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始まり

社畜っぷりの多い現代社会に対して、異世界ではどんな社畜が。。。なんて考えて書いてます。

そのうち絵でもつけたいなと思ってますので楽しく読んでください。


第1章0話:「始まり」



 事の発端は、どちらの種族が先に時代を築き上げてきたからというものが戦の始まりだった。

最初の頃別々に暮らしていた、魔族と人間。お互い手を取り合おうとはせずに暮らし、お互いを敵だと認識していた。


それから長い月日が流れた。

新しい時代を進もうと、人間の王と、魔族の王が手を取り合おうと話を進め始めたのだ。


食料、交易、ありとあらゆる規約、細かいことを決めつつ円滑に和平の交渉が進んでいく中、

領土の話をし始めたとき、魔族と人間との主張が合わずにいた。

人間達の国は大陸の3割程度に対し、意思が疎通できる魔族が持つ領土は大陸の4割、そして森や山に住まう野生の魔族たちを守るために

様々な保護をしていいるゆえに、人間以外が住まう土地は魔族の管理として置かれている。


人間達の要件は「同盟を組むのであれば、領土は双方半分だ」との主張だったのもあり、それが魔族たちの反感を買った部分だった。

さらに話が激化し、お互いの歴史の話にもつれ込む。

誰が最初に土地を統べたのか、最初に誕生した種族はどちらか等、途方もない話が飛び交い…


そして、ついに戦いに発展してしまった。


王同士の戦い、全力をもってお互いの種族を滅ぼそうとする殲滅的な戦い。

民は日々「いつ侵略されるのだろう」などと考えつつ、怯えて生活をする。

人間の王が16代目、そして魔族の王が3代目の時、人間の国に勇者と呼ばれる者が誕生する。

彼の誕生により、数百年という月日の均衡が一瞬にして崩れ去る。


勇者は次々と魔族の国を侵略し、軍勢を引き連れ戦場を訪れては自分たちの領土を拡大していった。

最初は人間の国との国境に近い国、次は東から西にかけての進行。

確実に、そして今までにないような速度で侵略を続け始める。

魔族たちも様々な魔法や武器で対抗するも、一瞬ですべてを無に帰すかの如く、彼らの進軍は止まらなかった。


どんな攻撃ですら勇者には通じなかった。

彼の持つ防具は精霊たちの加護を受けており、どんな魔法をもはじき返す。

剣はどんなかたい物でも切れ、重さが無に近いほどの驚きの軽さ、さらに瞬間的な超移動を可能にした聖剣と呼ばれる剣だ。


そして、魔族たちの領土の4割を支配したとき、彼らは巨大な壁と出会う。

その壁こそ魔族の王が納める国、魔王城だ。


難攻不落とされて来た魔王城、大地の段差が優に3000メートルはあるとされる崖。

崖を利用しつつ、岩を砕きながら作られた城と町、それこそが魔王城になる。

しかも崖の数メートル先に谷になっており暗い闇に包まれている、城に入るには城から伸びた唯一の橋が1つのみ。

攻撃にも防御にも特化している要塞、さらに魔王の軍勢と魔王自身の巨大な力の前に、難攻不落とされていた。


そして要塞の奥にある高地、その場所こそ魔族たちが住まう楽園になる。

幾時もの年月を守り続け、魔族たちに安息を与えてきた種族との壁、これこそが魔族たちが自信をもって誇れるものだった。


だが、勇者はそんな要塞をも簡単に突破してする力を秘めていることは魔王ですら気が付かなかった。


勇者率いる軍勢が魔王城の付近まで来たとき、魔王城から伸びた橋は城門まであがり、完全な臨戦態勢として本来の要塞の姿になる。

が、勇者はそんな要塞をも引けを取らずに単独で乗り込んできた時のことだった。





今日見上げた空は、赤黒い色をしていた。

 

 



魔王城の要塞の中、王と民を守ろうとする者達は、たった一人の敵に太刀打ちできずに死んでいった。

多くのものが死に絶え、民達の生活が出来る場所すら崩壊していく。

民たちを非常事態に備えて事前に非難は完了しており、あとは城を守るのみとなっていたはずだった。

 

