貧乏人
フグ「さっきと同じだ。お前は無職だ。体力とか攻撃力とかの平均値ってどのくらいなんだ?」
ジャスティス「普通の一般人で、どれもだいたい80~100といったところだ。」
フグ「お前、魔力と素早さ以外は、平均以下だぞ。体力が50、攻撃力と防御力が30だ。」
ジャスティス「そんなわけないだろ!!その数値は小学生レベルだ!!ったく、これだから100均のルーペはあてにならないぜ。返せ!!」
ジャスティスは、フグからルーペを取り上げて、ダウンのポケットにしまった。そして、歩いてフグから離れて、少し距離をとった。
ジャスティス「さっきルーペを見たから分かっただろ。そう、俺の魔法は銭投げ、金を投げる魔法だ。さあ、勝負再開だ!!いくぞ!!俺は銭形平次と違って、ガンガン金を投げるぜ!!なんてったって、俺の投げる金は、俺が働いて稼いだ金じゃねえ!!人の金だからな!!」
ジャスティスは、小銭入れの財布から小銭を出し、右手でフグに向かって投げまくった。
ジャスティス「喰らえ!!ソリャソリャソリャソリャ!!」
フグ「アイタタタタ!!」
ジャスティスの投げた小銭が、全部フグの体に当たり、フグは顔を両手でガードした。
ジャスティスの銭投げを喰らったフグは、11280ポイントのダメージを受けた。
ジャスティス「ハアッハアッハアッハアッこ、こいつ、これだけの金を喰らっても立ってやがる!!本当にこいつの体力は、1億1あるというのか。いや、そんなはずはない!!体力が1億もある奴なんて、この世にいないはずだ!!」
野良猫のニャンゴロウが、100円玉を5枚拾ってフグの所に持って来た。
ニャンゴロウ「フグさん、お金が落ちてたよ。」
フグ「おお!!500円も拾ったのか。アイツの投げた金だな。ニャンゴロウ、まだいっぱい落ちてるはすだ、みんなも金を拾ってくれ。」
500円を受け取ったフグは、体力が5000ポイント回復した。
ジャスティス「こ、こいつ、金を貰ったら体力が回復しやがった。ま、まさか、お前は貧乏なのか?世界最強の空手家なのに、貧乏だというのか!!それとも、金遣いがめちゃくちゃ荒いのか!!」
フグ「な、何をいっている!!俺は貧乏なんかじゃない!!超金持ちだ!!セレブだ!!俺は貴族だ!!」
ジャスティス「確かに今、金を受け取ったお前の体が光った。あの光は、回復の光だ。俺は元魔法使いだから、その光が見える。貧乏人相手だと、相性悪いぜ。」
ポン太「フグさん、はいこれ。」
フグはポン太から53円受け取り、体力が530ポイント回復した。
ジャスティス「なんてこった!!こいつ、また回復しやがった!!間違いない!!こいつは貧乏人だ!!クソッもう小銭入れに金がない!!こうなったら奥の手だ!!お前の体力が回復する前に、お前に金を当ててやる!!」
ジャスティスは、ダウンのポケットから巾着袋を取り出した。
ジャスティス「この巾着袋には、いざというときのために、500円玉が20枚入っている。これを全て喰らえば、10万ポイントのダメージで、魔王でも即死コースだ!!」
フグ「500円玉20枚ということは1万か。こいつは割りのいいバイトだぜ!!さあ、500円玉を俺に向かって投げろ!!お前の全力投球を俺にぶつけてみろ!!」
ジャスティス「この野郎!!なめやがって!!喰らえ!!500円玉トルネード!!」
ジャスティスは、野茂投法でフグに向かって10枚の500円玉を投げ、それが全てフグの体に当たった。フグは、先程と同じく顔だけを両手でガードした。
フグは、100000ポイントのダメージを受けた。
フグ「少し痛いが、これで1万円ゲットだ。ポン太、ニャンゴロウ!!この辺りの500円玉を拾っといてくれ。いくぞ、ジャスティス!!」
フグは、ジャスティスに向かって走り出した。
ジャスティス「クックソッこれだから貧乏人は嫌なんだよ!!」
ジャスティスは、フグに背を向けて草原の入口へ向かって走り、逃げ始めた。