フグ まさかのKO負け
なっちゃん「あの人、私のせいで。大丈夫かな。」
自称・魔女の人々「何を言ってるんだ、なっちゃん!!あいつは、この街の寺という寺の賽銭を盗み、正月3が日が終わって4日の夜中に、この街で一番でかい神社・忖度神社の池の中にある賽銭を、何人かの仲間と一緒に、ユンボやダンプで持ち運んだとんでもない大悪党だ!!あんな奴は焼け死んだらよかったんだ!!」
「ウォーターガン!!」
自称・魔女の人々の何人かが、集会所から取ってきたコップに、自分の手から水を出して、飲み始めた。
「あ、俺にもついでくれ。」
「私にもお願い。」
フグ「お前ら、水の魔法が使えるじゃないか!!」
フグはそう叫びながら、今度は少年となっちゃんを見て言った。
フグ「それはそうと、お前らは何でここへ来たんだ?」
少年「さっきの人がフグさんいるか?って訪ねて来たんだ。」
なっちゃん「何か様子が変だから、着いてきたらフグさんに呪文を唱えようとしてたから、つい・・・・。」
フグ「そうか、ありがとな。せっかくだから、お前らもすき焼きを食べていけ。」
少年「ごめん、もう遅いし家に帰らないと。」
なっちゃん「明日、学校だしね。」
魔女の子供達は、魔女の親に連れられて、ぞくぞくと帰り始めた。
自称・魔女の人々「じゃあ、そろそろお開きとするか。」
「そうだな。ヒロシもなっちゃんが成敗してくれたし、ちょうど良い終わり方だ。」
フグ「おいおい!!こっちは明日の朝飯もあてにして来てるんだ!!さあ、魔女狩りの続きをしよう。」
自称・魔女の人々「悪いな、フグさん。今回から魔女狩りは、1日だけとなったんだ。」
「みんな、仕事とかあるし、フグさんも空手の稽古が出来て良かったじゃないか。」
そう言って、自称・魔女の人々もまた、帰り始めた。
若い綺麗な女「フグさん、さよなら。」
そう言って、先程フグを応援してくれた、金髪でスリムでいい女が、フグに手を振ったが、隣に彼氏と思われる男がいて、手を繋いでいた。
フグ「あれほどいい女だ。そりゃあ、男がいるよな。やはり、俺のファンはブスしかいないということか!!グハッ。」
フグは8000万ポイントのダメージを受け、右膝を思わず地面に着いてしまった。
それから約一ヶ月後、フグは仕事が終わり、スーパーで3割引になった惣菜をどれにしようか悩んでいると、以前、ダイエットをして痩せると約束したブスで太った女が、買い物かごいっぱいにお菓子やカップヌードルを入れているのを見かけた。以前よりも痩せた感がなく、むしろ太っていた。フグと目が合い、ブスで太った女がフグに近よって、話しかけて来た。
ブスで太った女「あ、フグさん。こないだの空手、凄かったです。私、ますますフグさんのことを好きになりました。」
フグ「お、お前、前より太ったんじゃないのか?」
ブスで太った女「そうなの。5キロほど太ったかな?ダイエットしようと思ったんだけど、私には無理みたい。」
フグ「お前、俺との約束はどうした!!痩せてから俺を応援するっていう約束だっただろ!!」
ブスで太った女「ああ、あれね。裏切りは女の特権なの。ルパンが言った有名な言葉、フグさんも聞いたことあるでしょ?だから、あの約束はなしで。これからも、私はフグさんを応援させてもらうわ。なんなら、彼女になってあげてもいいわよ。さて、今日はこのぐらいで買い物はいいかな。じゃあね、フグさん。」
ブスで太った女は、フグにウインクをして、レジの方へ行った。
フグ「グハッゲホッな、なんだ、この見下された感は・・・・約束って、そんなに簡単に破っていいものなのか・・・・。」
約束を破られ、しかも、ブスで太った女に上から目線で"彼女になってあげてもいいわよ"と言われたフグは・・・・
1億ポイントのダメージを喰らい、買い物かごを落として倒れた。それを見つけた店員は、慌ててフグの元へ駆け寄った。
店員「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」
店員に体を揺すられて、フグは目を覚まし、なんとか立ち上がった。
フグ「大丈夫だ・・・・俺としたことが、油断した。今のは俺のミスだ。」
まさかの敵に、KO負けを喫したフグであった。