城内に転がるのは、人々に戒められ、遠ざけられてきた魔物と呼ばれていた者たちの数多の亡骸。

周りには彼らが使っていたとされる無数の武器や、防具の破片が散乱している。

空しく果てる者達の顔には決死の覚悟で挑み、各々が死ぬまで鍛え上げた戦闘技術を全力でぶつけ敗れ去った後が見受けられた。


城と隔絶された荒野には、勇者が率いてきた無傷の大軍勢が陣を取り、首を長くしながら一人の兵器の報告を待っていた。

風の強い日だったためか、砂煙が彼らを隠すと荒野の奥にそびえ立つ大きな城から、様々な音が響き渡ってくる。


まだ生きている魔王軍の兵士たちから鳴り響く幾多の金属音や怒号が鳴り響き、

一合一合鳴るたびに何かが壊れる音と共に数多の断末魔が聞こえてくる。


城へ登っていくための町の通路、城内の廊下、階段、広間、ありとあらゆる場所には兵士達のおびただしい血が付着し、

あたり一面を赤色に染め上げていく。

兵士の首を、体を切断し、聖剣と呼ばれる武器を片手に持ち精霊の加護を受けた鎧をまとい、薄暗い廊下を歩く。

たった一人で魔物の軍勢を相手にし、その圧倒的な力を振るう青年がゆっくりと確実に目的のものに近づく。 

何も驚くべき光景ではない、ファンタジー小説でよくある”勇者”そのものの姿がこれだという事なだけなのだから。

 

勇者の場所から少し離れた一室、勇者が目的としている場所で最後の対象として狙われるものが一人、勇者を待ち構えるべく準備をしている。

外の廊下からはいかにも重そうな鎧を着た兵士が走ってくるのがわかる。部屋の扉が開くと兵士は凍りついた顔でに言った。

 

「ま、魔王様!ヤツが・・・勇者がすぐそこまで来ております!!!その後ろに約百万の人間軍です!!!」

 

銀髪の長い髪を束ね、瞳は真紅で染まり、少し眠そうな表情をうかべ、白色のローブに薄青いマフラーのようなものを羽織って、

腰に数多の液体が入った瓶をぶら下げている魔王と呼ばれた者が物静かにいた。


「とうとう来たか・・・。」

 

人間兵器としての武力から、自国の民を守り抜くために死していった友人達の無念を思いながらも、魔王は暗い表情を見せてはなるまいと

兵士の前で余裕の素振り見せる。


「ま、魔王様・・・この城はもう・・・!」


「わかっている、お前は城の裏にある城下に降りて避難誘導をしている部隊に合流し転送装置を使って"第二の城"へ行け。

まだ残っている民を誘導し、装置は破壊しろ。」


「・・・!?それでは魔王様はどうなさるおつもりですか!?」


「別段、死にいくつもりはない。ヤツを殺したあと別の道でそちらに向かう。いいな、確実に破壊しろ。」


「し、しかし!!」


「・・・もう多くの友が死に民が苦しんだ、もはや私がヤツを止めなくてはならない。

皆が苦しむ理由など作らせはしない、だからお前のやるべきことを見失うな。」


「・・・承知しました・・・。」  


無力な自分が悔しく、いかにも申し訳ないと答えそうな表情をしながら頷くと、すぐさま部屋の奥にある扉を開いて走っていった。

その直後、兵士が通ってきた廊下からはうっすらと白く輝くものが近づいてきた。開いた扉の前に姿を見せたの勇者と呼ばれている存在。


「・・・来たか、悪魔め・・・。」


髪は金色、精霊との契約によってなる翠色の瞳、短髪の頭をしながら出てきた青年は、目標を発見するなりすぐに剣を大きく構え飛び掛った。

魔王は振り下ろされた剣を後ろに避けつつ、腰にぶら下げていた小さなガラス瓶を勇者に投げつける。

小瓶は勇者の剣で切れた瞬間、中の液体が凍りつき鋭く氷柱状になり、勇者に襲いかかるがすんなりと剣で粉々にされた。

 

「こんな代物じゃ話にならないか。」

 

余裕があるような振る舞いを見せる魔王だが実際こんなやつと戦わないといけないと思うと、苦虫をつぶしたような気持ちになる。

人間の生として数えてしまえば長いが、寿命が人間の10倍以上あるような種族達の頂点に立って思うところ、

ヤツとの戦いは両手の指で足りるほどの経験しかした事がない。

浅い経験の中を"ここぞ本番"と毎回修羅場をくくってきた魔王でさえ、

経験上からでは一番がつくほどの強者と心の認識すると、そこから思う自分に腹が立つ。

 

だからこそ死にいった友と兵士達に詫びと感謝をたたえて、こいつだけはここで確実に殺すと覚悟ができる。


大きく開いた魔王の両手が真っ青に光、水色から次第に真っ白くなっていき周囲の空気が急激に冷たくなり呼応し始める。

その魔法を警戒した勇者も剣を自分の体の前に両手で持ち、構えをとり大きく息を呑むと剣に光が集まっていく。

 

