燃えない!!ドラゴン
日曜日、フグは仕事が休みだったので、平日なら6時過ぎには起きて、仕事の支度をしているのたが、この日は8時過ぎになっても起きてはいるが、布団から出ようとしなかった。すると、突然玄関のドアを蹴破り、一人の男が入って来た。フグは、びっくりして飛び起きた。
フグ「な、なんだ貴様は!!」
男「まさか、草原に住んでいたとはな。しかも、俺が住んでいたボロ小屋とよく似ているじゃないか。」
フグ「お、お前はドラゴン!!お前はカッパに連れ去られて食われたはず。」
ドラゴン「そうだ!!お前に家を焼かれ、カッパに連れ去られて昨日、帰って来たところだ!!」
フグ「その復讐をしに来たというわけか。いいだろう、だが寝巻きを着替えるからちょっと待て。」
ドラゴン「ケッ柄が熊さんの可愛い寝巻き着やがって。全然似合ってないぞ。それに復讐するなら、既にこのボロ小屋を放火している。今日は、貴様にこれを持って来た。」
ドラゴンは、右手に綺麗な白い花が描かれた、黒い箱を持っていた。
フグ「それは玉手箱!!開けると歳をとるやつか?」
ドラゴン「さあな。俺はあれからカッパの家に連れていかれ、旨いものをいっぱい食わしてもらった。そして、帰りに土産として、この玉手箱をもらったんだ。そして、カッパに言われた。この玉手箱を開けるときは、お前と争っていた男と一緒に開けろと。」
フグ「それはモロ歳をとるやつだ。絶対開けるなよ!!そんなものさっさと捨てろ!!」
ドラゴン「俺はお前に家を焼かれ、ホームレスだ。俺に帰る場所などない!!そりゃああああ!!」
フグ「やめろ!!やめるんだ!!」
フグの叫びもむなしく、ドラゴンが玉手箱の蓋を開けると、モクモクと白い煙が出てきた。
フグ「これは、まさしく歳をとるあれだ。」
ドラゴン「みたいだな・・・・今さらながら、開けるんじゃなかった。」
フグ「遅いわ!!」
煙が消えると、フグは病院にいた。目の前には、自分がベッドに横たわり、側ではノブロウが叫んでいた。
ノブロウ「しっかりしろ!!お前はまだやれる!!これからだ!!」
フグ「俺がベッドで横たわっている!!これはいったいどういう事だ!!」
医師がノブロウに言った。
医師「ドクターストップです。」
ノブロウ「そんな・・・・ミスターK-1と呼ばれたお前が死ぬなんて。」
心電図が停止し、ノブロウは泣き崩れた。
フグ「俺はまさか、幽体離脱をしているのか?本当の俺は死んでいて、今の俺は幽霊だというのか!!」
医師「彼は素晴らしい格闘家でした。彼の残した功績は、永遠に語り継がれることでしょう。」
医師がそう言った瞬間、煙がモクモクと地面から沸き上がり、ボロ小屋の中の景色に変わった。
フグ「今のは何だったんだ?」
とりあえず、フグは気分転換をしようと外に出てみると、夜になっていて、空には綺麗な天の川が広がっていた。そして、ドラゴンが天の川を見上げていた。
フグ「な、さっき起きたばかりになのに、もう夜になってやがる!!しかも、ドラゴンが黄昏てやがる、クズのくせに。」
ドラゴン「フッお前も十分クズだ。」
フグもドラゴンの近くに行き、天の川を見上げた。