まさかの敗北!!(フグ、2敗目)
フグは、3人の20代後半ぐらいの男達と、軽トラの荷台に乗って、街の集会所に向かった。
フグ「お前ら、人の家を散々ボロいとか言っていたが、この車もかなりボロいじゃないか!!」
男1「これは街の車だ。ちなみに俺はこないだ、アクアを買ったんだ。ハイブリットだぜ。」
男2「俺はプリウスだ。」
フグ「俺は自転車だどいうのに、コイツらはこの若さで、アクアやプリウスだと?なんでみんな、そんないい車に乗れるんだ!!世の中、おかしいだろ!!グフッ。」
フグは、1億ポイントのダメージを受け、呼吸困難になった。
フグ「ハアッハアッハアッハアッ。」
男3「フグさん、大丈夫か?安心しろ、俺は車を持っていない。俺は毎朝、自転車通勤だ。」
それを聞いて、フグの体力が100億ポイント回復した。
フグ「車なんて、単なる移動手段に過ぎない。男の価値は、心の広さだ。」
男1「そりゃそうだけどよ、コイツの自転車は、200万以上するんだぜ。車が買えるっつうの。」
フグ「な、200万だと!!お前の自転車は、200万もするというのか!!」
男3「ま、まあ。正確には、207万したっけなあ。」
フグ「グワアアアア!!」
改心の一撃!!フグは、1000億ポイントのダメージを受け、気絶した。
男1「フグさん、起きろ。集会所に着いたぞ。」
フグは、起こされて軽トラの荷台から降り、コンクリートで作られた2階建ての、白い四角い建物・集会所の中に入った。
男達「じゃあな、フグさん。俺達は、まだ魔女狩りをしないといけないんだ。」
「ゆっくりして行ってな。」
フグは、玄関の靴箱に靴を入れて、茶色のスリッパを履き、人々の声がする方に行くと、そこは座敷で、30人ぐらいの人達が、鍋を囲んで、ビールを飲みながら座っていた。人々は、フグを見て叫んだ。
「お!!また魔女じゃない奴が来たぞ!!」
「おいおい、いくら魔女じゃないにしても、空手着はないだろ。空手着を着た魔女なんて、いないだろ。」
一人のハチマキを巻いた、禿げた中年の男が叫んだ。
中年の男「あんた、空手家のフグさんだろ。気にするな、俺も魔女じゃない、俺は大工だ。」
フグ「俺は空手家じゃない!!魔女だ!!土の魔法使い・トパーズ大西だ!!」
それを聞いた人々は、笑った。
中年の男「ほう。じゃあ、魔法を見せてみろよ、土の魔法を。」
フグ「・・・・いいだろう。」
フグは、空いたビールビンを5本、横並びに畳の上に並べた。
フグ「チェスト!!」
フグは手刀で、ビールビンの先端を切り、集会所の人々は、国会議員のように"おお!!"と叫んだ。
中年の男「おお!!ずいぶんと力技で出たな。とにかく、えっと、トパーズ大西さん、座ってスキ焼きを食べな。今日は祭りだ、楽しくやろう。」
フグは、中年の男の隣に座り、ビールを注いでもらい、スキ焼きを食べ始めた。少しして、60代ぐらいのおばさんが、捕まった自称・魔女の人達を数え始めた。
おばさん「今、47人だから、あと3人やね。ちょっと放送して来るわ。」
おばさんは、座敷の部屋を出て階段を上り、2階の放送室に入った。
フグ「魔女狩りって、魔女を50人捕まえないといけないのか?てか、ここに47人もいるのか?」
中年の男「そうだ。一応、魔女を50人捕まえないといけないことになっている、というか、実際、普通の人間が魔女を捕まえるのは無理だから、魔女に来てもらっているんだ。それと、ここには30人ぐらいかな。残りの人達は、2階でピンポンをしているぞ。」
フグ「ピンポン?卓球か?」
中年の男「そうだ。最近、この街では卓球が流行っている。」
そんな会話をしていると、おばさんが放送を始めた。
おばさん「ピンポンパンポン!!魔女があと3人足りませんので、魔女の人は、大至急、集会所に来て下さい。繰り返し、お知らせします。魔女があと、3人足りませんので、魔女の人は、大至急集会所の方に来て下さい。このままだと、魔女狩りが終わらないのでお願いします。ピンポンパンポン!!」