表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蹴王(けりおう)と呼ばれた男  作者: 明日こそはシンデレラ
39/54

魔女狩り始まる

仕事が終わり、フグは家でビールを飲みながら、テレビを見て短い夜を満喫していると、ドアが、激しくドンドンドンドンと叩かれた。


フグ「こんな時間に、ドアをドンドンドンドンと。また額割ってるアイツらか。」


フグが、玄関のドアを開けようとすると、ドアが外れて、外に倒れた。


フグ「ああ!!またドアが外れた。お前ら、いい加減にしろ!!」


フグが怒鳴るとともに、少年となっちゃんが、家の中に駆け込んで来た。


少年「フグさん、今日から街は、魔女狩りが始まるんだ。しばらくここに、なっちゃんを隠れさせて!!」


なっちゃん「お願い、フグさん。お邪魔します。」


フグ「おい、ちょっと待て。このスマホが普及している時代に魔女狩りだと?」


少年「街のイベントで、今日から2日間、魔女狩りをするんだ。捕まった魔女達は、2日間、街の集会所で過ごさないといけない。」


フグ「なんだそれ?いいじゃないか、2日ぐらい集会所で過ごせば。たぶん、飯とか出るんだろ?」


なっちゃん「たしか去年は、チラシ寿司だったかな。次の日は、もつ鍋が出たような。」


フグ「いいじゃないか、それ。捕まった方がお得じゃないか。」


なっちゃん「でも捕まらなかったら、街の役場から、2万円貰えるの。協力してくれたら、フグさんに1万円あげる。」


フグ「な、本当か!!よし、俺に考えがある。」


フグがそう発言したとたん、ドアが外れた玄関口から、何人かの男達の声が聞こえてきた。


男達「なっちゃん、そこにいるのは分かってる。出て来い!!」


「なっちゃん!!こんな汚ない所は、体に悪いよ。」


「それにしても、恐ろしくボロイ小屋だな、ここは。」


フグはドカドカと玄関まで歩いて行き、怒鳴り散らした。


フグ「失礼だぞ、貴様ら!!」


男達「あんたは、空手家のフグ!!」


「こんな所に住んでたのか、あんたは!!」


フグ「悪かったな、こんな所で!!俺はたった今、魔法使いになった。俺は土の魔法使い・トパーズ大西(おおにし)だ!!」


男達「フグさん、俺達は暇じゃないんだ。さっさとなっちゃんを出してくれ。」


「そうだよ、フグさん。どうみてもフグさんは、おっさんの空手家じゃないか。魔法使いには見えないよ。」


フグ「うるさい!!黙れ!!俺は集会所で、チラシ寿司を食べたいんだ!!さっさと俺を魔女として、集会所に連れて行け!!だいたい魔女狩りなんて、祭みたいなもんだろ?」


男達「まあ、確かに無病息災を願う祭みたいなもんだが。」


「男の魔法使いも魔女として、カウントされるからなあ。」


「しょうがない、フグさんがうるさいから連れて行くか。トパーズ大西として。」


こうしてフグは、魔法使い・トパーズ大西として、街の集会所に連れて行かれることになった。フグは、少年となっちゃんに叫んだ。


フグ「お前ら、ちょっと行って来るから、ちゃんと家の留守番を頼むぞ、火災保険に入ってないから、火に用心しろよ。」


少年「了解。」


なっちゃん「フグさん、タッパーを持って行けば?ご馳走が他にもいっぱい出るよ!!」


フグ「本当か!!ちょっと待ってくれ!!」


フグは台所に向かい、流し台の上にある棚から、白い大きなタッパーを2個取り出して、再び玄関に行き、男達と共に出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