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蹴王(けりおう)と呼ばれた男  作者: 明日こそはシンデレラ
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見学

街に帰ったレナは、ジャスティスとボディーガードの男達と別れ、自宅のマンションに入った。そして、ソファに座り、フグに貰った蜜柑を1個ビニール袋から取り出して、皮をむいて食べた。


レナ「すっぱ!!こんな酸っぱい蜜柑は、生まれて初めてだわ!!」


とりあえず、レナは久しぶりにスマホで実家に電話をしてみると、母親が出た。


レナ「あ、お母さん久しぶり。レナだけど元気?」


母親「レナ?あなたこそ元気にやってるの?」


レナ「うん。」


母親「あなたの住んでる街に、お兄ちゃんも住んでいるはずよ。お兄ちゃんは空手で成功して、世界に弟子が5000人いるんだって。セレブしか住めないベルサイユ・ヒルズに住んでるらしいから、何かあったら頼りなさい。」


レナ「へ?・・・・そうなんだ・・・・。」


母親「じゃあね。お母さんは、これからカラオケ教室に行くから。また何かあったら電話しなさい。それじゃあ、切るわね。」


母親は、容赦なく電話を切った。


レナ「相変わらず、見栄っ張りでバカすぎるお兄ちゃんだわ。なにがベルサイユ・ヒルズよ、大草原のボロ小屋じゃない!!」


レナは、スマホをテーブルの上に置き、あと、ビニール袋の中の蜜柑は、何個あるんだろうと数えていると、下の方に紙切れが入っていた。レナは、その紙切れを取り出した。


レナ「何か書いてあるわ。」


アホの妹よ。それは、草原になっていた熟してないシークヮーサーだ。世の中は、お前が食べている蜜柑ほど甘くない!!

                           フグ


手紙を読んだレナはブチギレ、ビニール袋ごとゴミ箱へ投げ捨てた。


レナ「なにがお母さんが送ってきた蜜柑よ!!ふざけやがって!!あのバカ兄貴が!!」


しかし、レナはフグが、毎週土曜日に空手教室を草原でしていると、ジャスティスから聞いていた。その空手教室の詳細までは聞いていない。


レナ「ちょっと今週土曜日に、空手教室を見に行ってみよ。暇だし。練習場所が草原てことは、弟子は5000人はいないにしても、100人ぐらいはいるのかも。」




       一 土曜日 草原 午後4時 一



レナは、草原の入口辺りに車を止めて、車の中から空手教室を見てみた。ちょうど、正拳突きを教えながらしているフグの姿が見えた。


レナ「お、やってるやってる。あの空手着を着てるのがお兄ちゃんで、えっと、あれは亀?亀が2匹にえっと、猫?それから狸にウサギ?あと何あれ?ハリネズミ?全部動物ばかりじゃない!!何が弟子が5000人よ!!6匹しかいないじゃない!!人じゃなくて動物に空手を教えてるなんて、バカだわ。私のお兄ちゃんは、世界一の大バカ野郎だわ!!」


レナは呆れて帰ろうとすると、フグの空手教室に巨大な猪が現れた。


フグ「なんだお前は。お前も空手を習いたいのか?」


猪「草原の魔王・フグだな。俺の名前はボブ。道場破りだ!!俺が勝ったら、今日からこの草原と空手教室は、俺の縄張りだ!!」


フグ「猪のお前は、空手が出来るというのか!!」


猪・ボブ「これが俺の空手だ!!猪突猛進!!」


ボブは、フグに頭からタックルをしに行った。フグはヒラリとかわし、ボブはフグのボロ小屋に突入して、横側の壁に穴を開けて出て来た。


フグ「貴様!!俺の家をよくも壊しやがったな!!」


ボブ「フフフフッいつまでそうやって、かわしてられるかな?お前がかわせばかわすほど、このボロ小屋は壊れ、やがて崩壊するという仕組みよ。お前はこの草原初のホームレスとなるのだ!!ハハハハッ。」


フグ「ふざけやがって!!お前の頭を俺の正拳突きで粉々に砕いてやる。来い!!」


フグは構えた。


ボブ「いいだろう。行くぞ!!喰らえ!!猪突猛進!!」


ボブは、フグに向かって突進した。


レナ「道場破りまで動物なの?なんなのこれ?アホだわ、私のお兄ちゃんはアホすぎるわ!!」

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