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平凡な冒険者  作者: 番犬
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僕の名前はアルク・ローラン、B級冒険者パーティ「蒼風の翼」で魔術師として活動している冒険者だ。え?語ってるんだから何か持ってるのかだって?そんなものあるわけ無いじゃないか。SSS級になりたいとか烏滸がましくて口に出せるわけないしそもそもなれない。だって僕はただのB級冒険者のアルクだよ。トップの冒険者のように二つ名とかないし。物語によくあるおっさん無双とか追放されて無双とかないない。おっさんになった時点で大抵の冒険者は引退するしパーティを追放されるのも冒険者規定にもパーティを追放するにはギルドを通さなくてはならない。不正防止のためだね、いい規定だ。僕たちのパーティは関係良好だからそんな制度とは無縁だけど。

僕たちは平凡だ。特徴をあげるなら個性豊かかな?多分それくらい。そんな平凡な冒険者パーティの平凡なお話の始まり始まり。




ガヤガヤと賑わう冒険者ギルドに併設されている酒場で僕はパーティメンバー達と駄弁っていた。世間話や下世話な話をしながらだらだらしてると一人の男が手をパンパンと叩いた。


「遺跡探索を終えて1週間たったしそろそろ新しいクエストでも受けようか」


この男の名前はルーク・ソルレル、冒険者パーティ「蒼風の翼」のリーダーを務めている剣士だ。金髪に青い目をしたそこそこイケメンなやつだ。趣味は短剣収集、好きな女の子のタイプは奥手な子らしい。


「いいぜ、1週間もだらけてたら体が鈍っちまう」


そう返したのは丸坊主で筋肉質で大柄な男、ガルク・プチランだ。見てくれから想像できるようにジョブは重戦士だ。厳つい見た目だが趣味は裁縫で結構器用だ。パーティ内の衣類の修復とかやってくれる。後プチランという名が体を表して無いところがツボだ。


「私も賛成かな。クエストを受けたいと言い出したということは何か良いクエストでも見つけたか?」


そうルークに訪ねたのは赤髪で長髪の女だ。名前はシルヴィア・ロックテール、「蒼風の翼」唯一の女性でジョブは騎士だ。騎士と言ってもスピード重視で動くタイプでガルクとは真逆の役割をしてる。趣味は遺跡の壁採集だ。壁採集ってなんだって思うけど僕もよく分からない。探索した遺跡の壁の一部を集めるのが好きらしい。


「うん。ヴァルク遺跡に新しい通路が見つかってね。そこの調査クエストがあったんだ。発見した物はギルドに提出しなくちゃならないけどその分報酬が上乗せされるんだって」


「へえ、良いじゃん。最近トルベク商会から新しいローブが出たから買いたかったんだよね」


んで、僕がアルク・ローラン。黒髪に緑色の目をした少し小柄な体型をしている。皆は僕の顔は中性的で特にオ〇マとショ〇コンには堪らないらしい。寒気がするわ!


「俺も新しい裁縫セット買いたいし早めに行こうぜ」


「お前の容姿でその発言は似合わなすぎて変な感じするからやめろ」


「壁オタも同じくらい変だけどね」


「何か言ったか?」


「イエナニモ」


やめてやめて、もの凄く勢いでナイフを僕の眼球に突きつけないで!風圧だけで痛いから!


「ハハ、皆賛成だね。じゃあ各々準備を整えて二日後の昼にここ集合で」


「わかった」「オッケー」「ああ」


「じゃ、かいさーん」


ルークが解散宣言するとガルクとシルヴィアはギルドを出て行った。残ったのはルークと僕の二人。そして二人が出て行ったのを見届けるとルークがニヤニヤしながら寄ってきた。


「ねえねえ、この前良いお店があったんだ。行かない?」


「どんな?」


「なんとケット・シーがメイド服を着て接客してくれるんだ!」


ルークは小さい声ながらもはっきりと喜びが分かるような口調で言った。言い忘れていたがルークは女の子とキャッキャウフフするのが結構好きなタイプだ。やれやれ…


「詳しく聞こうか」


「フフ、アルクの好みのタイプもいたしおさわりなしだけどお手頃価格だったよ」


「ふむ…出陣は何時にする?」


「そうだね……明日の夜で」


「オッケー」


「「じゃあ……」」


俺達は手を握り笑いながら呟いた。


「「僕たちの神秘を探すクエストへ!!」」


二人だけの世界の神秘を探る偉大なクエストが始まったのだ。僕たちの冒険はこれからだ!




ちなみに周りにいた女性の冒険者達からはゴミを見るような目で見られていた。おっふ、その冷たい目も堪らない!

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