必殺技を伝授
フグがジャスティスに、物凄い勢いで迫って来た。
ジャスティス「このままでは、追いつかれてしまう!!喰らえ!!」
ジャスティスは、財布から5千円札を取り出し、それをフグに向かって投げた。
フグ「うおっまさかの5千円札!!」
フグは5千円札に飛びついて取ったが、その隙にジャスティスは軽トラに乗ってエンジンをかけるため、鍵を回した。しかし、ジャスティスのボロい軽トラのエンジンは、なかなかかからない。
フグ「ゲームオーバーだ。」
運転席側の窓の外に、フグがいた。ジャスティスは、慌てて車の鍵をロックした。
ジャスティス「ヒッヒイイイッ!!」
フグ「車の中にいるからって、安全だと思うなよ。セアッドリャアア!!チェスト!!」
フグは、車の窓ガラスを正拳付きで割り、フロントのガラスも蹴りやパンチで割った。
ジャスティス「ま、マジか!!こいつ!!器物破損だぞ!!」
フグ「賽銭泥棒のお前が、法律を語るな!!」
フグは、運転席側のロックを外してドアを開け、ジャスティスを引っ張り出した。
ジャスティス「ヒイイイ!!やめろ!!やめてくれ!!」
フグ「喰らえ!!フグコンボ!!」
フグは、ジャスティスの腹にボディブローや膝蹴りを入れ、顔面を2発殴り、ジャスティスは気絶して倒れた。しかし、倒れたジャスティスを起こして軽トラにもたれさせた。そして、お金拾いをしている空手教室の動物達を呼んで、軽トラの周りに集めた。
フグ「これより、みんなに俺の必殺技を伝授する。これで、確実にトドメをさすんだ。喰らえ!!必殺・脳天踵落とし!!」
ジャスティスの脳天に踵落としがヒットし、ジャスティスは軽トラのミラーに顔をぶつけて倒れた。フグは、片足を上げて勝利のポーズをとった。
ポン太「フグさん、踵落としは別にしなくても。」
ピョン吉「そうだよ、フグさん。もう、気絶してたし。はい、お金。」
ピョン吉は、フグに500円玉を2枚渡した。
フグ「おお!!よし、ピョン吉は黄帯で8級だ。」
ニャンゴロウ「はい、フグさん。」
ニャンゴロウは、フグに500円玉を8枚渡した。
フグ「おお!!よし、ニャンゴロウ、お前は今日から黒帯だ!!初段だ!!これからも気を引き締めて、空手道を精進するように。空手はむしろ、黒帯になってからが本番だ!!」
ハリゾウ「ニャンゴロウは、手抜きの練習してるのに?」
ニャンゴロウ「出席日数の少ないハリゾウには、言われたくない!!」
タツオ「フグさん、私達は先に帰るよ。」
ヨシコ「また来週の土曜日に、よろしく。」
ゾウ亀のタツオとヨシコ夫婦は、100mのボルト並の速さで歩いて帰って行った。
フグ「は、速い!!亀ってあんなに速く歩くのか!!」
ポン太「じゃあね、フグさん。」
ポン太・ピョン吉・ハリゾウも家へと帰って行った。フグは、倒れているジャスティスのダウンとダンパンを剥ぎ取った。
フグ「さてと、俺も帰るとするか。今日は、金と服が手に入った。ジャスティス、俺はいつでも、お前がこの草原に来るのを歓迎する。お前との闘いは金になる。お前と闘って得る金のことを考えると、コツコツとバイトをしている自分がアホらしくなるぜ。」
フグは、ボロ小屋へと歩いて帰り始めた。草原の入口では、トランクス姿のジャスティスが、風に吹かれて寝転がっていた。