お互い戦いやすい体勢をとりつつ、魔王は勇者に魔法と友人達への思いをぶつけて突っ込んでいく。


「貴様はここで朽ちろ!」


放たれた無数の氷の矢を、勇者は持っている剣でたやすく叩き壊しながら、前を突き進んできた。

次から次に出させる氷の矢を打ち終え、勇者より何十倍もある大きさの氷塊を連続で投げつける。


だが勇者はすべての矢を交わすと、持っていた剣で巨大な氷塊を軽々しく切り進んでくる。

さらに隙を見て、持っている剣を神々しく光らせると、その剣をその場から大きく振り下ろす。

振り下ろされた剣からはものすごい熱風の風が吹き、魔王の魔法は熱風で溶け、水へと変わり、その場から消し飛んでしまった。

魔王はその熱風を魔法障壁で防ぎ次の攻撃へとうつるが、それをみた勇者が真っ先に2発目の熱風を打つ。


その熱風に体を載せて加速し、魔王の懐まで突っ込んできた。


攻撃を予測していたとする動きで、熱風を逆に凍らせ、氷を壁にした。

勇者は、氷を横から切り裂いたあと、氷を踏みつけ、魔王を下敷きにするかの如くかぶせ、剣を縦に振り下ろした。

魔王はその攻撃を見切りつつ、腰にぶら下げていた剣を先に抜きつつ、銀髪を揺らしながら宙返りしながら、勇者の頭上をかすめつつ

一撃を巧みにさばく。

魔法で身体強化はしているとはいえ、勇者の加護には若干劣ることを知っていたかのように、力を使わず流す形で剣を交える。


背後を取りつつもそこから、数秒剣を交えると、魔法を絡めながら魔王が攻めに転じ始めた。

剣を振って、勇者の剣を軽々流しては魔法を顔面、体目がけて放つ。

それをものともせず、勇者は鎧の力を利用しながら、剣でなるべくはじき返し身体を回転を利用しながら剣の連撃を放つ。

そんな剣戟がお互いの加護と魔法により、目にもの止まらぬ速さで繰り広げられていた。


そして双方、このままではらちが明かないと思ったのか、剣同士のぶつかり合いの力を利用しつつ、間合いをあける。

お互いの大技を放つべく一瞬、溜めに入る姿勢をとると…


「地を這え!すべてを飲み込め!!!グランディング・ブリザード!!!」


「はああぁぁぁあ!!せぃ!!!」


地を這うように巨大な氷の刃が放たれ、逆側から巨大な神々しく光る真空刃がクロスして飛んでくる。


両方から放たれた魔法と必殺技はぶつかり合った後、周囲の物を吹き飛ばしながら爆発した。


「拉致があかないな、勇者よ。ここまではお互いの力は互角ってことか…」


「…。」


「少し話をしたらどうなんだ、まったく…」


「…。」


無言に徹した勇者は次の攻撃に転じるため、剣を腰に構え、突撃する姿勢をとる。


「あー、もうあきたよその攻撃は、そろそろ終わりにしようか、私も暇じゃないんでね。」


手に持った剣を鞘にしまい、腰にぶら下げていたもう一つの物を取り出し、手に持つと魔法陣が浮かび上がった。

持ったものは、真っ白い古びた本だ。魔王が本を開くこともなく勝手に意思が通じたかのようにページがめくられ始める。


「我が契約に従い、我が命ずる。我が友にして、最強の武器。白き門を守りし、最古たる孤高の存在よ…」


本のページがめくり終わったころ、魔王が詠唱をし始める。

構え終わっていた勇者は、その行動を予測してたかのように速攻をかけるべく、一気に間合いを詰めて魔王を切り裂こうとする。


「せっかちな奴だ。女にもてんぞ?」


空いた片手を使いつつ、いくつもの氷の壁を生成しては、勇者の視界を遮り、間合いを詰めさせずに詠唱を続ける。


「善を称え、悪を葬り、数多の歴戦を繰り返しは消えゆく。その存在は大地を揺るがす雷帝のごとく…」


召喚を意図したような詠唱を勇者は焦りながらも、氷の壁を切り裂き魔王を切り裂こうとするが、時すでに遅しと詠唱が終わる。


「天を舞え!地を駆け抜けよ!!すべての敵を滅せよ!!!さぁ、いでよ!グランフィール!!!」


本の上に描かれた魔法陣の中から、巨大な竜の腕が出現し、勇者の剣をつかみ取り、勇者ごと投げ飛ばした。

そして、本からは巨大な竜が姿を現し始める。


「終わりにしよう、勇者よ。すべての行いを悔いて、この地に沈め。」


魔王から放たれた冷たく凍り付くかのような歓喜の言葉が勇者を襲う。


その声の魔力はは城内から伝わり、城の外にいる者たちにすら聞こえた気がした。




社畜って…日本の現代社会で多い人種、しかもゲームしたい人多いんじゃない?

そこの気持ちをオープンワールドしたいイメージ満載の人物がマオウ君。

本名はそのうち?出さないと思いますが、、、あざっした!

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