俺の空手
農家の男達はフグに、兎達はペーターに水を渡したり、体の汗を拭いたりと、セコンド代わりをした。
農家の男達「フグさん、ナイスファイト!!」
「いいぞ、フグさん。その調子!!」
兎達「親分、まだまだ余裕ですね。」
「大丈夫、親分なら勝てますよ!!」
突然、フグが立ち上がり、ペーターの元へ歩いていった。
ヒロシ「まだ、インターバル中だぞ。」
魔王・ペーター「なんだ?どうした?まだインターバル中だぞ。闘いたいのは分かるが、そう慌てるな。」
フグは座り込んで休んでいるペーターの顔に、回し蹴りをぶちこんだ。
フグ「ドリャアアアア!!」
魔王・ペーター「ホゲエエエエ!!」
まさかのフグの攻撃にペーターは倒れて、気を失いかけた。慌ててレフリーのヒロシが止めに入った。
ヒロシ「お前、何やってるんだ!!お前の反則負けだ!!」
しかし、フグはヒロシの顔にも回し蹴りをぶちこんだ。
フグ「ドリャアアアア!!」
ヒロシ「ホゲエエエエ!!」
ヒロシは倒れて気絶した。
フグ「俺の空手にインターバルはない!!」
さらにフグは、気を失いかけて倒れているペーターに、蹴りを何発も入れ続けた。
兎達「こいつ、ふざけるな!!」
兎達は、いっせいにフグに襲いかかった。フグは、農家の男達の側へ行き、置いてある鍬を取って、兎達に振り回した。
フグ「さあ、魔王が倒れている今のうちに、この兎達をしとめるんだ!!」
農家の男達「お、おお!!」
農家の男達は鍬を持って、兎達にかかって行った。農家の男達と兎達が闘っている最中に、フグは倒れているペーターの所に行き、鍬で何十回もペーターを叩き、血祭りにあげた。闘っていた農家の男達と兎達は、あまりのフグの執拗な攻撃に、いつの間にか、その光景を呆然と見つめていた。
農家の男達「・・・・そこまでやるか。てか、空手使ってないよな。」
「た、確かに・・・・空手家じゃないよな。空手の技使ったの、最初だけだったな。」
兎達「親分・・・・。」
「酷い!!何もそこまでやらなくても・・・・だから、人間は嫌いなんだ!!」
農家の男達の空手家じゃないという言葉が聞こえ、慌ててフグは鍬を投げ捨てた。
フグ「喰らえ!!魔王・ペーター!!必殺・脳天踵落としだ!!ドリャアアアア!!」
フグは、倒れて気を失っているペーターの顔に、踵落としを喰らわした。そして、片足を高く上げて、すでに何十回も鍬で叩かれ、再起不能のペーターに、いかにも空手の蹴りで倒したかのようなポーズをとった。