そして、彼らは探索するための気力と体力を絞りだし、据わった目で目前を強く見つめた。


「必ず、見つけてみせるぞ……サシャ」



面白い、続きが気になるって思って頂けたら、ブクマ、評価、感想などの応援をよろしくお願いします。

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