表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蹴王(けりおう)と呼ばれた男  作者: 明日こそはシンデレラ
42/54

フグVS フグ

フグは、階段を降りて1階の座敷に行くと、大工の男は、何人かの自称・魔女と名乗る男や女達とともに、横になって寝ていた。


フグ「チッ熟睡してやがる。外に出て、少し夜風にでもあたって、空手の稽古でもするか。」


フグは集会所の前の広場に出て、四股立ちをして正拳突きや蹴りの練習をしていると、一人のフードを被った50代ぐらいのおばさん魔女が、話しかけて来た。


おばさん魔女「あんた、空手のフグさんだね。一人で空手の練習をしてもつまらないだろ。私のゴーレムと勝負するかね?」


フグ「ゴーレム?いいだろう。久しぶりに、組手をしたいと思っていたところだ。」


おばさん魔女「じゃあ、私のゴーレムを。出でよ!!源五郎(げんごろう)!!」


すると、さっきまで横になって寝ていた、禿げた頭にハチマキを巻き、白のジャージに、大きな茶色の腹巻きをした大工の男が現れた。


フグ「お前は、さっきの大工!!お前はゴーレムだったというのか!!」


大工の男「そうだ。俺は見た目は大工だが、実はストリートファイターだ!!俺は、この街では、少しは名の知れた荒くれ者ゴーレム・源五郎だ!!」


フグ「俺は、空手は10段。ケンカは100段だ!!俺がお前に、本物のケンカを教えてやる!!かかってこい!!」


源五郎「お前がケンカ100段なら、俺はケンカ1000段だ!!喰らえ!!」


源五郎は、腹巻きから20本ほどの釘を出して、フグの顔面に向かって投げつけた。


フグ「フグ・ソルト!!」


フグは、空手着の胸元から塩の入ったナイロン袋を投げ、そのナイロン袋は、源五郎の投げた20本ほどの釘に当たりながらも、源五郎の顔面に当たって、地面に落ちて塩をぶちまけた。


源五郎「グオックソッ塩の塊を投げて来やがるとは!!」


フグ「これが、俺とお前の差だ!!いくぞ、チェストーー!!」


フグは、源五郎の腹に向かって飛び蹴りを放ち、それを喰らった源五郎は、粉々に砕けた。


おばさん魔女「おお!!さすがフグさん。源五郎を一撃で!!しかし、これはどうかな?出でよ!!フグ!!」


フグと全く同じ容姿をしたゴーレムが現れた。


フグ「な、なに!!俺が現れた!!」


おばさん魔女「さっきの対源五郎戦で、だいたいアンタのスピード、パワー、技が分かった。確かにフグさん、アンタは強い。今日は、私の生涯最高のゴーレムが出来上がったよ。さあ、フグ・ゴーレム、本物のフグを倒して、今日からお前がフグとして、この街で生活するのだ!!」


フグ・ゴーレム「俺の名を語る偽者め!!ぶっ殺してやる!!ドリャアアアア!!」


フグ「なんだと!!お前が偽者だろうが!!ドリャアアアア!!」


フグとフグ・ゴーレムの激しい突きや蹴り合いが始まり、そのうるささに、集会所にいる自称・魔女達や、子供の魔女達が外に出て来た。


自称・魔女達「フグさん、うるさいぞ!!近所迷惑だ!!空手の練習はやめろ!!」


「あれ?フグさんが2人いる!!また、変なことしてるよ、この空手バカは。」


「で、どっちが本物のフグさんなんだ?」


「分からない。」


子供の魔女達「うわあっ凄い!!これが空手なの?」


「凄いね、二人とも。」


「どっちもフグさんなんだけどね。」


フグ「ハアッハアッハアッハアッ。俺って、こんなに強いんだな。ハアッハアッハアッハアッ。」


フグ・ゴーレム「俺のスタミナは無限だ!!貴様の負けだ!!この偽物フグめ!!ドリャアアアア!!」


フグ「ふざけるな!!この土野郎!!ドリャアアアア!!」


二人の放った右上段回し蹴りが、交錯した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